長月輝伝~愛と救世の輪廻~ 第34話 あらすじ/ネタバレ

滄九旻(そうきゅうみん)の決意

長年抱えてきた謎が解けた滄九旻(そうきゅうみん)は、かつての苦しみは葉夕霧(ようせきむ)の私怨ではなく、魔神(ましん)覚醒を阻止するための苦渋の選択だったことを知る。黎蘇蘇(りすす)に救われただけでなく、魔神(ましん)となる運命から解放されたことに感謝し、たとえ困難な道であっても禁忌の力には二度と触れないと固く誓う。

公冶寂(こうやせい)無(こうやじゃくむ)と妺女(もうじょ)

朝、見知らぬ場所で目を覚ました公冶寂(こうやせい)無(こうやじゃくむ)は、衣服が乱れており、記憶は妺女(もうじょ)に助けられた昨夜に戻る。手当てを受ける中で二人の気持ちは高まり、一夜を共にする。妺女(もうじょ)は優しく朝食を用意し、破れた衣服を丁寧に繕う。その気遣いと優しさに、公冶寂(こうやせい)無(こうやじゃくむ)は心を温められる。妺女(もうじょ)は過去に結婚していたが今は一人身であり、彼の心の拠り所になりたいと打ち明ける。

景京潑寒節の危機

魔神(ましん)の影から解放され、景京潑寒節の賑わいを満喫する滄九旻(そうきゅうみん)と黎蘇蘇(りすす)。しかし、祭りの喧騒の中に危機が潜んでいた。人混みで離れ離れになった二人は、魔族の将領である姒嬰(じえい)と驚滅(きょうめつ)に遭遇する。姒嬰(じえい)は黎蘇蘇(りすす)の安危を盾に、滄九旻(そうきゅうみん)を魔族に連れ戻そうとするが、彼はそれを拒否し、自身の計画を提案する。しかし、赤霄族の少主の突然の出現が事態を混乱に陥れる。彼は滄九旻(そうきゅうみん)と魔族の会合を暴露し、仙門と魔族の緊張を高めた。

犠牲と誤解

姒嬰(じえい)と驚滅(きょうめつ)の策略により、赤霄族の少主は命を落とす。無辜の民を守るため、滄九旻(そうきゅうみん)は屠神弩を使用するが、誤解により無差別殺人とみなされてしまう。黎蘇蘇(りすす)は駆け付け、渾身の力を振り絞って滄九旻を救うが、自身は力尽きて倒れてしまう。衝撃的なことに、黎蘇蘇(りすす)は邪骨を滄九旻の体内に封印し、大きな犠牲を払っていた。

審判と分裂

衡陽宗に戻った滄九旻は、魔族と通じていると疑われ、審判を受ける。弟子たちの非難に、滄九旻は潔白を主張し、師匠である兆悠(ちょうゆう)も彼を擁護する。しかし、赤霄族の掌門は息子の死の悲しみから冷静さを失い、滄九旻と魔族の会話の証拠を提示し、仙門内部の信頼を揺るがす。さらに、諦冕(ていべん)の出現が事態を悪化させる。彼は滄九旻の魔胎の正体と屠神弩の存在を公表し、さらなる恐怖を煽る。

運命への抗い

諦冕(ていべん)は宿命論を盾に、滄九旻は最終的に師を殺して魔神(ましん)になると主張する。しかし、滄九旻は困難な運命であっても、自らの人生を選ぶ意誌を表明し、魔神(ましん)の操り人形になることを拒否する。彼の抵抗は仙門内部を分裂させる。彼を信じる者と、恐怖と怒りに囚われた者たちに分かれた。最終的に、滄九旻は降魔柱に撃たれ、罰の力が爆発する。衡陽宗は殺気に包まれ、滄九旻の運命は風前の灯火となる。

第34話の感想

第34話は、衝撃的な展開が続く緊迫感のある回でした。滄九旻の過去が明らかになり、黎蘇蘇(りすす)の自己犠牲に心を打たれました。また、公冶寂(こうやせい)無(こうやじゃくむ)と妺女(もうじょ)の恋模様もほっとするポイントでした。

特に印象に残ったのは、滄九旻が魔神(ましん)となる運命に抗う場面です。彼は宿命論を否定し、自らの意誌で生きることを決意します。この強い意誌は、見ている側にも勇気を与えてくれるものでした。

つづく