あらすじ
第15話では、引風眠の真の目的が星辰によって暴かれました。彼は神功丸を手に入れるため、皆の命を脅かすことも厭いませんでした。しかし、星辰たちの団結を目の当たりにし、引風眠の心は揺らぎ始めます。一行が茶屋で休憩していたところ、異変に気付きます。そして、霧の立ち込める竹林で手がかりを見つけ、最終的に引風眠が密かに助けていたことが判明します。その後、星辰は蒋歩汀の指導のもと、賊を打ち負かします。星辰は蒋歩汀が叉侠ではないかと疑いを持ち始めますが、蒋歩汀は否定します。それでも星辰は諦めません。最後に、瑤光が星辰を慰めるために叉侠のグッズを買ってあげたことで、蒋歩汀は嫉妬心を抱くのでした。
ネタバレ
星辰の隙を突き、引風眠は本性を現した。彼は神功丸を狙っていたのだ。しかし、星辰は最初から彼の真意に気づいていた。引風眠を友人と思っていたため、見て見ぬふりをしていたのだ。それを聞いた引風眠は激昂する。「天下第一を目指し、嘲笑から逃れようとする者に友などいるものか!」
その時、蒋歩汀たちが到著するが、洞窟の入り口は引風眠の仕掛けた陣法によって阻まれていた。蒋歩汀は少し考え、蒋歩贏と瑤光に指示を出し、陣法を解くことに成功する。しかし、引風眠は洞窟内に別の陣法を仕掛けており、星辰が神功丸を渡さなければ、洞窟は崩落し全員が巻き添えになると告げる。それでも四人は手を取り合い、共に困難に立ち向かうことを決意する。
この光景は、引風眠にとって初めての経験だった。彼の記憶には、師兄弟同士の殺し合いと江湖の人々からの蔑みしか存在しなかった。得体の知れない感情が彼を襲い、目の前の人々が命を落とすのを見過ごせなくなる。星辰は考える。引風眠は悪人なのだろうか?多くの悪事を働いたとはいえ、彼の心にはまだ善意が残っている。逆に、表向きは君子でありながら、心は真っ黒な人間もいる。
長い道のりを経て、一行は茶屋に辿り著き、休憩を取る。しかし、蒋歩汀は茶を口にしながらも、どこか疑わしげな表情を見せる。喉の渇きを癒した後、一行は再び旅を続ける。霧深い竹林で、数体の黒衣の死体を発見する。蒋歩贏はその匂いに見覚えがあるものの、誰のものか思い出せない。一方、星辰は蛍から手がかりを得て、彼らを助けたのが引風眠だと確信し、思わず微笑む。
さらに進むと、盗賊が現れる。今度は蒋歩汀は車椅子に座ったまま、星辰に指示を出す。星辰は期待に応え、素早く盗賊を退治する。蒋歩汀は満足そうに、彼女の頭を撫でる。星辰は叉侠に頭を撫でられた幼い頃を思い出す。彼に尋ねようとしたその時、蒋歩贏と瑤光が到著し、話を遮る。
休憩後、星辰は蒋歩汀に叉侠ではないかと尋ねる。蒋歩汀は認めるが、その態度は演技のようにも見える。星辰は考え込む。叉侠と蒋歩汀の容姿や立ち振る舞いを比べてみても、どうしても同一人物とは思えない。それでも、もう一度チャンスを与えるべきだと考え、ちょうど打ち上がった花火を口実に、彼の過去や夢をそれとなく尋ねる。すると、蒋歩汀と叉侠の夢は全く異なるものだった。それでも諦めきれない星辰は、「役者」を雇い、蒋歩汀に剣を抜かせようとする。しかし、蒋歩汀は動じることなく、「役者」たちに軽く傷つけられてしまう。
落胆する星辰に、瑤光は叉侠のグッズをプレゼントする。星辰は喜び、叉侠の顔が描かれた扇子を眺める。その様子を見た蒋歩汀は嫉妬し、その場を立ち去ってしまう。
第15話の感想
第15話は、引風眠の複雑な内面と星辰たちの揺るぎない友情が印象的なエピソードでした。神功丸を狙う悪役として登場した引風眠ですが、彼の行動は単なる悪意から来るものではありませんでした。天下第一への渇望、そして過去の辛い経験からくる孤独が彼を突き動かしていたのです。星辰たちとの出会い、そして彼らが示す強い絆に触れることで、彼の凍てついた心に変化の兆しが現れます。洞窟でのシーンは、まさにこのエピソードのクライマックスと言えるでしょう。
一方、星辰たちは、困難な状況においても互いを信じ、支え合う姿が描かれています。特に、蒋歩汀が星辰の頭を撫でるシーンは、二人の関係性の変化を示唆する重要な場面でした。星辰は、蒋歩汀が叉侠ではないかと疑いを持ち始めますが、確証を得られずにいます。この謎は、今後の物語の展開に大きく関わってくることでしょう。
つづく