『祈今朝<ききんちょう>』第6話 あらすじ/ネタバレ

居十方の努力により、密室の奥から持ち出された謎めいた仕掛け箱がついに解き明かされた。しかし、箱の中には誰もが期待していた秘密兵器や重要な手がかりはなく、ただきらきらと輝く金銀財宝が詰まっていただけだった。

そのとき、朗莫(ろうばく)が解放された人々を連れて洛昭言(らくしょうげん)たちの前に現れた。彼らの目は感謝の涙で潤んでいた。彼らは元々略奪されてここに連れてこられ、無一文だったため、どうやって故郷に帰ればいいのか途方に暮れていたのだ。洛昭言(らくしょうげん)は彼らの様子を見て、懐から財布を取り出し、没収した啟元宗の財宝の一部を旅費として彼らに贈った。朗莫(ろうばく)は感謝の気持ちでいっぱいになり、思わず仕掛け箱の中の輝く真珠を拾い上げ、宝物のように大切に扱った。

一方、洛昭言(らくしょうげん)は兄である洛埋名(らくまいめい)に驚くべき発見を打ち明けた。それは、扁絡桓(へんらっかん)の正体が聖宣と何らかの関係を持っている可能性があるということだった。洛埋名(らくまいめい)は眉をひそめ、扁絡桓(へんらっかん)を洛家に招いて彼の真の姿を密かに探ることを提案した。

その頃、扁絡桓(へんらっかん)は毒が深く進行した越祈(えつき)を救うため、自分の誓いを破って共鳴術を使用した。その結果、彼は天罰石の厳しい罰を受けることになった。馭界枢にいる葛清霏(かつせいひ)は、天罰石の異変に気づいて扁絡桓(へんらっかん)に連絡を取った。真相を知った葛清霏(かつせいひ)は、心配と無力感にさいなまれながらも、衡道衆(こうどうしゅう)の首領である贏旭危(えいきょくき)に扁絡桓(へんらっかん)の動向を報告した。

明繡が越祈(えつき)の身体を詳しく調べた結果、毒素が消えていることが確認され、一同はようやく安堵した。越今朝(えつきんちょう)は突然眠ってしまった理由に困惑し、閑卿(しずか)は啟元宗が越祈(えつき)を救うために危険を冒したことに理解を示さなかった。越今朝(えつきんちょう)は、越祈(えつき)と啟元宗の間に何かしらのつながりがあるのではないかと考え、特に扁絡桓(へんらっかん)の正体に警戒心を抱いた。話し合いの末、一行は洛昭言(らくしょうげん)とともに洛家に向かい、洛家の力を借りて扁絡桓(へんらっかん)の真の姿を暴くことにした。

出発前、夢から覚めた越祈(えつき)は、越今朝(えつきんちょう)が自分に美しい蝶をプレゼントしてくれた夢を見たことを嬉しそうに話した。その夢は越今朝(えつきんちょう)の心に波紋を広げ、彼は越祈(えつき)にサプライズをしようと決意した。そこで、彼は居十方から仕掛け箱を借りて、花畑の中で蝶が舞う様子を再現した。越祈(えつき)が空を舞う無数の蝶を見たとき、花のように笑顔が咲き誇った。越今朝(えつきんちょう)もこの機会に越祈(えつき)への想いを確かめようとしたが、越祈(えつき)の純粋な眼差しに言葉を飲み込んでしまった。

翌日、一行は洛家荘(らっかそう)に向かった。越祈(えつき)は扁絡桓(へんらっかん)のもとを訪れ、命を救ってくれたことに感謝した。その光景は越今朝(えつきんちょう)の警戒心をさらに強めた。洛家荘(らっかそう)の入り口に到著すると、閑卿(しずか)は個人的な恨みから洛望平に会いたいと申し出て、一行と一緒に中に入った。一方、明繡は妖魔と付き合う人間を受け入れることができず、一人で旅立つことを選んだ。

洛家荘(らっかそう)に入ると、扁絡桓(へんらっかん)はすぐに周囲に張り巡らされた包囲網に気づいた。彼はこれが洛昭言(らくしょうげん)たちの策略であることを理解していたが、洛家の調査を受けるしかなかった。越祈(えつき)は扁絡桓(へんらっかん)がなぜ捕らえられたのかわからなかったが、越今朝(えつきんちょう)を信じて静観することにした。扁絡桓(へんらっかん)の正体と目的をめぐる謎が、洛家荘(らっかそう)の中で静かに幕を開けた。

第6話感想

第6話は、物語が大きく展開する重要な回だった。まず、密室の仕掛け箱の謎が明らかになったが、期待していたような秘密兵器や重要な手がかりは何もなかった。しかし、洛昭言(らくしょうげん)の行動は彼の器の大きさを示しており、感銘を受けた。

また、扁絡桓(へんらっかん)が越祈(えつき)を救うために共鳴術を使用したことで、天罰石の罰を受け、葛清霏(かつせいひ)に彼の行動が知られてしまった。扁絡桓の葛藤と葛清霏(かつせいひ)の複雑な心情が描かれており、今後の展開が気になる。

越今朝(えつきんちょう)と越祈の距離が縮まるシーンは、ほっこりする場面だった。しかし、越今朝(えつきんちょう)が越祈への想いを口にできなかったのは少し残念。

つづく