ある午後のこと、斉明月(チー・ミンユエ)と唐灿(タン・ツァン)は陳婷(チェン・ティン)の李尖尖(リー・ジェンジェン)に対する複雑な感情について語り合っていました。明月は、陳婷(チェン・ティン)にとって尖尖と会うことは過去の傷をえぐられるような痛みであり、それが尖尖への拒絶に繋がっているのではないかと推測します。唐灿(タン・ツァン)も凌霄(ソン・ウェイロン)の立場を思い、同情します。尖尖の考えを聞くと、「なるようになる」と楽観的な返事で、明月は少し安心し、二人は真実の愛はどんな障害も乗り越えられると信じ、微笑み合いました。
一方、凌和平(リン・ハーピン)は凌霄(ソン・ウェイロン)の悩みを知り、一緒に酒を酌み交わすことに。和平は息子への配慮が足りなかったと仮省し、凌霄(ソン・ウェイロン)は父親の存在が心の支えだと優しく答えます。そして、凌霄(ソン・ウェイロン)は妹の雲雲の夢を長い間見ていないこと、彼女が自分を許してくれたのか、そして自分が陳婷(チェン・ティン)への償いを果たせたのかわからないと打ち明けました。激しい雨と雷鳴が窓の外で響き渡り、まるで辛い過去を思い出させるかのように、二人は静かにそれぞれの思いに沈みます。
同じ頃、陳婷(チェン・ティン)は一人で暴風雨に打たれながら、様々な感情に苛まれていました。馮希希(フォン・シーシー)が転送した微博を開くと、尖尖の言葉が鋭い刃物のように、彼女の封印された記憶を少しずつ剝がしていきます。罪悪感と自責の念に駆られ、ついに陳婷(チェン・ティン)は凌霄(ソン・ウェイロン)に電話をかけます。しかし、電話に出たのは和平で、彼は凌霄(ソン・ウェイロン)をこれ以上苦しめないでほしいと陳婷(チェン・ティン)に懇願します。電話は一方的に切られ、陳婷(チェン・ティン)は雨の中一人取り残されました。
翌朝、秦美央(チン・メイヨー)は泣きながら凌霄(ソン・ウェイロン)の元を訪れ、陳婷(チェン・ティン)が遺書を残して失踪したことを告げます。凌霄(ソン・ウェイロン)は慌てて遺書を読み、必死で母親を探します。陳婷(チェン・ティン)は自分の愛が凌霄(ソン・ウェイロン)の重荷になっていることに気づき、去るときに凌霄(ソン・ウェイロン)を連れて行かなかったこと、そして自分のエゴイスティックな愛で彼を縛り付けていることを後悔していました。絶望のあまり、彼女は海に身を投げますが、早朝に釣りをしていた二人に助けられます。
病院で、凌霄(ソン・ウェイロン)は陳婷(チェン・ティン)の手を握りしめ、生きて償うべきだと、死から逃げてはいけないと真剣に語りかけます。陳婷(チェン・ティン)の心に響き、彼女は命の尊さと家族の大切さを改めて実感します。
回復した陳婷(チェン・ティン)は過去を捨て、美央と共にシンガポールへ戻り、新しい生活を始めることを決意します。出発前、彼女は尖尖に感謝の気持ちを伝え、凌霄(ソン・ウェイロン)を託します。尖尖は凌霄を幸せにすることを約束します。
陳婷と美央を見送った後、尖尖、凌霄、そして賀子秋(ハー・ズーチウ)は急いで家に戻ります。今日は彼らにとって特別な日、李海潮(リー・ハイチャオ)と賀梅(ホー・メイ)が正式に結婚する日なのです。二つの家族は役所でその幸せな瞬間を見届け、その後、記念写真を撮るためにスタジオへ向かいます。写真の中で、みんなの笑顔は幸せと満足感で溢れていました。
凌霄と陳婷の関係は、様々な困難を乗り越え、ついに和解しました。子秋も心のわだかまりを解き、賀梅(ホー・メイ)との絆を深めました。これらの変化はすべて、家族の無償の愛と理解から生まれたものです。この大家族の中で、彼らは本当の家族とは血の繋がりだけでなく、支え合い、愛し合う心の繋がりなのだと深く実感し、温かい物語を共に紡いでいくのでした。
第46話の感想
「家族の名において」の最終回、第46話は、様々な感情が渦巻く、感動的な締めくくりでした。長年積み重ねられた誤解や葛藤が、ついに解き放たれるカタルシスに満ちたエピソードでした。
特に印象的だったのは、陳婷の変化です。これまで尖尖や凌霄にとって大きな心の傷となっていた陳婷が、自身の過ちを認め、新たな人生へと踏み出す姿は、胸を打つものがありました。彼女が尖尖に凌霄を託すシーンは、これまでの苦難を乗り越え、真の家族としての絆が生まれたことを象徴するようで、涙が止まりませんでした。
また、凌霄と和平の静かな酒の席も印象的です。互いを思いやる二人の姿は、血の繋がった家族の温かさを感じさせました。そして、子秋と賀梅(ホー・メイ)の関係も、ようやく本当の親子としてのスタートラインに立ったように感じられ、見ているこちらも温かい気持ちになりました。
海潮と賀梅(ホー・メイ)の結婚は、このドラマのテーマである「家族」を改めて強く印象付けました。血の繋がりを越えた、強い絆で結ばれた彼らの姿は、まさに「家族」という言葉の真の意味を体現しているようでした。
最終回は、それぞれのキャラクターが成長し、本当の幸せを掴む姿が美しく描かれていました。少し物足りなさを感じる部分もありましたが、全体的には温かく、そして希望に満ちたエンディングだったと思います。このドラマを通して、「家族」とは何かを改めて考えさせられました。