長月輝伝~愛と救世の輪廻~ 第9話 あらすじ/ネタバレ

運命のいたずらで墨河の淵に落ちてしまった葉夕霧(ようせきむ)は、絶望の淵に立たされたその時、数万年前の魔女が仙髄を注ぎ込んで作り出した、不吉な呪いを秘めた上古の神玉である傾世の玉によって救い出される。

一方、月影衛内部では副統領の漆双(しつ そう)が少主である澹台燼(たんたいじん)を裏切り、澹台明朗(たんたい めいろう)に寝返るという事件が発生する。しかし、澹台明朗(たんたい めいろう)は漆双(しつ そう)を裏切り者として見なし、容赦なく妖物の餌食としてしまう。この暴挙を目の当たりにした忠実な廿白羽(にじゅう・はくう)は、無辜の舞姫を救い出し、澹台燼(たんたいじん)に忠誠を誓う。

墨河から脱出した葉夕霧(ようせきむ)は、ただ一つの思いを抱いていた。それは、澹台燼(たんたいじん)が魔の道に進むのを阻止することだ。彼女は家族に手紙を残し、景国への旅に出る。その途中、重傷を負って昏倒している澹台燼(たんたいじん)を発見し、命を懸けて救い出す。澹台燼(たんたいじん)の境遇を知った葉夕霧(ようせきむ)は、怒りと悲しみに包まれる。特に、彼が育ての親である荊蘭安(らんあん)を殺したことを知った時は、心は張り裂けそうだった。

しかし、葉夕霧(ようせきむ)はすぐに、荊蘭安(らんあん)の裏切りが表面的なものとは違うことに気づく。彼女は自分を逃がすことで、澹台燼(たんたいじん)を陥れようとしていたのだ。澹台燼(たんたいじん)を守るため、葉夕霧(ようせきむ)は彼を盛国に連れ戻し、妖丹の誘惑から守ることを決意する。しかし、束の間の安息は長くは続かなかった。澹台明朗(たんたい めいろう)の追撃が迫り、澹台燼(たんたいじん)は再び毒に冒されてしまう。二人は生死をかけた逃亡劇を繰り広げる。

激しい追跡の中、葉夕霧(ようせきむ)は澹台燼(たんたいじん)を庇い、追っ手を引きつける。一方、澹台燼(たんたいじん)は血鴉の術で仮撃し、蕭凛(しょうりん)の助けを得て辛くも逃亡に成功する。葉夕霧は自身の安全を顧みず、澹台燼(たんたいじん)のために解毒草を採取し、その深い愛情は感動的だ。

逃亡の途中、澹台燼(たんたいじん)は葉夕霧が落とした傾世の玉を発見し、その由来と呪いを知る。彼は力を得るために、この玉を飲み込むことを決意する。葉夕霧は必死に阻止しようとするが、失敗に終わる。傾世の玉を飲み込んだ澹台燼は力を増すものの、より深い危険に陥ってしまう。彼を救うため、葉夕霧はあらゆる手段を尽くし、自分の目を犠牲にしてでも傾世の玉を取り除こうとする。その深い愛情は、見る者の心を揺さぶる。

最終的に、月影衛の追跡により、葉夕霧は澹台燼を彼らに託し、邪骨の呪いを解く方法を探すため、荒淵への孤独な旅に出る。この道は未知数で危険に満ちているが、葉夕霧の心にはただ一つの信念がある。それは、どんな犠牲を払っても、澹台燼を呪いから解放し、彼に新しい人生を与えたいということだ。

第9話感想

第9話は、葉夕霧と澹台燼の愛と運命が大きく動き出す重要なエピソードでした。葉夕霧は墨河の淵に落ちて絶体絶命の危機に陥るものの、傾世の玉によって救われます。しかし、傾世の玉には不吉な呪いが秘められており、その後の展開に大きな影響を与えます。

一方、月影衛内部では副統領の漆双(しつ そう)が裏切り、少主の澹台燼を窮地に追い込みます。澹台明朗(たんたい めいろう)の冷酷さと、廿白羽(にじゅう・はくう)の忠誠心が対照的に描かれ、物語に緊張感を与えています。

葉夕霧は澹台燼を救うために奔走し、彼の過去や苦悩を知って心を痛めます。二人は次第に惹かれ合い、強い絆で結ばれていきます。しかし、傾世の玉の呪いが二人の前に立ちはだかり、葉夕霧は大きな決断を迫られます。

つづく