幻想神国記 運命の旅路 第5話 あらすじ/ネタバレ

夜の闇に包まれた船上、銀霄(ぎん・しょう)は火屠辛(かと・しん)の襟首を掴み、彼を絶壁の淵に弔るす。 火屠辛(かと・しん)は「密航者」として、巧みな話術で脅迫と懇願を繰り返し、時には深い情誼で心を動かそうとする。銀霄(ぎん・しょう)は一瞬ためらうが、銀氏(ぎんしき)族の人々を欺くことはできない。

玲瓏(れいろう)は自分が神主(しんじゅ)であり、追っ手から逃れるためにやむを得ず船に乗ったことを告白する。真実が明らかになっても、緊張は緩和されない。船主は突然襲いかかり、火屠辛(かと・しん)を深淵に突き落とす。玲瓏(れいろう)は焦燥に駆られるが、なすすべがない。船主は火屠辛(かと・しん)が平江(へいこう)候と因縁があり、船隊に災いをもたらすことを恐れて、彼を見捨てようと決意したのだ。

危機一髪のその時、元一(げん・いつ)は銀氏(ぎんしき)の後継者だけが認識できる信物である透き通った珠を取り出す。兄妹はすぐに跪いて礼を尽くし、元一(げん・いつ)の真の身分を明かす。彼は彼らの君主なのだ。船主は屈服せざるを得ず、命令に従って船首を転回し、火屠辛(かと・しん)を救出する。

しかし、平穏は長く続かなかった。船体が激しく揺れ、まるで天が崩れ落ち、地が裂けるかのようだ。人々は四散し、必死に生き延びようとする。船主は利己的に小さな船室に隠れる。銀氏(ぎんしき)兄妹はそれぞれ戦い、元一(げん・いつ)は玲瓏(れいろう)を守る。飛魚は急降下し、地上では道士が牛車に座ってこの様子を目撃する。

著陸後、元一(げん・いつ)と玲瓏(れいろう)は神力の加護により無傷だった。銀氏(ぎんしき)兄妹も無事だったが、忠実な老女官・娟娘(けんじょう)を失った。

地平線に黒い煙が立ち上り、追っ手の信号が届く。元一(げん・いつ)と玲瓏(れいろう)は先に撤退し、銀氏(ぎんしき)兄妹と船主は殿を務める。骨蝕(こつしょく)は部下を率いて待ち伏せし、船主は表面上は知らないふりをするが、実際には密かに方向を指示する。銀霄(ぎん・しょう)は骨蝕(こつしょく)と決死の戦いを繰り広げようとするが、身体が製御されていることに気づく。骨蝕(こつしょく)はなんと銀氏(ぎんしき)族の力を模倣することができたのだ。

窮地に陥ったその時、火屠辛(かと・しん)が闇闇から飛び出し、一石を投じて包囲を解く。銀霄(ぎん・しょう)は隙をついて骨蝕(こつしょく)に重傷を負わせる。

前夜に遡ると、火屠辛(かと・しん)は船から突き落とされた後、褐羽人に救出されたものの、平江(へいこう)候が生き証人を必要として再び捕らえられた。彼は玲瓏(れいろう)の安否を気遣い、燁石の力を使ってこの場所にたどり著き、銀霄(ぎん・しょう)を救出したのだ。

一方、玲瓏(れいろう)と元一(げん・いつ)は逃亡中に道士と出会い、彼の助けを借りて追っ手を逃れた。道士は正体がばれてしまうが、神通力で仮撃し、二人を救う。玲瓏(れいろう)は元一(げん・いつ)の身分を知り、父親を探す手伝いを頼む。

火屠辛(かと・しん)と銀氏(ぎんしき)兄妹はついに再会を果たす。火屠辛(かと・しん)は遊び心を発揮し、玲瓏(れいろう)をからかうために死んだふりをする。

休息中、火屠辛(かと・しん)が月翎族に救出されたことを知り、信頼危機が発生する。特に首相の緋天(ひ・てん)も月翎族出身である。仏篆(ぶつせん)の出現により、元一(げん・いつ)と緋天(ひ・てん)の旧情、そして彼が持つ指引石の秘密が明らかになる。それは昭都(しょうと)を指し示しており、そこには緋天(ひ・てん)も、元一(げん・いつ)の心の傷も隠されている。

船主と再会した火屠辛(かと・しん)は怒りに燃え、一戦を交えた後、恩讐はとりあえず解消する。彼は料理の準備に忙しくなり、特に玲瓏(れいろう)のために魚スープを作る。銀妝(ぎん・そう)も加わり、銀霄(ぎん・しょう)は魚を捕る。玲瓏(れいろう)は小川に座り、神主(しんじゅ)としての自分の身分と能力に疑問を抱くが、元一(げん・いつ)の肩にかかる重荷と犠牲も感じ取る。仏篆(ぶつせん)は星図を証拠として、元一(げん・いつ)が神に選ばれた者であることを確認する。未来の道は険しいが、希望に満ちている。

第5話の感想

第5話は、緊迫感と感動が入り混じった素晴らしいエピソードでした。特に印象に残ったのは、火屠辛(かと・しん)の機転と勇気、銀霄(ぎん・しょう)と玲瓏(れいろう)の兄妹愛、元一(げん・いつ)の正体と決意の3点です。

火屠辛(かと・しん)は、窮地に陥っても機転を利かせ、勇気をもって行動することで、窮地を脱しました。彼の行動は、困難に直面しても諦めないことの大切さを教えてくれます。

銀霄(ぎん・しょう)と玲瓏は、兄妹でありながら、神主(しんじゅ)と部下の関係でもあります。しかし、第5話では、兄妹としての強い絆が描かれていました。特に、銀霄(ぎん・しょう)が火屠辛(かと・しん)を救うために命を懸けたシーンは感動的でした。

第5話では、元一(げん・いつ)の正体が明らかになりました。彼は、銀氏(ぎんしき)一族の君主であり、神に選ばれた者でした。元一(げん・いつ)は、自分の使命を果たすために、困難な道を選択することを決意しました。

つづく