恋華~ラブ・オブ・フェニックス~ 第16話 あらすじ/ネタバレ
天界の片隅で、意児(いじ)は魔族大尊(まぞくたいそん)への募る恋しさに胸を締め付けられ、耐え切れずに人間界の美しい瀛洲へと降り立った。酒に溺れようとした彼女は、大桃(おおもも)が大切に育てている苗畑を荒らしてしまう。慌てた大桃(おおもも)は炎越(えんえつ)に知らせ、駆けつけた炎越(えんえつ)は苗の中に隠れている酔いつぶれた意児(いじ)を見つける。彼女はうわごとを繰り返すばかりだった。
一方、魔族大尊(まぞくたいそん)は欧亜(おうあ)を尋問するが、悪意ではなく妖族の窮状を救うために魏枝(ぎし)に近づいたのだと知り、その善意に免じて彼を解放する。
大桃(おおもも)は意児(いじ)が炎越(えんえつ)との婚約に悩んで酒に逃れたのだと勘違いするが、意児(いじ)はきっぱりと否定し、想う人は魔界にいると告白する。大桃(おおもも)は驚きながらも、彼女の深い愛情に敬意と同情を抱く。
炎越(えんえつ)が住まいに戻ると、魏枝(ぎし)が不安に駆られて彼に抱きつく。永遠の別れを恐れる魏枝(ぎし)を安心させようと、炎越(えんえつ)は彼女を守ると誓う。しかし、牽機落の毒を解くため、天帝(てんてい)に助けを求めるべく天界へ戻る。天帝(てんてい)は炎越(えんえつ)の母、曦彩上仙(シーサイじょうせん)と鳳凰の悲劇的な過去を語り、鳳凰が三界を滅ぼす邪悪な存在であったこと、曦彩上仙(シーサイじょうせん)が自らを犠牲にして鳳凰を封印したことを明かす。そして、三界の危機を救うため、鳳凰の血が三度目に出現する前に炎越(えんえつ)に鳳凰を討つよう命じる。
炎越(えんえつ)は愛する魏枝(ぎし)を手にかけたくないと苦悩するが、天帝(てんてい)の命令に背くことはできない。天帝(てんてい)は怒り、炎越(えんえつ)の封印を解き、前世の戦闘記憶を呼び覚ます。強大な力の奔流に耐えきれず、炎越(えんえつ)は倒れてしまう。
その頃、人間界では明朗(めいらん)が魏凌月(ぎりょうげつ )との戦いに備え、顧氏(こし)は顧城(こじょう)の民を守るため、明朗(めいらん)に秘密の抜け道を教える。また、木老(もく ろう)は白鷺書院を訪ね、敬修(けいしゅう)に魏凌月(ぎりょうげつ )への服従を勧めるが、敬修(けいしゅう)は断固として拒絶する。
目を覚ました炎越(えんえつ)は、運命から逃れられないことを悟るも、魏枝(ぎし)との残された時間を大切に過ごそうと決意する。青涣(せいせん)に頼み、魏枝(ぎし)と二人きりで過ごす時間を貰い、桃源村で穏やかな日々を過ごす。炎越(えんえつ)は魏枝(ぎし)のために簪を作り、誕生日には手作りの麺を振る舞う。魏枝(ぎし)は深く感動する。
海辺で魏枝(ぎし)は永遠の愛を誓うが、炎越(えんえつ)は悲しみをこらえ、魏枝(ぎし)に気づかれないように時間を止め、眠らせてしまう。涙ながらに別れを告げ、炎越(えんえつ)は赤霄剣を手に取り、魏枝(ぎし)へと振り下ろす。愛と責任のために、炎越(えんえつ)は心を引き裂かれるような痛みを味わうのだった。
第16話の感想
第16話は、切なくも美しい愛と残酷な運命の対比が胸を締め付ける、非常に感動的なエピソードでした。特に炎越(えんえつ)の苦悩と葛藤、そして魏枝(ぎし)への深い愛情が丁寧に描かれており、涙なしでは見られません。
天帝(てんてい)から鳳凰討伐の使命を課せられた炎越(えんえつ)は、愛する魏枝を自らの手で殺めなければならないという過酷な運命に翻弄されます。逃れられない宿命と、愛する女性を守りたいという強い思いの間で揺れ動く彼の姿は、見ている側にも苦しいほどの葛藤を感じさせます。魏枝との束の間の幸せな時間は、その後の悲劇をより際立たせ、炎越(えんえつ)の決断の重みを増幅させています。
一方、意児(いじ)の恋心も印象的でした。魔族大尊(まぞくたいそん)への一途な想いを抱きながらも、その気持ちを伝える術もなく、ただ一人で苦しむ姿は切なく、彼女の純粋な愛情が胸を打ちます。大桃(おおもも)とのやり取りで見せる、恋する乙女らしい一面も魅力的でした。
また、人間界での明朗(めいらん)、魏凌月(ぎりょうげつ )、敬修(けいしゅう)らの動きも今後の展開を闇示しており、目が離せません。それぞれの思惑が複雑に絡み合い、物語はますます緊迫感を増していくことでしょう。
つづく