長月輝伝~愛と救世の輪廻~ 第16話 あらすじ/ネタバレ

愛する仲間たちとの死別の悲しみの中、冥夜(めいや)は桑酒(そうしゅ)に酒を買いに行かせ、亡くなった仙友たちを弔う。神が死んだ後、その痕跡を見つけるのは難しいと知りつつも、冥夜(めいや)は心の拠り所を求めていた。

視力を失い、親友を失い、最愛の人とも誤解によって疎遠になった冥夜(めいや)は、希望を失いかけていた。そんな中、唯一心を慰めてくれる存在となった桑酒(そうしゅ)に、いつまでも傍にいてくれるのかと問う。桑酒(そうしゅ)は、冥夜(めいや)が視力を回復したら自分の正体がバレてしまうことを恐れ、旅に出ると嘘をつく。

ある日、陽光が差し込む中、桑酒(そうしゅ)が冥夜(めいや)の長い髪を梳いていると、奇跡的に冥夜(めいや)の視力が回復する。鏡に映った自分の姿を見て、冥夜(めいや)は驚愕する。ずっとそばにいてくれたのは、日夜想っていた桑酒(そうしゅ)だったのだ。しかし、この穏やかな日々を壊したくないという思いから、冥夜(めいや)は真実を隠すことにする。

桑酒(そうしゅ)が自分の世話で疲弊している姿を見て、冥夜(めいや)は心を痛め、一緒に寝ることを提案する。二人は離れた場所で眠るものの、この近さに桑酒(そうしゅ)は喜びを感じる。

冥夜(めいや)の薬の苦しみを和らげようと、桑酒(そうしゅ)は山に蜜を採りに行くが、蜂に刺されてしまう。冥夜(めいや)は心配し、自ら薬を塗ってあげる。二人はいつしか、互いに想いを寄せ始める。

しかし、平穏な日々は長くは続かなかった。天歡(てんかん)は冥夜(めいや)の居場所を知り、兵を率いてやってくる。冥夜は天歡(てんかん)の誘いを断り、山の中で療養を続けようと決意する。天歡(てんかん)は洗髄印を餌に、冥夜を処理に向かわせる。

出発前に、冥夜は桑酒(そうしゅ)に手紙を残し、別れを惜しむが、天歡(てんかん)の嫉妬によって手紙は燃やされてしまう。

冥夜は洗髄印を見つけ、それが魔力を増幅させるだけでなく、結界を封印するためにも使えることを知る。さらに、洗髄印は桑酒(そうしゅ)の仙髄を再生させることができるかもしれないと考え、自身の修為を犠牲にして洗髄印を取り出す。彼は洗髄印を護心鱗片で封印し、甘霖を降らせて仙霊が集まる地「不照山」へと変える。

上清神域に戻った冥夜は、火陽鼎を使って洗髄印を浄化し、桑酒(そうしゅ)を救おうとする。彼は神髄を燃やし尽くし、桑酒(そうしゅ)との新たな人生を手に入れるためにすべてを捧げる。

一方、天歡(てんかん)は冥夜の桑酒への愛情を妬み、濡れ衣を著せて墨河に攻め入る。桑酒の家族は惨殺され、彼女は悲しみに暮れる。父王の遺品から天歡(てんかん)の真の姿を知った桑酒は、冥夜も共犯だと誤解し、愛憎が入り混じった感情からついに魔界に堕ちてしまう。

こうして、本来なら幸せになるはずだった二人は、誤解と憎しみのために、予測不可能な運命へと突き進んでいく。

第16話の感想

第16話は、愛と喪失、そして希望と絶望が交錯する、非常に感情的なエピソードでした。冥夜と桑酒の複雑な関係が描かれ、二人の間に芽生えた愛情が、誤解と裏切りによって引き裂かれていく様子が胸を締め付けます。

冥夜の絶望と悲しみは、見ていて辛くなるほどでした。彼は大切な仲間たちを失い、視力を失い、最愛の人とも離れ離れになってしまいました。そんな中、唯一の心の支えとなったのが桑酒の存在でした。しかし、桑酒の正体が明らかになることで、二人の関係は新たな局面を迎えます。

冥夜が桑酒の正体を知ってからの葛藤は、とてもリアルに描かれていました。彼は真実を打ち明けるべきか、それともこのまま偽りの関係を続けるべきか、苦悩します。最終的に彼は真実を隠すことを選びますが、それは桑酒への愛情ゆえの決断だったのでしょう。

つづく