あらすじ
第十話では、蒋歩汀が星辰と仕方なく比武をすることになりました。星辰は何度も敗北を喫しますが、諦めずに挑み続け、ついに一度勝利を収めます。こうして、蒋歩汀と共に江湖を旅する機会を得ることになります。
勝利したものの、星辰の心は晴れません。しかし、蒋歩汀が清風寨で異人の情報を掴んだと告げると、星辰はすぐに行動を起こす決意をします。二人は清風寨に潜入し、異人たちが殺人兵器として訓練されているという衝撃の事実を知り、彼らを救い出すことを決めます。
清風寨からの脱出を試みる中で、蒋歩汀は星辰を守るため、敵を引きつける役を買って出ます。一方、星辰は秘密の井戸を発見します。井戸の底で、泳げない蒋歩汀を救うため、星辰は人工呼吸を試みます。しかし、これが誤解を生み、結果的に星辰は本当に蒋歩汀に口づけをしてしまいます。二人の関係はこの出来事をきっかけに、微妙な変化を見せ始めます。
ネタバレ
蒋歩汀は霍青流に別れを告げようとしたが、捕らえられてしまう。仕方なく、蒋歩汀は勝負を受けることに。第一回戦、星辰は予想外の行動に出る。いきなり蒋歩汀に抱きつき、身動きを取れなくしたのだ。蒋歩汀は呆れ、こんな勝負に意味がないと指摘する。星辰は顔を赤らめ、体勢を解いて正式な勝負を開始する。
案の定、星辰は蒋歩汀の敵ではなく、すぐに傷だらけになり、吐血してしまう。蒋歩汀は星辰に、これ以上無謀な戦いをやめるよう説得するが、星辰は諦めず、何度も挑み続ける。しかし、その度に蒋歩汀に吹き飛ばされる。何度も立ち上がる星辰だが、次第に動きが鈍くなっていく。五岳門の長老たちは心配そうに見ているが、霍青流はただ星辰を見守るだけだった。
ついに星辰は立ち上がれなくなる。蒋歩汀は背を向け、別れを告げる。しかし、星辰はもう一度勝負を挑む。よろよろと立ち上がり、蒋歩汀に近づいていく星辰。周囲の人々は固唾をのんで見守る。蒋歩汀も心を痛めながらも、星辰に江湖を諦めさせるため、全力で戦う決意をする。だが、この時、星辰はまるで蒋歩汀の動きを見切っていたかのように、一掌で勝利を収める。皆は安堵し、星辰を歓呼で迎える。蒋歩汀は傷を手で押さえながらも、微笑んでいた。
星辰は五岳門を去り、蒋歩汀と共に江湖へ旅立つ。めでたいはずなのに、星辰はなぜか不機嫌だ。蒋歩汀はその理由が分からず、沈黙を破ろうと最近の発見を話す。清風寨で異人の存在を確認したというのだ。星辰はすぐさま清風寨へ向かおうとする。蒋歩汀は心配し、慎重な行動を促すが、星辰は破れた服を羽織って寨に侵入してしまう。案の定、二人は見つかってしまう。
二人は偶然、郝大夫の衣装棚に隠れる。郝大夫の助けで危機を脱し、異人が殺人兵器として訓練されていることを知る。星辰は眉をひそめ、異人を救う決意をする。郝大夫は異人が溪草村にいることを教え、二人は溪草村へ向かう。
しかし、清風寨の追手が迫る。星辰を守るため、蒋歩汀は自分が囮になる。星辰は偶然、風のないのに波立つ井戸を見つけ、地下に抜け道があると推測する。蒋歩汀が戻ってくると、星辰は彼を井戸に突き落とす。しかし、蒋歩汀は泳げなかった。なかなか目を覚まさない蒋歩汀に、星辰は人工呼吸をしようとするが、目を覚ました蒋歩汀に誤解され、口論になる。星辰は意を決して蒋歩汀にキスをする。闇い井戸の中、まるで花火が上がったかのような輝きが生まれた。
陳劼は意識朦朧としながら小院に戻り、恋しい小玉と再会する。小玉は陳劼の異様な姿にも動じず、優しく看病し、桃林のそばで静かに暮らそうとする。
第10話の感想
第10話は、星辰と蒋歩汀の関係性が大きく進展する、非常に印象的なエピソードでした。これまで、星辰の猪突猛進な性格と蒋歩汀の冷静沈著な性格が対比的に描かれてきましたが、今回は二人の間に芽生えた信頼感や愛情が垣間見えるシーンが多く、見ているこちらも胸が熱くなりました。
特に、星辰が蒋歩汀に人工呼吸をしようとするシーン、そしてその後のキスシーンは、二人の関係の転換点を象徴する名場面と言えるでしょう。これまで、どこかコミカルな雰囲気のあった二人のやり取りが、このシーンでは真剣で、そしてロマンチックなものへと変化しています。闇い井戸の中で交わされたキスは、二人の未来を明るく照らす希望の光のように感じられました。
また、戦闘シーンも迫力満点でした。星辰は蒋歩汀に何度も敗北しながらも、決して諦めずに立ち上がり続ける姿は、彼女の不屈の精神を改めて感じさせます。そして、最後には見事勝利を収める展開は、まさにカタルシスを感じさせるものでした。
つづく