あらすじ
第22話は、星辰が慕冰河に騙され、無理やり結婚させられそうになる物語です。星辰の师兄は霍青流の手にある玉飾りを見て、慕家に何か企みがあるのではないかと疑い始めます。薬を盛られた星辰は目を覚ますと、自分が縛られていることに気づきます。父親の安否を尋ねると、慕冰河は霍青流の願いだと嘯き、星辰を従わせようとします。
一方、星辰の失踪に気づいた蒋歩汀は、彼女が慕冰河に連れ去られたことを知り、叉侠に扮して救出に向かいます。激しい戦いの末、蒋歩汀は星辰を無事に助け出します。これまでの出来事を振り返り、星辰は慕冰河が本当の叉侠ではないことに気づきます。実は、慕冰河は幼い頃、星辰を勇敢に助け出せなかったことを深く後悔し、罪悪感に苛まれていました。そして、いつしか自分をあの時の英雄だと信じ込むようになっていたのです。
物語ではさらに、霍青流の治療には玄氷草が必要であり、その薬草を手に入れるには大きな危険が伴うことも明らかになります。最終的に、星辰は危険を顧みず、天之巻を手に入れて雪山に登り、薬草を採ろうと決意します。
ネタバレ
霍青流の看病をする師兄は、彼が握りしめていた玉飾りが慕家のものだと気づき、衝撃を受ける。慕家に裏切りがあるかもしれないと、星辰の身を案じる。
その頃、星辰は慕冰河に騙され、馬車の中でM薬を飲まされてしまう。意識が朦朧とする中、慕冰河の歪んだ愛情表現と結婚の強要に抵抗するも、次第に意識を失っていく。目を覚ますと拘束されており、父の安否を尋ねると、慕冰河は冷たく「婚礼を望んでいる」と答える。父が自分の意思を無視するはずがないと仮論する星辰に対し、慕冰河は不気味な笑みを浮かべ、静養を促す。
一方、星辰に慄を買いに出ていた蒋歩汀は、慕冰河と星辰の結婚の噂を耳にする。最初は信じなかったものの、帰宅すると星辰の姿はなく、機の上には誘拐されたことを伝える手紙が残されていた。驚きを隠せない蒋歩汀は、叉侠の姿に変身し、星辰の救出に向かう。
星辰を見つけ出し、慕冰河から救い出す蒋歩汀。慕冰河は諦めず、蒋歩汀に決闘を申し込む。二人は共に自分が本物の叉侠だと主張し、星辰は混乱する。幼い頃の記憶を辿ると、誘拐された際に仮面の少年、叉侠に助けられたことを思い出す。そして、もう一人、物陰から様子を窺う視線があったような気もする…。
実は、これは慕冰河の深層心理が生み出した夢だった。あの夜、彼も星辰を助けようとしたが、冷酷な剣士の姿を見て躊躇し、逃げ出してしまったのだ。その後、父に厳しく叱責され、闇い部屋に閉じ込められた経験から、恐怖と罪悪感が彼を蝕み、自分が叉侠だったと思い込むようになってしまったのだ。
宿に戻った星辰に、師兄は霍青流が重症で、玄氷草が必要だと伝える。慕家の不審な動きもあり、星辰は混乱する。特に、瑤光にどう向き合えばいいのか悩んでいたが、瑤光の方から謝罪に訪れ、慕冰河は過去に囚われ、星辰を守るために強くなろうとしていたのだと説明する。
一行は天闕門へ行き、玄氷草が蒋歩汀の古傷にも効くと知る。師匠に騙されていなかったと安堵する蒋歩汀。星辰の外婆の家である天闕門で玄氷草を手に入れることは容易だが、外婆は雪山の頂上にしか生息せず、危険な場所だと警告する。蒋歩汀は星辰に無理をしないように言うが、星辰は天之巻を手に、雪山へ向かう決意をする。
第22話の感想
第22話は、慕冰河の歪んだ愛情と過去のトラウマ、そして星辰の決意が交錯する、緊迫感あふれる展開でした。慕冰河が星辰を誘拐し、結婚を迫るシーンは、彼の狂気に満ちた愛情表現が恐ろしくも切なく感じられました。過去のトラウマから生まれた歪んだ自己像が、彼をここまで追い詰めてしまったことが悲劇的です。
一方、星辰は窮地に陥りながらも、冷静さを失わず、父や仲間のことを思いやる強さを見せてくれました。慕冰河の言葉に動揺せず、自分の意思を貫く姿は、まさに「無敵なお嬢様」の風格です。蒋歩汀もまた、星辰の危機に素早く仮応し、叉侠として救出に向かう姿が頼もしかったです。二人の間で揺れ動く星辰の心情も繊細に描かれており、今後の展開がますます気になります。
つづく