早朝、小楠(シャオナン)は慌ただしく髪を洗い終えると出かけようとした。それを見た段柔(ドゥアン・ロウ)は、ドライヤーを手に取り、優しく髪を乾かしながら、「男ってホント、子育てに無頓著よね」と軽い愚痴をこぼした。小楠(シャオナン)は心の中で温かさを感じた。普段はか弱く見える段柔(ドゥアン・ロウ)に、こんなにも細やかで強い一面があるとは。彼女も一人で生きてきた過去があったのだ。傍らの帰暁(グイ・シャオ)は、小楠(シャオナン)への想いをさらに強くした。祖父母に育てられた彼女は、こうした日常の細やかさに慣れていないが、小楠(シャオナン)を支えたいという決意を新たにした。

一方、路炎晨(ルー・イエンチェン)は、任務を終えると帰暁(グイ・シャオ)を連れ、老隊長の家を訪ねた。老隊長夫妻は二人を温かく迎え、特に師母は帰暁(グイ・シャオ)の手を取り、嬉しそうに話を続けた。路炎晨(ルー・イエンチェン)が若い頃、よくここで新年を過ごしたことを思い出し、今、彼と帰暁(グイ・シャオ)が一緒にいるのを見て、まるで我が子を見るように喜び、ここを自分の家だと思ってほしいと告げた。食卓では、師母が大切な金の腕輪を二人への祝福として贈った。師母は帰暁(グイ・シャオ)に、路炎晨(ルー・イエンチェン)の育った環境は決して楽ではなかったが、純粋な心を持ち続けているのは素晴らしいことだと語り、彼を理解し支えてあげてほしいと願った。

夕食後、路炎晨(ルー・イエンチェン)と帰暁(グイ・シャオ)は帰路についた。帰暁(グイ・シャオ)は金の腕輪を大切にしまい、贈り物への感謝の気持ちでいっぱいだった。路炎晨(ルー・イエンチェン)の出発は、チーム全体に別れの寂しさを漂わせていた。しかし、路炎晨(ルー・イエンチェン)自身は冷静で、隊員やその彼女との会話では、将来の結婚式に祝儀を出すと冗談を言う余裕さえ見せた。帰暁(グイ・シャオ)は一晩中眠れず、路炎晨(ルー・イエンチェン)の遠徴への不安と寂しさで胸がいっぱいだった。

翌朝、路炎晨(ルー・イエンチェン)と帰暁(グイ・シャオ)は北京への帰途についた。出発前、隊員たちは見送りに集まり、厳粛ながらも温かい雰囲気に包まれた。路炎晨(ルー・イエンチェン)はサングラスをかけ、動揺を隠そうとしたが、帰暁(グイ・シャオ)に励まされ、多くは語らず、「鉄の兵舎に流れる兵士のように、言うべきことは全て言った」とだけ静かに告げた。

北京に戻ると、路炎晨(ルー・イエンチェン)はすぐに家事に取り掛かった。部屋の掃除から洗濯、料理まで、何でもこなす彼の姿に、帰暁(グイ・シャオ)は子供の頃、家族に大切にされていた日々を思い出した。海東(ハイ・ドン)は、帰暁(グイ・シャオ)は生まれながらの幸せ者だとからかい、路炎晨(ルー・イエンチェン)はそれを優しく見つめていた。夜、路炎晨(ルー・イエンチェン)は眠る帰暁を優しく抱き上げ、寝室へ運んだ。二人の間には、言葉を超えた深い愛情が流れていた。

静まり返った夜、路炎晨はついに帰暁に心を開き、老隊長の一件で辞職を選んだ過去や、将来への不安を打ち明けた。特殊警察という職業柄、普通の恋人同士のような安らぎを与えられないことを自覚しながらも、帰暁と人生を共にしたいと願っていることを伝えた。帰暁は、真剣な眼差しで、自分はもう大人であり、全てを理解し受け入れると告げた。そして、彼の強い支えとなり、立派な「警嫂」になると誓った。

第15話の感想

第15話は、路炎晨と帰暁の愛の深まりと、それを取り巻く周囲の人々の温かさ、そして路炎晨の職業の重さを描いた感動的なエピソードでした。特に印象的だったのは、老隊長夫妻とのシーンです。師母の温かい言葉と贈られた金の腕輪は、二人の未来への祝福であり、路炎晨のこれまでの苦労と純粋さを改めて感じさせるものでした。まるで本当の親子のような温かい交流に、胸が締め付けられました。

一方で、路炎晨の出発シーンは、別れの辛さと、彼の職業の厳しさを改めて突きつけられるものでした。「鉄の兵舎に流れる兵士」という言葉は、彼の覚悟と使命感を表しており、深い余韻を残しました。帰暁の不安と寂しさも痛いほど伝わってきて、二人の未来がどうなるのか、ハラハラさせられます。

北京に戻ってからの路炎晨の家事シーンは、彼の意外な一面を見ることができ、微笑ましいものでした。帰暁を優しく包み込む姿は、彼の深い愛情の表れであり、二人の穏やかな時間を共有する姿に、心が温まりました。そして、夜、ついに心を開き、自分の過去と不安を打ち明ける路炎晨。特殊警察という職業の重圧と、それでも帰暁と生きていきたいという強い想いに、胸を打たれました。帰暁の力強い言葉は、路炎晨にとって大きな支えとなるでしょう。これからの二人の道のりは決して平坦ではないかもしれませんが、お互いを支え合い、乗り越えていくことを願っています。

つづく