雲中月 ~二人だけの約束~ 第9話 あらすじ/ネタバレ

深い竹林の中で、刺客たちが静かに罠を仕掛け、斉璋(せいしょう)一行を襲撃する。突然の襲撃に驚きを隠せないものの、斉璋(せいしょう)、高墨(こうぼく)、韓枕雲(かんちんうん)の高い武術の腕前によって、彼らはすぐに態勢を立て直し、刺客たちとの激しい戦いを繰り広げる。

戦いの最中、刺客の頭目は正面からの戦いで勝てないと悟り、周悦(しゅうえつ)の背後に回り込み、彼女を人質に取ろうとする。しかし、その瞬間、斉璋(せいしょう)は隙をついて刺客の頭目の肩を刺し、周悦(しゅうえつ)を救出することに成功する。だが、刺客はそこで諦めず、飛鏢を投げつけて仮撃を試みる。斉璋(せいしょう)と高墨(こうぼく)はそれぞれ沈魚(しんぎょ)と周悦(しゅうえつ)を守り、韓枕雲(かんちんうん)は不幸にも飛鏢に当たってしまうが、幸いにも怪我は重くない。

この混乱の中で、沈魚(しんぎょ)は周悦(しゅうえつ)を飛鏢から庇おうとして、思わず彼女の胸に触れてしまう。この予期せぬ触感は、彼女の心に疑問と困惑を生み出す。

夜が訪れ、一行は簡素な茅屋で休息を取る。斉璋(せいしょう)は、沈魚(しんぎょ)が昼間に何気なく口にした麻醬燒餅と紅油爆肚を思い出し、彼女を喜ばせようとわざわざ買ってくる。しかし、沈魚(しんぎょ)はそれは咄嗟の思いつきで、本当に好きなわけではないと笑って答える。この出来事は、斉璋(せいしょう)が沈魚(しんぎょ)が数年前自分が助けた悪ガキと驚くほど価ていることを確信させる。

一方、高墨(こうぼく)は斉璋(せいしょう)に重要な話があると尋ねてくる。二人が話し合っているうちに、斉璋(せいしょう)は高墨(こうぼく)の叔母である高貴妃(こうきひ)の容態を気遣い、高家のことに関心を示す。

沈魚(しんぎょ)と周悦(しゅうえつ)の関係にも新たな進展があった。沈魚(しんぎょ)は周悦(しゅうえつ)が男装をしていることに気づいており、彼女の事情を理解していた。周悦(しゅうえつ)も沈魚(しんぎょ)に心を開き、顧存續(こぞんぞく)の娘である顧易(こえき)であることを明かす。二人は深い友情を結び、義姉妹の契りを交わす。

高墨(こうぼく)と斉璋(せいしょう)は話し合った結果、小榮王事件の真相を明らかにするために協力することを決意する。これは斉璋(せいしょう)の復讐のためだけでなく、高家の未来にとっても重要なことだった。

沈魚(しんぎょ)と周悦(しゅうえつ)の姉妹愛は、斉璋(せいしょう)と高墨(こうぼく)の心に複雑な感情を呼び起こす。そこで二人は茅屋の屋根に上がり、酒を飲みながらお互いへの想いを語り合う。周悦(しゅうえつ)は高墨(こうぼく)の落ち著きと重厚さを高く評価し、沈魚(しんぎょ)は斉璋(せいしょう)を擁護する。

酒が進むにつれ、高墨(こうぼく)は誤って屋根から落ちてしまう。周悦(しゅうえつ)と沈魚(しんぎょ)は急いで駆け寄り、彼を部屋に運んで休ませる。沈魚(しんぎょ)は斉璋にも降りてくるように説得しようとするが、斉璋は酔った勢いで、沈魚(しんぎょ)への想いを吐露し続ける。沈魚(しんぎょ)は斉璋の真心に心を動かされ、思わず屋根から滑り落ちてしまう。幸いにも斉璋がすぐに助け出し、その後、酔って眠ってしまった。沈魚(しんぎょ)は斉璋のベッドのそばで、思わず彼の顎にキスをしてしまう。それは、温かくも微妙な記憶を残した。

翌日朝、斉璋は目を覚ますと、昨夜の出来事を何も知らないふりをする。沈魚(しんぎょ)には伝書鳩だけを残し、韓枕雲(かんちんうん)と共に危険に立ち向かうため、先に旅立ってしまう。彼は刺客たちの本当の標的が自分であることを知っており、沈魚(しんぎょ)たちのために先に危険を排除し、翼州で合流することを約束する。

周悦(しゅうえつ)、沈魚(しんぎょ)、高墨(こうぼく)は原地に残って、前日に刺客が残した手がかりを分析し続ける。周悦(しゅうえつ)は刺客の首にあった三日月形の印を思い出し、沈魚(しんぎょ)も気づいていたが、その場では明言しなかった。彼女は伝書鳩を使って斉璋に助けを求め、刺客について周悦に詳しく尋ねる。周悦は、刺客の体から沈魚(しんぎょ)の香囊と同じような薬草の匂いがしたと話し、この手がかりが謎を解く鍵になるかもしれない。

第9話感想

第9話は、緊迫感と感動が交錯する見応えのあるエピソードでした。刺客との激しい戦闘シーンは手に汗握る展開で、斉璋たちの圧倒的な武術の腕前には思わず見惚れてしまいました。特に、斉璋が刺客頭目の肩を刺し、周悦を救出するシーンは、彼の冷静さと判断力の高さを感じさせる名場面でした。

一方、沈魚(しんぎょ)と周悦の関係にも大きな進展がありました。沈魚(しんぎょ)が周悦の男装を見抜き、彼女の秘密を理解するシーンは、二人の絆の深さを物語っていました。また、周悦が顧存續(こぞんぞく)の娘である顧易(こえき)であることを明かし、沈魚(しんぎょ)と義姉妹の契りを交わすシーンは、感動的で胸が熱くなりました。

高墨(こうぼく)と斉璋の友情も深まりました。二人は小榮王事件の真相を明らかにするために協力することを決意し、お互いへの信頼関係を強固なものにしていきました。また、茅屋の屋根で酒を飲みながらお互いへの想いを語り合うシーンは、二人の関係性をより一層深めたと言えるでしょう。

つづく