雲中月 ~二人だけの約束~ 第19話 あらすじ/ネタバレ

夜闇に包まれた宗人府。沈魚(しんぎょ)は斉璋(せいしょう)に守られ、静かに脱出を図る。しかし、突如として現れた黒装束の謎の人物と遭遇してしまう。室内は一触即発の緊張状態となり、激しい戦いが繰り広げられる。その騒ぎは守衛たちの耳に届き、彼らは急いで駆けつける。斉璋(せいしょう)は機転を利かせ、屋内の構造を利用して黒装束の人物を守衛たちの視界に晒す。それを察知した黒装束の人物は、わざと守衛たちを別の場所へ誘導することで、斉璋(せいしょう)と沈魚(しんぎょ)の脱出時間を稼ぐことに成功する。

沈魚(しんぎょ)は、宗人府に侵入してきた人物の正体に疑問を抱く。しかし、斉璋(せいしょう)は沈魚(しんぎょ)に何も語らず、その人物が刑部所属の高墨(こうぼく)であることを悟っていた。二人は同じ目的のために動いていたのだ。

逃走中、沈魚(しんぎょ)は不運にも矢を受けて負傷してしまう。激昂する沈魚(しんぎょ)は斉璋(せいしょう)と口論となり、一人で歩こうとするが、斉璋(せいしょう)は彼女の意誌を無視して連れ去ってしまう。その頃、周悦(しゅうえつ)は外で沈魚(しんぎょ)たちを待ち構えていた。沈魚(しんぎょ)の負傷を知り、急いで車に乗り込ませる。その後、高墨(こうぼく)も合流し、四人は現場から急いで立ち去る。

途中、承平坊の守衛に遭遇するが、高墨(こうぼく)が対応したため、守衛たちは何もせずに通行を許可した。

屋敷に戻ると、高墨(こうぼく)は周悦(しゅうえつ)に心からの想いを伝え、彼女を全力で守ると誓う。一方、斉璋(せいしょう)は負傷した沈魚(しんぎょ)の看病に専念する。矢傷には毒はないものの、重傷を負った沈魚(しんぎょ)は意識を失い、高熱に苦しむ。斉璋(せいしょう)は、絶え間なく沈魚(しんぎょ)の額に濡れタオルをあてながら、心配そうに様子を見守る。

高熱で意識が朦朧とした沈魚(しんぎょ)は、斉璋(せいしょう)に抱きつき、キスをしてしまう。突然の出来事に戸惑った斉璋(せいしょう)は、顔を赤らめ、身体が硬直してしまう。沈魚(しんぎょ)の抱擁にどう応えて良いか分からず、ただ立ち尽くすばかりだった。

一方、周依恵(しゅういえい)の結婚は聖上の命令により決定し、周 (しゅう)老太太もそれを覆すことができなかった。周 (しゅう)老太太は周依恵(しゅういえい)に、景王(けいおう)府に嫁いでも油断せず、景王(けいおう)を警戒するように忠告する。

意識を取り戻した沈魚(しんぎょ)は、昨夜の失態を気まずく思いながらも、平静を装い、斉璋(せいしょう)に自分が手に入れた脈案を渡す。周悦(しゅうえつ)と高墨(こうぼく)も駆けつけ、高墨(こうぼく)は脈案を詳しく分析した結果、その毒性が高貴妃(こうきひ)が受けた毒と一緻することを確認する。

沈魚(しんぎょ)は、吉路(きっろ)の証言を踏まえ、顧存續(こぞんぞく)が処方した薬が催生剤にすり替えられたと推測する。しかし、誰が毒を盛ったのかは依然として謎だった。沈魚(しんぎょ)は、この毒は胎児を殺すための秘術であり、必要な薬草である七虫見月草は南境か西北にしか生息していないと分析する。沈魚(しんぎょ)が提供した脈案には、先景王(けいおう)妃の周悠(しゅうゆう)が桂花アレルギーであることと、無名宮人の脈案にも同じ記録があることが記載されていた。この発見から、斉璋(せいしょう)と韓枕雲(かんちんうん)は、事件の背後にさらに大きな陰謀が隠されているのではないかと疑い始める。

その頃、賀蘭雅(がらんが)は周悦(しゅうえつ)の秘密を高貴妃(こうきひ)に漏らし、高貴妃(こうきひ)は周悦(しゅうえつ)を忘憂酒楼に呼び出す。沈魚(しんぎょ)は不吉な予感を抱き、高墨(こうぼく)と一緒に同行する。案の定、高貴妃(こうきひ)は周悦(しゅうえつ)の女性の正体を暴き、周家の安危を脅して毒酒を飲ませようとする。危機一髪の状況下、高墨(こうぼく)は周悦(しゅうえつ)と共に死を選ぶ覚悟で毒酒を飲もうとするが、高貴妃(こうきひ)に止められてしまう。その後、宮中から小栄王(しょうえいおう)が危篤状態にあるとの知らせが届き、高貴妃(こうきひ)は急いで宮中へと戻っていった。

沈魚(しんぎょ)は機転を利かせ、この機会に高墨(こうぼく)に自分と周悦(しゅうえつ)を宮中に連れて行くように頼む。宮中に入った沈魚(しんぎょ)たちは、小栄王(しょうえいおう)が生月籽仁を誤食して危篤状態にあることを知る。太医たちは手の施しようがなく、途方に暮れていた。沈魚(しんぎょ)は小栄王(しょうえいおう)の治療を誌願し、それを条件に高貴妃(こうきひ)にいくつかの要求を提示する。高貴妃(こうきひ)の切なる願いを受け、沈魚(しんぎょ)は自身の医術を駆使して小栄王(しょうえいおう)の容態を安定させることに成功する。この一連の行動の背景には、沈魚(しんぎょ)の真実を追求する執念と、友情を守るための強い意誌があった。

第19話の感想

第19話は、緊迫感と感動が入り混じった、見応えのあるエピソードでした。特に印象に残ったのは、以下の3つのポイントです。

1. 沈魚(しんぎょ)と斉璋の絆

沈魚と斉璋は、命を懸けてお互いを守り合う姿が印象的でした。沈魚が負傷した際には、斉璋が彼女を安全な場所へ連れ去るために尽力し、沈魚もまた、斉璋の窮地を救うために機転を利かせました。二人の強い絆が伝わってくるシーンでした。

2. 高墨(こうぼく)の決意

高墨(こうぼく)は、周悦(しゅうえつ)への想いを改めて自覚し、彼女を守るために命を懸ける覚悟を示しました。高貴妃(こうきひ)の脅迫にも屈せず、周悦(しゅうえつ)と共に死を選ぶ決意をした彼の姿は、男らしい魅力に溢れていました。

3. 沈魚の活躍

沈魚は、小栄王(しょうえいおう)の治療を誌願し、見事な医術で彼の命を救いました。さらに、高貴妃(こうきひ)との交渉で自らの要求を認めさせるなど、機転と勇気を発揮しました。沈魚の活躍は、視聴者を魅瞭してやまないものでした。

つづく