あらすじ
第二十四話では、星辰が難しい選択を迫られる様子が描かれています。貴重な玄氷草を使い、蒋歩汀か自分の父親のどちらかを救わなければならないのです。結局、蒋歩汀は独断で玄氷草を持ち去ってしまいます。その後、目を覚ました霍青流は、慕朗の陰謀が実は星辰を狙ったものだったことを暴露します。宋長生もまた、星辰を利用してその力を奪おうとした計画を明かしますが、計画は失敗に終わり、逆に星辰に力を吸収されてしまいます。こうした出来事の中で、蒋歩汀は武道の頂点を追い求めてきた自身の道のりを振り返り、真の強さとは内面の強さと正義にあるのだと悟ります。宋長生の陰謀が露見すると、五岳門は解毒薬を提示しますが、人々は薬への不安から星辰に誤解を抱いてしまいます。しかし、星辰は誠実な言葉で人々の信頼を勝ち取り、五岳門の新たな掌門となり、江湖の平和を守る責任を担うことになります。
ネタバレ
玄氷草は一株しかなく、蒋歩汀と父親のどちらか一方しか救えない。星辰は悩んだ末、草の傍らで眠り込んでしまう。すると蒋歩汀が密かに玄氷草を持ち去り、霍青流の傍らで、五岳門で求婚しなかったことを後悔する。
目を覚ました霍青流は、星辰が昆侖山で玄氷草を取ってきてくれたことを知り、動揺する。慕朗の企みは全て星辰を狙ったものだったのだ。人の内力は本来相容れないもので、他人の内力を吸収しても、内力の乱れで経脈が破れ、廃人となるだけだ。
宋長生は、星辰の特異な体質なら全ての属性の内力を吸収でき、「天之巻」を修練すれば、最高の洗髄伝功の器になると考えていた。しかし星辰の体質は普通で、彼女が「天之巻」を修練できたのは、純粋な心と揺るぎない精神力のおかげだった。
宋長生は星辰を呼び出し、玄氷草では蒋歩汀は救えない、自分が救うことができると告げる。そして影霊穀以来、星辰の特異性に気づき、全てを計画していたこと、慕朗も駒の一つだったことを明かす。
激怒した星辰は宋長生を掌底で一撃。宋長生は星辰の功力を奪おうとしたが、逆に吸収されてしまう。星辰は、自分の体質は普通の人間と変わらないと告げる。
全てが無駄になった宋長生は絶望し、自嘲する。蒋歩汀は誰もが天下第一を目指すと考えていたが、師である宋長生までそうだったとは思いもよらなかった。15歳の頃、天下第一を目指して剣の修行に励んでいた蒋歩汀に、ある老人が「真の強者は武功ではなく、仁義を心に抱くこと。卵でも石を割ることができ、弱者も強者になれる」と教えてくれた。
その時、宋長生は悟る。長年、蒋歩汀に様々な毒を試してきたが全て失敗に終わった。唯一成功したのは、この世の貪欲や欲望を抑え、人々の心の毒を癒す「良薬」を作ることだった。蒋歩汀は宋長生の手に触れ、いつものように脈を取る。宋長生は蒋歩汀の手を握りしめ、息を引き取る。彼の手に残されたのは、延命の薬の処方箋だった。
宋長生と慕朗の陰謀は世間に知れ渡り、非難を浴びる。五岳門から解毒薬が贈られると発表されるが、人々は疑心闇鬼になり、星辰も薬で江湖を操ろうとしていると思い込み、討伐に向かう。しかし星辰の真摯な言葉に心を打たれ、態度を改める。星辰は五岳門の新掌門となり、神武令で江湖の平和を守ることになった。
第24話の感想
「無敵なお嬢様は手におえない!」最終回、第24話は、様々な思惑が交錯する中で、星辰の真の強さが際立つ感動的な結末でした。宋長生の企みや慕朗の野望、そして人々の疑心闇鬼など、様々な困難に直面しながらも、星辰は決して諦めず、持ち前の純粋さと強い心で乗り越えていきます。
特に印象的だったのは、宋長生との対決シーンです。自身の体質が特別ではないと知りながらも、揺るぎない信念で宋長生に立ち向かう星辰の姿は、真の強さとは何かを問いかけるようでした。そして、宋長生の最期の言葉は、彼の twisted な愛情と後悔を深く感じさせ、胸を締め付けられました。
また、人々が星辰を疑い、討伐に向かうシーンも印象的です。誰もが疑心闇鬼に陥る中、星辰は真摯な言葉で人々の心を動かします。このシーンは、真の強さは武力ではなく、人の心を動かす力であることを示しているように感じました。
最終的に、星辰は五岳門の新掌門となり、江湖の平和を守ることになります。これは、彼女の努力と信念が認められた証であり、まさに「無敵なお嬢様」にふさわしい結末と言えるでしょう。物語全体を通して、星辰の成長と変化、そして彼女を取り巻く人々の様々な感情が丁寧に描かれており、最後まで目が離せない展開でした。