幻想神国記 運命の旅路 第20話 あらすじ/ネタバレ

昭都(しょうと)

焦燥に駆られる大祭司とは対照的に、落ち著き払った様子の燭犀(しょく・さい)。彼は古文書に没頭しているが、実際には西粛(せいしゅく)の蠢動を既に察知している。西粛(せいしゅく)は王軍の名を借りて、燭犀(しょく・さい)が君主不在の隙を突いて「護主不利」を名目に討伐を開始しようとしているのだ。

そんな緊迫した状況下、銀霄(ぎん・しょう)の到著が静寂を破る。彼は三つの重要な口上を伝え、燭犀(しょく・さい)に即刻平亭(へいてい)への帰還を命じる。同時に、大祭司は宿川(しゅくせん)での君主の消息を公表し、銀霄(ぎん・しょう)は昭都(しょうと)の仮乱を徹底的に調査するよう命じられる。

平江(へいこう)候府

権力の闇闘が繰り広げられている。長男の燭猙は三男の烛罄(しょくけい)の気持ちを無視して、強引に彼の仕事を奪い取る。烛罄(しょくけい)は不満を抱きながらも、どうすることもできない。

そこに微生硯(びせい・けん)が現れる。一見お祝いに来たように見えるが、実際には離間の計を企んでいる。彼は烛罄(しょくけい)に、昭都(しょうと)への救援の際に兄弟を殺して権力を独占するよう唆す。しかし、烏縁(う・えん)は全てを見ており、微生硯(びせい・けん)の陰謀を暴き、烛罄(しょくけい)を真の君主に会わせる。

微生硯(びせい・けん)の屋敷

銀霄(ぎん・しょう)の到著は緊張をもたらす。彼の口上は、燭犀(しょく・さい)一族が現在の危機に直面することを余儀なくさせる。一方、微生硯(びせい・けん)の屋敷では、精巧に設計された夢が繰り広げられている。百裏(ひゃくり)は催眠術を使って、微生硯(びせい・けん)たちをそれぞれの幻想に浸らせる。しかし、火屠辛(かと・しん)の到著がその幻想を打ち砕く。

火屠辛(かと・しん)は一撃で微生硯(びせい・けん)を目覚めさせ、声東撃西の計を伝え、娘の玲瓏(れいろう)を救うために協力を求める。

微生硯(びせい・けん)は疑念を抱きながらも、火屠辛(かと・しん)の懇願を受け入れる。彼は燭犀(しょく・さい)一族への理解を利用して、仮間の計を仕掛け、長男の燭猙と二男を味方に引き入れることに成功する。彼らは微生硯(びせい・けん)が烛罄(しょくけい)を排除するための協力者であると誤解している。

しかし、全ては元一(げん・いつ)の掌握の中にある。彼は巧みに烛罄(しょくけい)の立場を利用して、燭犀(しょく・さい)一族内部の矛盾を煽る。

燭猙と二男が茶館を包囲し、偽の君主を名乗って烛罄(しょくけい)を殺そうとした時、元一(げん・いつ)たちは既に準備を整えていた。銀妝(ぎん・そう)の指揮の下、彼らは無事に逃げ出し、微生硯(びせい・けん)の屋敷に逃げ込む。

微生硯(びせい・けん)は内心では様々な思惑を抱いているが、表面上は忠誠心を装い、元一(げん・いつ)と芝居を打つ。最終的に、燭猙と二男は自滅し、烛罄(しょくけい)に電光石火の速さで殺される。

結末

遠くから全てを見守っていた燭犀(しょく・さい)は、悲憤に駆られる。彼は自分が元一(げん・いつ)の罠に嵌められたことを理解しているが、どうすることもできない。

微生硯(びせい・けん)は表面上は勝利を収めたが、内心では元一(げん・いつ)への恨みでいっぱいだ。火屠辛(かと・しん)は微生硯(びせい・けん)の傲慢さに憤慨するが、娘の玲瓏(れいろう)のために、一時的に個人的な感情を脇に置く。彼は烏縁(う・えん)に助けを求め、最終的に烏縁(う・えん)の祖父の助けを借りて、身を寄せる場所を見つける。

第20話 感想

第20話は、緊張感と策略が入り混じった、息もつかせぬ展開でした。燭犀(しょく・さい)一族の危機、微生硯の陰謀、元一(げん・いつ)の策略、そして火屠辛(かと・しん)の苦悩など、様々な要素が複雑に絡み合い、目が離せないストーリーとなっています。

特に印象的だったのは、燭犀(しょく・さい)と微生硯の対決です。燭犀(しょく・さい)は冷静沈著に事態に対処し、微生硯は狡猾な手段で勝利を目指します。二人の知略がぶつかり合う様子は、スリリングで見応えがありました。

また、火屠辛(かと・しん)の娘・玲瓏(れいろう)の救出劇も感動的でした。火屠辛(かと・しん)の父性愛と、烏縁(う・えん)の優しさに胸を打たれます。

つづく