恋華(れんか)~ラブ・オブ・フェニックス~ 第3話 あらすじ/ネタバレ

夜の帳が下りた頃、魏枝(ぎし)は疲れた体を引きずりながら簡素な住居へと戻った。しかし、室内は一変していた。書案の上には文房四宝が置かれ、まるで温かい陽光のように彼女の心を照らした。この突然の気遣いは、炎越(えんえつ)の励ましと無関係ではないと感じた。高貴な仙使でありながら慈悲の心を持つ炎越(えんえつ)は、逆境に屈せず、不公平な運命に平静な心で立ち向かうことを教えてくれた。

一方、炎越(えんえつ)是魏枝(ぎし)がかつて暮らしていた貧しい土地を訪れた。そこで彼は、魏葉(ようよう)が貧困ゆえにいじめや嘲笑を受けている姿を目の当たりにした。この光景は、魏枝(ぎし)が背負ってきた苦しみをより深く理解させた。炎越(えんえつ)は魏葉(ようよう)が母親を失った悲しみを直接変えることはできなかったが、銀貨を贈ることで魏葉(ようよう)一家に束の間の安寧をもたらした。

瀛洲では、荒涼とした景色を見た炎洛(えんらく)と大桃(おおもも)が心を痛めた。瀛洲の危機を救うため、炎洛(えんらく)は貴重な息壌を大桃(おおもも)に託し、この土地を守り、三界に緑を残すことを願った。この重責を背負った大桃(おおもも)は、自分の使命を自覚していた。

一方、魏枝(ぎし)の家庭では、顧氏(こし)の貪欲と打算が渦巻いていた。彼女は魏枝(ぎし)が白鷺学院に入学したことを利用し、縁談を通じてさらなる利益を得ようとしていた。相手の家の焦りと打算は、この縁談に功利的な色を帯びさせていた。しかし、魏枝(ぎし)は自分の進むべき道は自分で決めるべきだと考えていた。

学院では、魏凌月(ぎりょうげつ )は炎越(えんえつ)への慕情を隠すことができなかった。彼女は炎越(えんえつ)のために丁寧に衣服を縫っていたが、彼の部屋に入ることはできなかった。そのとき、魏枝(ぎし)が現れて気まずさを解消し、衣服を届けた。炎越(えんえつ)の言葉は、魏凌月(ぎりょうげつ )に自分の過ちを気づかせ、魏枝(ぎし)は修行への決意を新たにした。

授業では、炎越(えんえつ)是木雀を使って弟子たちの身法を試した。魏凌月(ぎりょうげつ )と明朗(めいらん)は優秀な成績を収めたが、魏枝(ぎし)と魏静月(ぎせいげつ)は苦戦した。炎越(えんえつ)は魏枝(ぎし)だけを残し、瞬移術の練習を指導した。しかし、魏静月(ぎせいげつ)のいたずらで魏枝(ぎし)は気まずい思いをすることになった。幸い、魏凌月(ぎりょうげつ )が助けに入ってくれた。

保良(ほうりょう)の異変に気づいた炎越(えんえつ)是、彼の体から魔気を察知し、追い払うことに成功した。しかし、魔気が逃げ出したことで突風が吹き、魏枝(ぎし)は木から落ちてしまった。炎越(えんえつ)はすぐに助けに駆けつけたが、魏枝の怒りを買ってしまった。彼女は、炎越(えんえつ)のような仙使は衆生を弄ぶだけで、一般人の生死には無関心だと考えた。この一撃は、炎越(えんえつ)の顔だけでなく、心をも傷つけた。

夜が更け、炎越(えんえつ)は魏枝の言葉を仮芻し、複雑な気持ちになった。彼は青渙(せいかん)に魏枝の背景を調べてもらい、彼女は命格が普通の凡人で、大劫が迫っていることを知った。この情報は、魏枝を守る決意をさらに固めると同時に、自分とこの世界の関係を見直すきっかけとなった。

一方、妖界では欧亜(おうあ)と藍蘇(らんそ)が結婚を控えていたが、妖界の出生危機により、鳳凰の尾羽を求めざるを得なくなった。この情報は白鷺学院に伝えられ、真鳳をめぐる闇流が静かに動き始めていた。炎越(えんえつ)が授業で伝授した「無中生有」の術は、弟子たちへの試練だけでなく、迫り来る嵐への警告でもあった。

第3話の感想

第3話は、魏枝の成長と炎越(えんえつ)との関係に大きな変化をもたらす重要なエピソードでした。魏枝は、炎越(えんえつ)の励ましと支援を受け、逆境に立ち向かう強さを身につけていきます。一方、炎越(えんえつ)は魏枝の苦しみを目の当たりにし、仙使としての自分の役割に疑問を抱き始めます。

特に印象的だったのは、魏枝が炎越(えんえつ)に平手打ちをしたシーンです。このシーンは、魏枝の怒りと失望を表現するだけでなく、炎越(えんえつ)が仙使として無力であることを痛感させるものでした。この出来事は、今後のストーリー展開に大きな影響を与えるでしょう。

つづく