雲中月 〜二人だけの約束〜 第10話 あらすじ/ネタバレ

沈魚(しんぎょ)の香囊には、顧存續(こぞんぞく)が蛇虫除けのために作った菱香粉が入っており、これは顧家の人間にしか持っていません。彼女は、刺客が父の従者である吉路(きっろ)であると確信しました。沈魚(しんぎょ)は高墨(こうぼく)に吉路(きっろ)が顧家の人間であることを知られるのを恐れ、蔡氏(さいし)の故郷に先に行くことを決意し、周悦(しゅうえつ)に高墨(こうぼく)を引き止めるように頼みます。

高墨(こうぼく)は部屋で「迎春客桟、刺客留痕」と書かれたメモを見つけます。メモの真偽は不明ですが、高墨(こうぼく)は周悦(しゅうえつ)を連れて迎春客桟に向かいます。客栈の老板は、肩に傷を負った男が泊まっていたことを覚えており、代金も払わずに夜逃げしたと言います。

高墨(こうぼく)は良県に告示を貼り、大々的に吉路(きっろ)を捜索します。沈魚(しんぎょ)は10文銭を払い、趙三という男に趙家村まで連れて行ってもらいます。途中で斉璋(せいしょう)と出会い、斉璋(せいしょう)は金塊を渡したことで趙三の態度が豹変し、沈魚(しんぎょ)とは雲泥の差の扱いを受けます。告示を見た高墨(こうぼく)と周悦(しゅうえつ)は、肩に傷があり、五明山の洞窟に闇器を落とした男がいるという情報を得ます。

斉璋(せいしょう)は趙三から、蔡氏(さいし)は一族で趙家村を出て行ったこと、蔡九娘(さいきゅうじょう)の夫の首には三日月形の印があることを聞きます。しかし、趙三によると蔡九娘(さいきゅうじょう)の夫はすでに亡くなっているとのこと。沈魚(しんぎょ)は、吉路(きっろ)が偽装死したことを悟ります。

高墨(こうぼく)と周悦(しゅうえつ)は五明山の洞窟で手がかりを探しますが、周悦(しゅうえつ)が毒蛇に肩を噛まれてしまいます。高墨(こうぼく)は毒を吸い出して助けますが、その際に周悦(しゅうえつ)が実は女性であることに気づきます。斉璋(せいしょう)と沈魚(しんぎょ)は夜に琅山で墓を掘っていると、何者かに襲われます。斉璋(せいしょう)は襲撃者を捕らえ、破廟に連れて行って問い詰めます。吉路(きっろ)は、金のために仕事を請け負ったと供述します。彼は蔡氏(さいし)と夫婦であり、金で買収されて顧存續(こぞんぞく)が高貴妃(こうきひ)に出した薬の処方箋をすり替えたことを明かします。その後、沈魚(しんぎょ)が現れて蔡氏(さいし)に罪を著せようとしたと言います。

吉路(きっろ)に仕事を依頼したのは、現太医院院使の賀広(がこう)であり、薬の処方箋は先ほどの箱の隠し場所にありました。周悦(しゅうえつ)は医者から薬をもらい、その内容から高墨(こうぼく)は周悦(しゅうえつ)が女性であることを確信します。周悦(しゅうえつ)が女性だったことに、高墨(こうぼく)はどのように接すればいいのか分からなくなります。

吉路(きっろ)は、周悦(しゅうえつ)が顧易(こえき)であることに気づき、斉璋(せいしょう)もそれを聞きます。その後、沈魚(しんぎょ)は斉璋(せいしょう)に自分の身の上を話し、斉璋(せいしょう)も顧家の真相を明らかにする手伝いをします。寧王(ねいおう)は、斉瑁(さいぼう)が勝手に斉璋(せいしょう)を闇殺しようとしたことを知り、愚かだと罵ります。さらに、吉路(きっろ)が捕まったことを知ると、斉镰(さいかま)に彼らを殺して吉路(きっろ)を連れ戻すように命じます。

周悦(しゅうえつ)は目を覚ますと、高墨(こうぼく)の様子がおかしいことに気づきます。彼女は、高墨(こうぼく)が何かを知っているのではないかと疑います。寧王(ねいおう)は斉镰(さいかま)に吉路(きっろ)の処理方法を尋ねます。斉镰(さいかま)は、誰かが吉路(きっろ)を再び訴えれば刑部が逮捕状を出すだろうと答えます。刑部が吉路(きっろ)を逮捕すれば、殺すも生かすも寧王(ねいおう)の思うままです。一方、沈魚(しんぎょ)は吉路を刑部に引き渡せば殺人容疑が晴れると単純に考えています。しかし、斉璋(せいしょう)はそう簡単ではないと理解しています。顧家の背後にいるのは賀広(がこう)であり、賀広(がこう)は寧王(ねいおう)の人間なので、この問題は非常に複雑で、少なくとも多くの人物が関わっていると言います。2人が話していると、後ろの吉路がいつの間にか逃げ出してしまいました。

第10話の感想

第10話は、物語が大きく動き、衝撃的な展開が続きました。沈魚(しんぎょ)が吉路の正体に気づき、高墨が周悦(しゅうえつ)の正体に気づいたことは、今後の物語に大きな影響を与えるでしょう。また、吉路の告白によって、顧家事件の真相が明らかになりつつあります。

特に印象に残ったのは、高墨が周悦の正体に気づいたシーンです。高墨は周悦を男として接してきましたが、毒を吸い出したことで彼女の正体を知ってしまいます。高墨の戸惑いと動揺が伝わってくるような、繊細な演技が見事でした。

また、吉路の告白も衝撃的でした。彼は金のために罪を犯し、蔡氏(さいし)に罪を著せたことを明かします。吉路の言葉は、人間の弱さや欲望の恐ろしさを改めて感じさせられました。

つづく