雲中月 ~二人だけの約束~ 第16話 あらすじ/ネタバレ
疑惑を抱えた賀蘭雅(がらんが)が刑部大堂に足を踏み入れると、高墨(こうぼく)と周悦(しゅうえつ)の誤解が解ける瞬間を目撃する。その光景は、高墨(こうぼく)が何故距離を置いていたのかを彼女に悟らせた。
周悦(しゅうえつ)は荷物をまとめるが、周夫人(しゅうふじん)は娘が蘇州に戻るものと勘違いする。しかし、それは周悦(しゅうえつ)が沈魚(しんぎょ)のために用意したものだった。沈魚(しんぎょ)との友情を大切に思う周悦(しゅうえつ)は、彼女の窮地を放っておくことができないと訴える。周夫人(しゅうふじん)は心を痛めながらも、無理をしないよう釘を刺し、娘の決意を認める。
沈魚(しんぎょ)を救うため、周悦(しゅうえつ)は急いで牢獄を訪ねる。彼女はわずかな可能性を求めて奔走するが、沈魚(しんぎょ)はすでに最悪の事態を想定し、離縁を申し出る。簡素な小屋で真実を明かした日から、沈魚(しんぎょ)は周悦(しゅうえつ)を巻き込まないために密かに離縁状を用意していたのだ。冷たい牢獄の門越しに、沈魚(しんぎょ)は離縁状の言葉を一つ一つ読み上げる。二人は涙を浮かべ、胸が張り裂けそうになる。
高墨(こうぼく)は沈魚(しんぎょ)の深い思慮と犠牲的精神に感銘を受け、周悦(しゅうえつ)に自分を労わることも大切だと諭す。
一方、斉璋(せいしょう)は連日奔走し、愛馬の赤焰も疲れ果てていた。やむなく行程を中断し、赤焰と共に休息を取る。同じ頃、寧王(ねいおう)府では寧王(ねいおう)が皇上の意向を探るため、密談していた。賀蘭雅(がらんが)が何気なく周依恵(しゅういえい)に言及すると、寧王(ねいおう)は好機と捉える。彼は周依恵(しゅういえい)と斉璋(せいしょう)の縁談を持ち出し、皇上の真意を探ろうとする。
寧王(ねいおう)の策略は奏功し、皇上は周侯府の三女、周依恵(しゅういえい)を斉璋(せいしょう)に賜婚すると発表する。一見すると普通の賜婚に見えるが、そこには深い意味が隠されていた。周侯府は京城で目立った地位を持たない。もし皇上が本当に斉璋(せいしょう)を儲君に立てようと考えているなら、権力者の娘を妻に選ぶはずだ。逆に、皇上が快諾したことは、斉璋(せいしょう)が儲君候補から外れていることを示唆している。
斉璋(せいしょう)の兄、斉瑁(さいぼう)は父の真意を理解できずにいたが、斉镰(さいかま)は鋭い洞察力で局勢を分析し、斉瑁(さいぼう)に権謀術数を教える。
京城が闇流に包まれる中、斉璋(せいしょう)は私事を理由に擅自離京し、顧家の娘の冤罪を晴らすための証拠を探す。それを知った皇上は激怒し、顧家の残党を抹殺するよう命じる。まさにその時、斉璋(せいしょう)は緊急の伝言を受け取り、馬を走らせて刑場へと向かう。沈魚(しんぎょ)はすでに処刑台に連行され、斬首刑を目前にしていた。周悦(しゅうえつ)は焦燥に駆られるが、何もできず、ただ見守るしかない。
危機一髪の瞬間、斉璋(せいしょう)が天から降ってきたかのように現れ、処刑を阻止する。続いて、皇上の口頭命令が伝えられ、処刑は一時停止、斉璋(せいしょう)は面会のために宮殿に召し上げられる。皇上は斉璋(せいしょう)を冷遇し、4時間も殿外で待たせて懲罰を与える。面会時、斉璋(せいしょう)は顧家の冤罪を力説し、吉路(きっろ)の直筆の手紙を証拠として提出する。しかし、皇は容赦なく手紙を破り捨てる。彼にとって、個人の命よりも皇家の威厳が重要だったのだ。斉璋は怒りを抑えつつ、知略を発揮する。彼が提出したのは写本であり、原本はすでに天下に広まっていることを明かし、真相を世間に知らしめることを誓う。
最終的に、皇は衝撃的な事実を明かす。皇嗣を謀害しようとした真犯人は、先景王(けいおう)の斉尊蓦(さいそんぼく)だった。彼は皇上と周悠(しゅうゆう)が関係があると誤解し、手を出したのだ。周悠(しゅうゆう)の名誉を守るため、皇は顧存續 (こぞんぞく)一家を処刑せざるを得なかった。その真実を知った斉璋は、沈魚(しんぎょ)を助命するよう懇願する。彼の粘り強さは、沈魚(しんぎょ)に一縷の希望をもたらすことができるのか? すべては謎に包まれたまま。
第16話の感想
第16話は、雲中月が大きく動き出す回でした。沈魚(しんぎょ)と周悦(しゅうえつ)の友情、高墨(こうぼく)の沈魚(しんぎょ)への思い、そして斉璋の正義感など、様々な要素が絡み合い、物語はクライマックスへと向かっていきます。
特に印象的だったのは、沈魚(しんぎょ)と周悦(しゅうえつ)の友情です。沈魚(しんぎょ)は自分のために周悦(しゅうえつ)を巻き込みたくないと思い、離縁を申し出ますが、周悦(しゅうえつ)は沈魚(しんぎょ)を見捨てることができず、必死に助けようとします。二人は涙ながらに別れを告げますが、その絆は決して切れることはありません。
また、斉璋の正義感にも心を打たれました。彼は顧家の冤罪を晴らすために奔走し、皇上の怒りを買ってまで沈魚(しんぎょ)を助けようとします。彼の勇気と行動力は、周りの人々にも大きな影響を与えます。
つづく