祈今朝<ききんちょう> 第35話 あらすじ/ネタバレ

この第35話では、柷敔(きゅうき)が再び霧魂との繋がりを築こうと試み、その力によって過去を変えることを企てます。しかし、越今朝(えつきんちょう)はそれが取り返しのつかない結果をもたらし、多くの人々の犠牲を無駄にすることを知り、それを阻止しようと決意します。

持剣者である越祈(えつき)は、蒼生を守るという強い信念に突き動かされ、柷敔(きゅうき)の脅威に立ち向かい、激しい戦いを繰り広げます。戦いの最中、柷敔(きゅうき)は強力な信念の力で越祈(えつき)の心を一時的に操り、彼女を混乱に陥れます。

越今朝(えつきんちょう)は越祈(えつき)の様子に異変を感じ、彼女を救うために必死に戦いますが、柷敔(きゅうき)との交戦で重傷を負ってしまいます。彼は抵抗しながらも越祈(えつき)の名前を呼び続け、彼女が早く束縛から逃れ、現実世界に戻ってくることを願います。

ようやく、越今朝(えつきんちょう)の呼びかけに応えて越祈(えつき)の意識が徐々に回復し、自分が柷敔(きゅうき)の識海にいることに気づきます。彼女は渾身の力を振り絞って剣を突き出し、柷敔(きゅうき)の防御を打ち破り、彼女を傷つけます。柷敔(きゅうき)の魔化が徐々に消退すると、彼女は越祈(えつき)の選択を認め、彼女が正しい決断をしたことを理解します。

戦いが終わった後、越祈(えつき)は目の前で柷敔(きゅうき)が消えていくのを見て、言葉にできないほどの悲しみに包まれます。一方、洛昭言(らくしょうげん)が目覚めると、閑卿(しずか)が自分を救うために修為をすべて失ったことを知り、閑卿(しずか)が死んだと思い込んで泣き崩れます。閑卿(しずか)は虚弱な状態ながらも洛昭言(らくしょうげん)を慰め、約束を守り、必ず無事でいると告げます。

越今朝(えつきんちょう)は越祈(えつき)を慰め、すべてが解決し、人間界を守りながら柷敔(きゅうき)を安らかに眠らせる方法が見つかったことを伝えます。七夕の日に、越今朝(えつきんちょう)は越祈(えつき)を景安に連れて行き、一緒に楽しい時間を過ごします。一方、失明した明繡は、閑卿(しずか)と洛昭言(らくしょうげん)を連れて故郷に戻るため、天晴之海へと旅立ちます。

葛清霏(かつせいひ)は重傷を負い、赢旭危(えい きょくき)に自分の気持ちを打ち明けます。世の人は赢旭危(えい きょくき)を冷酷無情だと言いますが、彼女の中では、赢旭危(えい きょくき)は誰よりも心の温かい人だったのです。赢旭危(えい きょくき)は葛清霏(かつせいひ)を治療しようとしますが、手遅れであることを悟ります。葛清霏(かつせいひ)は最期の願いとして、衡道衆(こうどうしゅう)がすべての争いを終結させ、赢旭危(えい きょくき)が重荷を下ろせるようにすることを望みます。赢旭危(えい きょくき)は葛清霏(かつせいひ)が自分の腕の中で眠りにつくのを見守り、心は張り裂けそうになります。この別れが永遠のものだと知っていたのです。

人間界は再び平和を取り戻し、人々は安穏に暮らしています。越祈(えつき)と越今朝(えつきんちょう)は未来に希望を抱き、江湖(こうこ)を旅して世界中の美しい景色を見ることを計画します。しかし、越今朝(えつきんちょう)の身体はすでに限界に達しており、彼は越祈(えつき)に氷砂糖を買いに行かせ、一人静かにこの世を去ります。越祈(えつき)は越今朝(えつきんちょう)の死を感じ取り、心を痛めます。彼女の手元に残された小さな魚の形をした玉佩が、唯一の慰めとなります。

明繡と洛昭言(らくしょうげん)は、越祈が悲しみに沈むのを見かねて、現実を受け入れるように諭します。過去を乗り越えてこそ、前に進むことができるのだと言います。今日は越祈の誕生日であり、二人は彼女の誕生を祝うために卵麺を用意しました。越祈は麺を食べながら涙を流し、越今朝(えつきんちょう)が彼女のために麺を作ってくれた時の温かい情景を思い出します。彼女は、死は永遠の別れを意味することを理解しますが、強く生きること、そして周りの人々の支えに感謝することを学びます。

赢旭危(えい きょくき)に会いに行く途中、越祈は泣きじゃくる小媛(しょうえん)に出会います。彼女は自分の経験を話して小媛(しょうえん)を慰め、成長は避けられないことであり、誰もが人生の様々な困難に立ち向かう術を身につける必要があると伝えます。小媛(しょうえん)は越祈の励ましを受けて涙を拭い、勇敢に未来に立ち向かうことを決意します。

第35話の感想

第35話は、感動的で、胸が締め付けられるような回でした。柷敔(きゅうき)との戦いは激しく、越祈と越今朝(えつきんちょう)の絆が試されました。越祈は柷敔(きゅうき)の魔化を止めるために、自分の命を危険にさらす決意をしました。彼女の勇気と決断力には感動しました。

柷敔(きゅうき)の死は、とても悲しいものでした。彼女は自分の過ちに気づき、越祈の選択を認めたことで、彼女の魂は安らかに眠ることができるでしょう。

越今朝(えつきんちょう)の死は、さらに衝撃的でした。彼は越祈を守るために、自分の命を犠牲にしました。彼の愛と自己犠牲の精神には、涙を禁じ得ませんでした。

つづく