『長月輝伝~愛と救世の輪廻~』第31話 あらすじ/ネタバレ

仙門大比の盛大な舞台に、兆悠(ちょうゆう)真人と共に現れた滄九旻(そうきゅうみん)。彼らは衢玄子(くろげんし)掌門を訪ね、公冶寂(こうやせい)無(こうやじゃくむ)と500年前の蕭凛(しょうりん)との関係について尋ねます。衢玄子(くろげんし)は、公冶寂(こうやせい)無(こうやじゃくむ)が蕭凛(しょうりん)が氷晶盞の力によって転生した子供であり、自身が名付けたと明かします。

滄九旻(そうきゅうみん)の正体を見抜いていた衢玄子(くろげんし)は、不虚真人の見立てを信頼し、兆悠(ちょうゆう)と共に彼を優れた弟子として迎え入れることを決意します。一方、滄九旻(そうきゅうみん)は葉夕霧(ようせきむ)の復活に心を痛め、龐宜之(ほうぎし)の幻影を呼び出して復活の方法を探ります。必要なのは愁人の血、恋人の涙、故人の髪の毛、そして霊力が最も充満した場所での聚魂法陣の構築だと告げられますが、龐宜之(ほうぎし)は賛同せず、その理由を明かしません。

黎蘇蘇(りすす)の閉関後の変化に戸惑う公冶寂(こうやせい)無(こうやじゃくむ)は、滄九旻(そうきゅうみん)に相談します。滄九旻(そうきゅうみん)は黎蘇蘇(りすす)の心が成熟したと励まし、新たな関係の始まりかもしれないと告げます。公冶寂(こうやせい)無(こうやじゃくむ)は500年の時を経て、無知から愛情を学ぶまでの道のりを語り、滄九旻(そうきゅうみん)との友情を大切に思う気持ちを伝えます。

復活の方法を探るため、滄九旻(そうきゅうみん)は蔵書閣に潜入し、魔族の典籍を調べます。そこで聚魂術が魔族の禁術であることを知ります。一方、黎蘇蘇(りすす)も無情道の修行が進まないこと、邪骨の封印が限界に近づいていることに気づき、魔族の書物から解決策を探します。二人は蔵書閣ですれ違いますが、それぞれの目的のために動き出します。

黎蘇蘇(りすす)は長澤山の霊力と重羽(ちょうう)の力を借りて邪骨を抑える方法を見つけます。滄九旻(そうきゅうみん)は書物から無垢仙体の血が聚魂法陣を起動させると知り、黎蘇蘇(りすす)を思い浮かべます。彼は衡陽宗の湖のほとりで聞き覚えのある箜篌の音を聞き、追いかけますが、そこには誰もいませんでした。邪骨が魔胎の呼びかけを感じた黎蘇蘇(りすす)は、急いで天池に戻って修炼していました。

一方、姒嬰(じえい)と驚滅(きょうめつ)は洗髓印を求めて諦冕(ていべん)に仙界封印の解除方法を尋ねます。しかし、これは諦冕(ていべん)が彼らを操って魔神(ましん)を封印から解放するための策略でした。滄九旻(そうきゅうみん)は仙門大比が上清神域で開催され、毓霊神女黎蘇蘇(りすす)も参加することを知り、そこで無垢の血を手に入れようと決意します。

黎蘇蘇(りすす)を守るため、岳涯(がくがい)は彼女に扮して色目を使う者を遠ざけることにします。大比当日、姒嬰(じえい)と驚滅(きょうめつ)は紫宿州北宸星君の弟子に変装して潜入し、岳涯(がくがい)は黎蘇蘇(りすす)の姿で登場します。試合が始まり、黎蘇蘇(りすす)は公冶寂(こうやせい)無(こうやじゃくむ)と共に戦いますが、心は勝利ではなく気晴らしにありました。赤霄宗の岑公子(しんこうし)は偽物と気づかず、「黎蘇蘇(りすす)」に絡みますが、岳涯(がくがい)は怒って手を出してしまい、逆に囲まれてしまいます。そこに現れた滄九旻(そうきゅうみん)は武力で岑公子(しんこうし)に謝罪を強要します。

姒嬰(じえい)と驚滅(きょうめつ)は廿白羽(にじゅう・はくう)を連れて上清神域に潜入し、洗髓印を探します。黎蘇蘇(りすす)は玉傾宮を一人で歩き、桑酒(そうしゅ)と冥夜(めいや)の結婚式を思い出し、澹台燼(たんたいじん)への想いを断ち切れずにいました。滄九旻(そうきゅうみん)は岳涯(がくがい)に目的を明かしますが、岳涯(がくがい)は仕方なく真実を告げます。滄九旻(そうきゅうみん)は残念に思いながらも、黎蘇蘇(りすす)への想いを強めます。そして玉傾宮に足を踏み入れた彼は、葉夕霧(ようせきむ)と瓜二つの黎蘇蘇(りすす)の姿を見て、複雑な感情に包まれます。

第31話の感想

第31話は、衝撃的な事実と複雑な感情が交錯する回でした。公冶寂(こうやせい)無(こうやじゃくむ)の正体が500年前の蕭凛(しょうりん)であることが明かされ、滄九旻の葉夕霧(ようせきむ)復活への想いが強まる一方で、黎蘇蘇(りすす)の無情道と邪骨の封印の問題が浮き彫りになりました。

特に印象に残ったのは、公冶寂(こうやせい)無(こうやじゃくむ)と滄九旻の友情の描写です。500年の時を経て、無知から愛情を学ぶまでの道のりを語った公冶寂(こうやせい)無(こうやじゃくむ)の姿は、滄九旻の心を深く打ちました。また、滄九旻が黎蘇蘇(りすす)のために無垢の血を求める姿は、彼の揺るぎない決意を感じさせました。

一方、黎蘇蘇(りすす)の苦悩も描かれました。無情道の修行が進まないこと、邪骨の封印が限界に近づいていることなど、彼女は様々な問題に直面しています。また、澹台燼(たんたいじん)への想いを断ち切れずにいる姿は、彼女の心の葛藤を物語っています。

つづく