『祈今朝』第32話 あらすじ/ネタバレ

緊迫する状況と協力の提案

情勢が緊迫する中、越今朝(えつきんちょう)は衡道衆(こうどうしゅう)を代表し、正武盟に協力を提案します。彼は正武盟盟主・左冠人(さかんじん)に、越祈(えつき)と共に柷敔(きゅうき)に対抗するための戦士として選ばれたことを明かし、柷敔(きゅうき)の暴走によって無辜の人々が苦しんでいる現状を訴えます。左冠人(さかんじん)は当初、衡道衆(こうどうしゅう)との協力に懸念を抱きますが、蒼生の安危を考慮し、最終的に手を組むことを決意します。

作戦計画とそれぞれの役割

越今朝(えつきんちょう)は作戦を考案し、熱海が葬風原に移動した際に柷敔(きゅうき)が出現することを予測します。その際、正武盟には禺族(ぎょぞく)を牽製してもらい、驭界枢は天晴之海の残党に対処することを提案します。この計画は左冠人(さかんじん)の賛同を得て、両者は迅速に準備を進めます。

洛昭言(らくしょうげん)の葛藤と決意

一方、洛昭言(らくしょうげん)は赢旭危(えい きょくき)と葛清霏(かつせいひ)に、洛埋名(らくまいめい)が協力する理由を尋ねます。葛清霏(かつせいひ)は、洛埋名(らくまいめい)が血縛を解く方法と引き換えに柷敔(きゅうき)との戦いに参加したことを明かします。この事実に複雑な感情を抱く洛昭言(らくしょうげん)は、閑卿(しずか)から「初心を忘れないこと」という助言を受け、迷いを振り払います。

行動メンバーと居十方の葛藤

協力における製約を考慮し、葛清霏(かつせいひ)は行動メンバーとして洛昭言(らくしょうげん)と閑卿(しずか)に加え、明繡と居十方を提案します。しかし、赢旭危(えい きょくき)は居十方と朔漩(さくせん)の関係を懸念し、解縛の方法は安全に霧魂のもとへ届け、必要があれば自ら行動を起こすことを主張します。

洛昭言(らくしょうげん)と居十方の変化

切磋の中で、閑卿(しずか)は洛昭言(らくしょうげん)の心境の変化を感じ取ります。洛昭言(らくしょうげん)は、侠者としての本心と道義に従い、大切な人を守るという使命を明確にしたことを明かします。一方、居十方は葛清霏(かつせいひ)の教えに感謝しつつも、彼女の決断に負い目を感じています。

衡道衆(こうどうしゅう)の苦戦と龍晶の必要性

葬風原に向かった陳千軍(ちん せんぐん)率いる部隊は、禺族(ぎょぞく)の待ち伏せに遭い、大きな被害を受けます。越今朝(えつきんちょう)は、上古神獣・鲲を攻撃するには驭界枢の機関術が必要であり、鱗甲の最も弱い箇所を正確に狙う必要があると指摘します。しかし、現在のエネルギーでは有効な攻撃を3回しか行えず、衡道衆(こうどうしゅう)は戦力を強化するためにもっと多くの龍晶を必要としていました。左冠人(さかんじん)は、無辜の人々を救うため、烏岩村に龍晶を掘りに向かいます。

居十方の決意と藏鋒(ぞうほう)からの手紙

居十方と明繡はそれぞれ藏鋒(ぞうほう)から呼び出しを受け、居十方は藏鋒(ぞうほう)から洛埋名(らくまいめい)が残した手紙と越祈(えつき)の血を受け取ります。手紙には、越祈(えつき)の血を使って霧魂の血縛を解く方法が記されており、居十方に朔漩(さくせん)に血を塗布して重傷を負わせ、妖界・霧魂のもとへ帰らせるよう指示されていました。居十方は葛藤を抱えながらも、大局と仲間の安危のために計画を実行することを決意します。

居十方の冠礼と決意

その夜、正武盟は居十方の20歳の誕生日を祝うために、質素ながらも温かい冠礼を開催します。越今朝(えつきんちょう)、閑卿(しずか)など友人たちが祝福に訪れ、居十方はかつてないほどの暖かさと別れへの寂しさを感じます。彼らは、これからも毎年一緒に誕生日を祝い、共に過ごすことを約束します。翌朝、居十方は母が残した豆包を持って葬風原に向かい、困難な任務を遂行しようとします。しかし、彼はすぐに臨淵(りん えん)に捕らえられ、朔漩(さくせん)に会いたいと要求したその時、朔漩(さくせん)もまた葬風原に現れます。

第32話の感想

第32話は、緊迫感と感動が交錯する素晴らしいエピソードでした。衡道衆(こうどうしゅう)と正武盟の協力関係が成立し、柷敔(きゅうき)との戦いに向けての準備が著々と進む様子は、希望を感じさせるものでした。

特に印象的だったのは、洛昭言(らくしょうげん)と居十方の心の成長です。洛昭言(らくしょうげん)は、侠者としての使命を再確認し、大切な人を守る決意を固めました。居十方は、葛清霏(かつせいひ)の教えに感謝しつつも、彼女の決断に葛藤を抱えながら、困難な任務を受け入れました。

また、陳千軍(ちん せんぐん)率いる部隊が禺族(ぎょぞく)の待ち伏せに遭うシーンは、戦いの過酷さを改めて感じさせられました。衡道衆(こうどうしゅう)が龍晶を必要としている現状が描かれ、今後の展開が気になるところです。

そして、居十方の冠礼は、温かく感動的なシーンでした。友人たちの祝福を受け、居十方は決意を新たにしました。しかし、彼の前に臨淵(りん えん)が現れ、物語は新たな局面を迎えます。

つづく