雲中月 ~二人だけの約束~ 第1話 あらすじ/ネタバレ

大啓国 永安年間、宮廷で起きた大事件は多くの人々の運命を変えてしまいました。 太医院の院長は、身ごもった高貴妃(こうきひ)に毒を盛った罪で皇帝から厳罰を受け、自身は命を落とすだけでなく、顧家の男丁全員が斬首され、女眷は遠方に流されました。 高貴妃(こうきひ)はなんとか皇帝の唯一の嫡子である小栄王(しょうえいおう)を出産しましたが、小栄王(しょうえいおう)は幼い頃から毒に侵されており、病弱で皇太子の責務を果たすことができませんでした。 皇帝はそのため、太子を立てることができず、朝廷内外は不安に包まれ、江湖でも闇躍が続いていました。

そんな乱世の中、孤児の沈魚(しんぎょ)は郝媒婆(こうばいば)の紹介で周家と縁を結び、周家の五男である周悦(しゅうえつ)の病気を治すための嫁として迎え入れられます。 この結婚で500両の銀を稼ぐことができると聞いた沈魚(しんぎょ)は、ためらうことなくこの縁談を受け入れました。

しばらくして、景王(けいおう) 斉璋(せいしょう)が蘇州にやってきます。 表向きは周家の結婚式に出席するためでしたが、実際には別の目的がありました。 彼は太祖の血筋を引いており、現在の太宗の血筋の皇族とは遠い関係にありました。 今回、都に来たのは皇位のためではなく、母親が数年前に行方不明になった真相を明らかにするためでした。 周家の家書は、母親が行方不明になる前に受け取った最後の手がかりだったのです。 周悦(しゅうえつ)は周家の五男として、もうすぐ結婚してその後、都に上って官職を得ることになっており、これが斉璋(せいしょう)が真相に近づくための鍵となりました。

結婚式の当日、郝媒婆(こうばいば)は沈魚(しんぎょ)を丁寧に身支度させましたが、条件が限られていたため、沈魚(しんぎょ)は依然質素なままでした。 周夫人(しゅうふじん)の質問に、沈魚(しんぎょ)は慎重に答え、新しい身分に慣れようと努力します。 しかし、結婚式ではとんでもない笑い話が起こります。 周家が鶏一羽を使って周悦(しゅうえつ)と沈魚(しんぎょ)の代わりに結婚式を挙げたのです。 沈魚(しんぎょ)は逃げ出した鶏を追いかけているうちに転倒してしまい、たまたま近くにいた斉璋(せいしょう)に見られてしまいます。 斉璋(せいしょう)の冷淡な態度に、沈魚(しんぎょ)は気まずい思いをします。

結婚後、沈魚(しんぎょ)は周家が自分を警戒していることに気づき、疑念を抱きます。 偶然、周悦(しゅうえつ)と周夫人(しゅうふじん)の会話を聞いてしまい、周悦(しゅうえつ)が病気のふりをしていることを知ります。 驚いていると、斉璋(せいしょう)も屋根の上に現れ、二人は一悶著起こします。 その後、沈魚(しんぎょ)は斉璋(せいしょう)に屋根から突き落とされてしまい、周家の注目を集めてしまいます。 沈魚(しんぎょ)は機転を利かせて何とか切り抜け、周悦(しゅうえつ)の秘密を知っていることをほのめかします。

騒動を収め、自分の目的を達成するために、周悦(しゅうえつ)は沈魚(しんぎょ)に毎年2000両の銀を渡すことを提案します。 その条件は、沈魚(しんぎょ)が自分の「夫人」として都に同行し、1年間は離れないことでした。 お金に目がくらんだ沈魚(しんぎょ)は、すぐに承諾します。 実は、周悦(しゅうえつ)は長年男装しており、今回、都に上って官職を得るのは、家族の束縛から逃れ、自由を求めるためだったのです。

一行は都へ向けて出発し、途中で宿駅で休憩します。 沈魚(しんぎょ)は、周悦(しゅうえつ)の叔母とその愛人が相思相愛なのに名分がないことに気づき、自分が稼いだお金を使って二人を助けます。 その様子をたまたま斉璋(せいしょう)が目撃します。 それぞれが胸に秘めた思いを抱えている中、一団の黒装束の刺客が宿駅に近づいてきます。 沈魚(しんぎょ)は金銭を愛する一方で、正義感も持ち合わせており、危険を顧みずに大声で警告します。 周悦(しゅうえつ)は逃げる途中で足首を捻挫してしまいますが、沈魚(しんぎょ)は危険を顧みずに火の中へ飛び込んで彼を救います。 二人は生死を共にする中で、特別な絆を育んでいきます。

第1話の感想

第1話は、宮廷の陰謀、運命の出会い、そして予期せぬ展開が絡み合った、魅力的な導入部でした。 沈魚(しんぎょ)と周悦(しゅうえつ)の出会いは偶然でしたが、2人の運命が交錯する様子に引き込まれました。

沈魚(しんぎょ)は、孤児でありながら、たくましく生き抜く芯の強さを持つ女性です。 一方、周悦(しゅうえつ)は、男装をして自由を求める、複雑な背景を持つ人物です。 2人の対照的な性格が、物語に深みを与えていると感じました。

また、景王(けいおう) 斉璋(せいしょう)の登場も物語をより複雑なものにしています。 彼の目的は謎に包まれており、今後の展開が気になります。

つづく