祈今朝 第3話 あらすじ/ネタバレ

洛昭言(らくしょうげん)は、越今朝(えつきんちょう)、越祈(えつき)、居十方を洛家の領地に案内する。

西域風情漂うこの荘園には、数々の秘密が隠されている。越祈(えつき)が洛家の領域に足を踏み入れた瞬間、洛埋名(らくまいめい)の腕にはめた熱海の鍵環が微かに震えた。彼は何かを感じ取り、部下に彼らを連れてくるように命じる。

洛家の盛大な歓迎を受け、洛昭言(らくしょうげん)は3人の友人を妹の洛埋名(らくまいめい)に紹介する。

謎めいた人物である洛埋名(らくまいめい)は、その美しい容姿で越祈(えつき)と居十方の注目を集める。彼女は洛昭言(らくしょうげん)と双子の姉弟であることを明かし、越祈(えつき)を試す名目で彼女に攻撃を仕掛ける。その場に微妙な緊張感が漂う。

越今朝(えつきんちょう)の直接的な質問に、洛埋名(らくまいめい)は動揺することなく答える。

彼女は越今朝(えつきんちょう)と越祈(えつき)の出自を既に把握しており、3年前から烏岩村を出て侠客として活動していること、啓元(けいげん)宗とは関係がないことを認める。越今朝(えつきんちょう)も、越祈(えつき)が啓元(けいげん)珠を吸収できるとしても、それが彼女が伝説の溟主(めいしゅ)であることを証明するものではないと主張する。

洛埋名(らくまいめい)は、洛昭言(らくしょうげん)が持ち帰った啓元(けいげん)宗の帳簿の手がかりから、啓元(けいげん)宗が捕虜を落日村に連れて行った可能性があると推測する。一行は翌日調査に向かうことを決意する。

熱海について話すと、洛埋名(らくまいめい)の目に複雑な感情が浮かぶ。200年ぶりに異変を起こした熱海は、九泉の一つとして本来は万物に恵みをもたらす源泉であったが、洛家の先祖の勝手な行動により、洛埋名(らくまいめい)の血で封じられ、洛家の水源を維持していた。この行為は洛家に繁栄をもたらしたが、洛埋名(らくまいめい)は自由を奪われ、死後も魂が縛り付けられてしまった。越祈(えつき)の出現は、熱海に変化をもたらしたように見えるが、洛埋名(らくまいめい)の試みは失敗に終わる。

越今朝(えつきんちょう)は、洛家の権力構造に疑問を抱く。彼は、洛埋名(らくまいめい)が真の権力者のように感じている。

彼はまた、洛埋名(らくまいめい)がなぜ越祈(えつき)に特別扱いをするのか理解できない。まるで彼女を自分の呪いを解く鍵のように見ているようだ。洛昭言(らくしょうげん)は、洛埋名(らくまいめい)の呪いによって自分の命が蝕まれ、早死にする運命にあることを知らないまま、洛埋名を静かに見守っている。

ある日、洛埋名は越今朝(えつきんちょう)が外出している間に越祈(えつき)に接触し、彼女の出自を探ることを口実に、迷魂香を使って熱海に関する情報を聞き出そうとする。

一方、越今朝(えつきんちょう)は禁断の地に迷い込み、洛昭言(らくしょうげん)に見つかってしまう。彼は急いで越祈(えつき)に連絡しようとするが、連絡が取れず、不吉な予感がして急いで戻る。その頃、洛埋名は越祈(えつき)の過去を詳しく調べようとしたが、駆けつけた越今朝(えつきんちょう)に邪魔されて、しぶしぶその場を去る。

事後、洛昭言(らくしょうげん)は洛埋名に越今朝(えつきんちょう)の侵入について報告する。すると、それはすべて洛埋名の計画だったことがわかる。

彼は探念によって越祈(えつき)が溟主(めいしゅ)ではないことを確認したが、彼女と九泉には深い縁があることを確信する。洛埋名は束縛から解放されることを望んでおり、洛家の未来には関心がなくなっている。家主である洛昭言(らくしょうげん)は、家族を守るという責務を果たそうとしているが、二人の立場は異なり、溝が深まりつつある。

越今朝(えつきんちょう)は越祈から洛埋名の試みについて聞き、激怒して洛昭言(らくしょうげん)に詰め寄る。

洛昭言(らくしょうげん)は、洛埋名は善意から越祈の記憶を呼び起こそうとしただけだと説明するが、越今朝(えつきんちょう)の怒りは収まらない。彼は、洛家の行動はすべて偽善的だと考えており、信頼と疑念をめぐる嵐が洛家で静かに渦巻いている。

第3話感想

第3話は、洛家という謎に満ちた一族の秘密が明らかになり始め、物語が大きく動き出した回でした。洛埋名の美しい容姿と謎めいた言動、そして越祈に対する特別な興味が気になります。また、洛昭言(らくしょうげん)が妹を守るために背負っている重荷や、越今朝(えつきんちょう)と洛家との関係の変化など、人間ドラマも深みを増してきました。

特に印象に残ったのは、洛埋名が熱海に関する秘密を明かしたシーンです。洛家先祖の勝手な行動によって、熱海が封じられ、洛埋名が自由を奪われているという事実は衝撃的でした。また、越祈の出現が熱海に変化をもたらしたということも気になります。果たして、越祈は熱海とどのように関わっているのでしょうか?

つづく