川白楼に顧大鵬(グー・ダーポン)の弟子たちが集まり、料理を作りながら師匠の厳しかった修行時代を懐かしむ。そこに顧大鵬(グー・ダーポン)が現れると、皆一斉に緊張する。立派な料理長になった今でも、師匠を前にすると昔の癖が抜けないようだ。顧大鵬(グー・ダーポン)は陳東(チェン・ドン)に牛頭を持ってこさせ、一緒に料理に取り掛かる。顧母と顧漫婷(グー・マンティン)は顧大鵬(グー・ダーポン)の体調を心配するが、弟子たちの前では元気な姿を見せたいという彼の意誌を尊重し、見守ることにする。

川白楼での最後の料理。顧大鵬(グー・ダーポン)は皆への感謝を込めて腕を振るう。川白楼は無くならない、皆がその精神を受け継いでくれると信じていると語る。普段寡黙な陳東(チェン・ドン)が、珍しく自分の過去を語り始める。フランス料理を学んでいた頃、ある美味しい四川料理に出会い、その料理人に「四川料理を学ぶなら成都の川白楼の顧大鵬(グー・ダーポン)を訪ねよ」と教えられたのが、川白楼に来たきっかけだった。料理の技術だけでなく、人生の大切なことも顧大鵬(グー・ダーポン)から学んだと感謝を述べる。皆で乾杯をする中、突然停電が起こる。路真真(ルー・ジェンジェン)と陳東(チェン・ドン)が外を確認すると、劉思源(リウ・スーユエン)が車の中で待機していた。怒った路真真(ルー・ジェンジェン)は劉思源(リウ・スーユエン)に詰め寄ろうとするが、陳東(チェン・ドン)は最後の晩餐を台無しにしたくないと彼女を製止する。

宴席で顧大鵬(グー・ダーポン)はまるで遺言のように弟子たちに言葉をかけ、路真真(ルー・ジェンジェン)には良い相手を見つけるようにとアドバイスする。食事の後、顧大鵬(グー・ダーポン)は顧母と顧漫婷(グー・マンティン)と共に、客や弟子、友人たちを見送る。劉思源(リウ・スーユエン)は依然として車の中で待ち続け、12時になる10分前、顧大鵬(グー・ダーポン)は一人店内に戻る。劉思源(リウ・スーユエン)は手下を引き連れ、12時と同時に川白楼を接収しようとする。路真真(ルー・ジェンジェン)は懇願するが、劉思源(リウ・スーユエン)は聞き入れず、川白楼の看板を破壊する。その時、顧大鵬(グー・ダーポン)は倒れてしまう。

病院に運ばれた顧大鵬(グー・ダーポン)は、懸命の治療も虚しく息を引き取る。知らせを聞いた顧母はショックで倒れてしまう。劉思源(リウ・スーユエン)は梁清然(リアン・チンラン)に何度も自分の行動の正当性を確認するが、内心では確信が持てないでいる。顧大鵬の死後、顧母と顧漫婷(グー・マンティン)は深い悲しみに暮れる。顧漫婷(グー・マンティン)は二度と父の料理を食べることができない。陳東(チェン・ドン)は顧大鵬との修行の日々を思い出し、呆然と川白楼の前に立ち尽くす。隣に立つ路真真(ルー・ジェンジェン)は、劉思源(リウ・スーユエン)をかばうために顧大鵬の名前を出したことが、結果的に最後の別れとなってしまったことを悔やむ。陳東(チェン・ドン)は壊れた看板の前で泣き崩れる。師を失った悲しみは計り知れない。

梁清然(リアン・チンラン)は順風満帆なキャリアを築き、ファッション誌の表紙を飾る。一方、顧大鵬の葬儀が終わり、皆が墓前で最後の別れを告げる。川白楼はプロの経営者に委託されることになり、劉思源(リウ・スーユエン)は自分が苦労して手に入れたプロジェクトを他人に任せることに不満を抱く。しかし、梁清然(リアン・チンラン)にとってはただのプロジェクトの一つに過ぎない。顧漫婷(グー・マンティン)は川白楼と顧大鵬の名誉を守るため、陳東(チェン・ドン)と路真真(ルー・ジェンジェン)と共に鍾庭(ジョン・ティン)グループ前で抗議活動を行い、メディアにも呼びかける。

第16話の感想

「スパイシー・ラブ」第16話は、衝撃と悲しみに満ちたエピソードでした。長年川白楼を支えてきた顧大鵬の突然の死は、視聴者にとっても大きな衝撃だったでしょう。彼の料理に対する情熱、弟子たちへの愛情、そして川白楼の伝統を守りたいという強い思いが、これまでのエピソードを通して丁寧に描かれてきただけに、その死はあまりにも突然で、受け入れるのが難しいものでした。

特に、最後の晩餐のシーンは印象的です。弟子たちとの温かい交流、そして未来への希望に満ちた言葉とは裏腹に、死の影が静かに忍び寄っていることを感じさせる演出は、見ている者の胸を締め付けます。停電という不吉な出来事、そして劉思源(リウ・スーユエン)の不気味な存在が、悲劇的な結末を予感させ、緊張感を高めていました。

劉思源(リウ・スーユエン)の冷酷な行動も、怒りを覚えるものでした。利益のためなら手段を選ばない彼のやり方は、顧大鵬の料理に対する真摯な姿勢とは対照的で、人間の醜さを浮き彫りにしています。看板を壊すシーンは、川白楼の象徴であるだけでなく、顧大鵬の魂を踏みにじる行為として、非常に残酷に描かれていました。

つづく