将夜 戦乱の帝国

ストーリー

永夜の到来と人類の滅亡が予言される世界。冤罪を晴らすため、若き兵士・寧缺(ねい・けつ)は侍女の桑桑(そうそう)と共に都へと向かう。たゆまぬ努力の末、最高学府である書院(しょいん)に入学し、指導者・夫子(ふうし)の直弟子となる。国と民を守る重責を担い、遂に家族の冤罪を晴らすことに成功する寧缺(ねい・けつ)。

しかし、桑桑(そうそう)の奇病を治すため奔走する中で、彼女が永夜をもたらす存在であることが発覚。二人は追われる身となり、逃亡の果てに、人々が崇める昊天こそが永夜を操る黒幕であり、桑桑(そうそう)の過酷な運命を仕組んだ張本人であることを知る。

昊天の扇動により、世界を巻き込む大戦が勃発。国難に際し、寧缺(ねい・けつ)は書院(しょいん)の仲間、そして民衆と共に侵略者へ立ち向かう。昊天に操られた桑桑(そうそう)は、永夜の劫火を解き放つが、寧缺(ねい・けつ)は死闘の末に昊天を倒し、桑桑(そうそう)を取り戻す。永夜は消え去り、世界に平和が訪れ、寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)はついに幸せを掴む。

『将夜』の世界観を知るための3つのキーワード

昊天(こうてん)

「昊天」とは、この作品内世界の人々の信仰の対象となっている“守護神”のこと。 また、この“守護神”を信仰する人々の住む世界自体も「昊天」と呼ぶ。 作品内の国・西陵(せいりょう)にある西陵(せいりょう)神殿では、天象観察などにより昊天のお告げを聞き、 それを世界の民に広めることで、昊天の意思に基づいた世界を司っている。 また、昊天による導きや、導かれた先の未来のことを「光明」と呼び、 燕国第二王子の隆慶は、昊天世界の次世代を担う存在「光の子」として称えられている。

冥王(めいおう) と 永夜(えいや)

昊天世界では、昊天と相対する存在として「冥王」がいる。

冥王を信じる一派は「魔宗」と呼ばれており、魔宗の者は昊天世界への侵入は許されず、昊天世界の北側・荒原へと追いやられている。

冥王は1000年に一度「冥王の子」を降臨させ「永夜」を引き起こす。

永夜が訪れると、空は闇に覆われ、大地は凍り、人々は死に絶える。

昊天世界の人々の中には、永夜を伝説だと捉え、信じない者も多くいるが、 昊天世界の各宗派は修行者を遣わし、冥王の足跡を探させた。

本作の舞台から15年前、光明大神官(だいしんかん)の衛光明(えい・こうめい)は冥王の子の降臨を察知し、 降臨したと目される唐国の林将軍府を、夏侯(か・こう)将軍に襲わせた。

その生き残りが本作の主人公・寧缺(ねい・けつ)であり、この襲撃事件が夏侯(か・こう)との因縁の始まりである。 しかし、冥王の子を葬ることができなかった現在、

幽閉された衛光明(えい・こうめい)は、牢の中で永夜の訪れを探り続けている。

本編に注釈が出てくる用語を中心に五十音順にまとめました。

暗侍衛(あんじえい)・・・隠密に任務を行う侍衛

羽林軍(うりんぐん)・・・王宮を警護する軍。

気海雪山(きかいせつざん)・・・体内の気が集まる場所。

驍騎営(ぎょうきえい)・・・驍騎将軍が率いる騎兵隊の営所。

御史台(ぎょしだい)・・・役人の監察・弾劾を行う役所。

校尉(こうい)・・・軍の将校。

後山(こうさん)・・・二層楼

荒人(こうじん)・・・魔宗を信仰する部族。

昊天神輝(こうてんしんき) ・・・昊天の発する光。

光明殿(こうめいでん)・・・三司の1つ。昊天の世を司る。

国子監(こくしかん)・・・国の最高教育文化機関。

御書房(ごしょぼう) ・・・君主の図書室。

裁決司(さいけつし)・・・三司の1つ。暗殺や諜報活動を行う。

簪花小楷(さんかしょうかい)・・・女性的で流麗な書体

三部(さんし)・・・光明堂、天宇院、審理部。

書院(しょいん)・・・都にある最高学府。

掌教(しょうきょう)・・・西陵(せいりょう)神殿の長。

尚書右丞(しょうしょうじょう) ・・・尚書省の官吏である左右丞相の1人。大臣に相当。

単手(ぜんう)・・・北アジア遊牧国家の初期の君主の称号。

大学士(だいがくし)・・・宮中の学問所に勤務する者の官名

太上感応篇(たいじょうかんのうへん) ・・・道教の経典。

中司侍郎(ちゅうしじろう) ・・・尚書省の官吏で、左右丞相に次ぐ次官。

天下三痢(てんかさんち)・・・道・花・書を究めた3人のこと。道痴、花痴(かきち)、書痴。

天擎宗(てんけいしゅう)・・・月輪国が信仰する宗派。

天諭院(てんゆいん)・・・三司の1つ。神の言葉を民に告げる。

都尉(とい)・・・地方軍事長官。

洞玄上境(どうげんじょうきょう)・・・第一段階の境界の1つ。

洞玄巔峰(どうげんてんほう) ・・・第一段階の境界の1つ。

都護(とご)・・・軍を指揮し、辺境を守護する役人。

万古長灯(ばんこちょうとう)・・・光明殿(こうめいでん)を守る灯火。

夫子(ふうし)・・・書院(しょいん)の院長。

魔宗(まそう)・・・冥王を信じる一派。

『将夜 戦乱の帝国』の続編となる『~冥王の子』

各話あらすじ(全60話)

  • 56 - 60
  • 51 - 55
  • 46 - 50
  • 41 - 45
  • 36 - 40
  • 31 - 35
  • 26 - 30
  • 21 - 25
  • 16 - 20
  • 11 - 15
  • 6 - 10
  • 1 - 5

60話(最終回)

第六十話では、思過崖にて夫子(ふうし)が李慢慢に寧缺(ねい・けつ)の過去を語った。桑桑(そうそう)との関係や、寧缺の勇敢な行いも含まれていた。夫子は七念と葉青の妨害から寧缺を守るため、密かに李慢慢を派遣することにした。夜、葉青は寧缺の暗殺を企てるが、葉紅魚(よう・こうぎょ)に阻まれ、さらに李慢慢が介入。雁鳴山での葉青との対決を経て、事態は収拾された。翌日、李慢慢は葉青との戦いに勝利し、その実力を証明した。

続いて、雁鳴湖畔で、寧缺と夏侯(か・こう)の激戦が始まった。夏侯は明光鎧を身に纏っていたが、寧缺は元十三箭と神符陣法を用いて彼を封じ込め、最後は浩然剣と柳白の大河剣意で深手を負わせた。夏侯の反撃の際、桑桑(そうそう)が戦場に飛び込み、寧缺の潜在能力を呼び覚まし、勝利へと導いた。夏侯は死の間際、道連れにしようと試みるも、西陵(せいりょう)掌教(しょうきょう)の策略によって命を落とした。夏侯の死は夏天(か・てん)に深い悲しみをもたらし、一方、李漁と李琿圓は祝杯を挙げ、今後の計画を練った。寧缺は亡くなった桑桑を抱きしめ、深い悲しみに暮れる中、隆慶は寧缺への復讐を誓った。

59話

第五十九話は、早朝に於ける夏侯(か・こう)の振る舞いから始まります。林光遠将軍の冤罪を頑なに認めず、唐王と激しい言い争いを繰り広げた後、憤然と退出する夏侯の姿が描かれています。

林光遠の汚名を晴らすべく、寧缺(ねい・けつ)は夏侯に決闘を申し入れます。生死を賭けた真剣勝負の申し出に、場は騒然となります。その後、唐王は夏侯と李沛言を庶民に落とす勅命を出し、林光遠をはじめとする人々の名誉回復を宣言します。

この機に寧缺は自らの出生の秘密を明かします。自らが林光遠の実子ではなく、将軍府の門番の息子であったこと、そして親友である卓爾(たくじ)の悲劇を語り、居合わせた人々の同情を集めます。

一方、李青山は寧缺に対し、陣眼杵の引き渡しを要求します。李漁は寧缺の身を案じ、今後の動向を気にかけます。

そんな中、葉紅魚(よう・こうぎょ)は寧缺の武芸の向上に力を貸します。そして寧缺は桑桑(そうそう)のために金釵を手作りし、二人の絆の深さが改めて感じられる場面で幕を閉じます。

58話

第五十八話は、隆慶が天書の修練で挫折を味わい、後に聖人の指導の下、高慢な身分と昊天への信仰を捨て、最終的に聖人の全功力を無理やり吸収し、見事重生を果たし知命の境地に達するまでを描いています。

一方、寧缺(ねい・けつ)は桑桑(そうそう)を光明大神官(だいしんかん)の後継者とし、寒症を治療するため、葉紅魚(よう・こうぎょ)に神術の指導を懇願します。葉紅魚はこれに応じ、桑桑(そうそう)に神術を伝授し、桑桑はたちまち神術を習得します。

また、知守観の継承問題をめぐり、葉青と葉紅魚は対立します。葉紅魚は葉青が観主になると確信しています。

最後に、寧缺は夏侯(か・こう)との戦いに備え、桑桑の世話を葉紅魚に頼みます。そして、李沛言は唐王の追及を受け、夏侯と共謀して林光遠一家を殺害したことを認めますが、それは天下蒼生のためだと主張します。

57話

第五十七話は、葉紅魚(よう・こうぎょ)が寧缺(ねい・けつ)に挑戦する場面から始まります。寧缺(ねい・けつ)は辛くも身をかわしましたが、葉紅魚(よう・こうぎょ)の鋭い剣意に押され、倒れそうになるほどでした。焦るあまり葉紅魚(よう・こうぎょ)自身も負傷してしまい、寧缺(ねい・けつ)は彼女に休養を勧めた上で、西陵(せいりょう)を離れた理由を尋ねますが、答えは返ってきませんでした。

その後、夏侯(か・こう)が夏天(か・てん)を訪ね、臘梅を贈ると共に寧缺(ねい・けつ)に挑戦する意思を伝えます。夏天(か・てん)は止めようとしますが、夏侯(か・こう)は聞き入れません。そして夏侯(か・こう)は寧缺(ねい・けつ)に宴への招待状を送ります。葉紅魚(よう・こうぎょ)は寧缺(ねい・けつ)に同行することを決めます。

宴の席で、夏侯(か・こう)は過去の出来事を持ち出し、寧缺を挑発します。怒りに燃える寧缺でしたが、葉紅魚(よう・こうぎょ)が間に入り、事を荒立てずに済みました。

一方、都で道義を説いていた葉青は、冷遇されていました。その後、寧缺と葉紅魚(よう・こうぎょ)に出会い、葉紅魚を破門した身でありながら山を下りたことを責めます。葉紅魚は寧缺に大河剣意を授け、葉青の調査に気を付けるよう忠告します。

寧缺は李慢慢に葉青の素性を尋ね、李慢慢は感謝の意を示すためにも葉紅魚に会うよう勧めます。陳皮皮(ちんぴぴ)は、葉青から知守観に戻るよう誘われますが、書院(しょいん)に残ることを選びます。

56話

第五十六話は、陳皮皮(ちんぴぴ)の唐小棠(とう・しょうとう)への深い愛情と、寧缺(ねい・けつ)の多方面にわたる努力を描いています。

寧缺は陳皮皮を寧府の宴に招待し、唐小棠に告白する機会を設けようと考えました。しかし、唐小棠は魔宗の聖女であり、結婚は許されていません。そのため、二人の結婚は叶わぬ夢となってしまいました。

一方、修行を終えた葉青は天下行走となる道を選び、西陵(せいりょう)の注目を集めます。また、破門された葉紅魚(よう・こうぎょ)は寧府を訪れ、寧缺に保護を求めます。寧缺は当初拒否しますが、夫子(ふうし)の助言を受け入れ、最終的に彼女を受け入れることにしました。

林光遠の一件に疑念を抱く夏侯(か・こう)は都に戻り、寧缺への対抗策を練り始めます。寧府で葉紅魚と出会った陳皮皮は、幼い頃の思い出を懐かしみ、唐小棠を探し続ける決意を新たにします。

李慢慢は夫子の意向を伝え、唐王に林光遠の冤罪を晴らすよう進言します。これは、寧缺と夏侯の対立を緩和するための策でした。

55話

第五十五話は、寧缺(ねい・けつ)が夏侯(か・こう)との決戦に向けて万全の準備を整える様子を描いています。雁鳴湖に爆弾や陣法を仕掛け、桑桑(そうそう)からも力強い支えを得ます。一方、隆慶は聖人の導きのもと、通天丸の精製を試みますが、幾度となく失敗。ついには自らの心臓の血を用いるも、成功には至りません。夏侯は偽の通天丸を服用したことで反噬を受け、掌教(しょうきょう)に寧缺との戦いを強要されます。また、李漁が寧府を訪れ、夏天(か・てん)的擁立への協力を寧缺に持ち掛けますが、断られてしまいます。許世(きょせい)は寧缺に夏侯との決戦を避けるよう忠告しますが、寧缺の決意は揺るぎません。最後に、知守観で十五年の修行を経て生死の境地を悟った葉青は、観を出て世を巡ることを決意します。

54話

第五十四話は、寧缺(ねい・けつ)が皇宮の外で夏天(か・てん)に偶然出会う場面から始まります。夏侯(か・こう)が彼女の兄だと知った寧缺は、夏侯との確執を明らかにしますが、夏天と李漁の家庭の問題に巻き込まれることを拒否します。

夜になり、寧缺は雨の中朱雀(すざく)大通りへ向かい、朱雀を発動させて驚神陣を掌握し、都を守ると誓います。一方、掌教(しょうきょう)は夏侯を利用して寧缺を排除しようと企み、隆慶は力を回復するために修行に励みます。

桑桑(そうそう)は寧缺の書を売って資金を集め、雁鳴湖の購入を支援します。光明殿(こうめいでん)からの脱出を試みた葉紅魚(よう・こうぎょ)は、失敗し羅克敵と衝突、羅克敵に怪我を負わせます。隆慶は修行の途中、囚われた聖人に遭遇し、厳しく叱責されます。

そして最後に、寧缺は雁鳴湖の購入に成功し、夏侯との対決に備えます。

53話

第五十三話は、主要人物たちの運命の転換点を鮮やかに描いています。

程立雪(てい・りゅうせつ)の説得により、夏侯(か・こう)は通天丸を服用。絶世の修為を手に入れるも、その代償として命を落とすこととなりました。

一方、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は寡婦と共に漁村を離れ、新たな人生を歩み始めます。

隆慶は義成(ぎせい)師叔に連れられ知守観へ。天書を前に、全ての人間を超えることを誓い、特に寧缺(ねい・けつ)を殺すと宣言します。

寧缺は曾家に桑桑(そうそう)への求婚を申し入れますが、桑桑(そうそう)には他に重要な用事があり、今は応じられないと断られてしまいます。

夏侯は老境に至り破鏡、この世で最強の存在となります。唐王の遣わした使者、唐と戦い、深手を負わせます。

葉紅魚(よう・こうぎょ)は柳白の手紙を発見し、彼の生涯をかけて築き上げた大河剣の秘密を知ることになります。

李漁は寧缺の支持を得ようと奔走しますが、思うような成果は得られません。

そして、唐王は寧缺を驚神陣の守護者に任命します。大きな重圧を感じながらも、寧缺はこの大役を引き受けるのでした。

52話

第五十二話は、陳某(ちんぼう)が隆慶を南海深く連れて行き、執着を捨てるよう諭す場面から始まります。しかし、隆慶は光明は消えぬと信じ、知守観へと向かいます。

一方、寧缺(ねい・けつ)は書院(しょいん)に戻り、正式に夫子(ふうし)を師と仰ぎ、黒い院服を選びます。夫子は「書院不器意」の意味を説き、永夜と冥王の息子の伝説を語り、寧缺の疑念を払拭し、思過崖での反省を続けさせます。

桑桑(そうそう)は光明大神官(だいしんかん)の位を継ぐことを望まず、寧缺は彼女の決断を尊重し、三年後に西陵(せいりょう)へ戻る約束をします。

柳白は真相を突き止め、西陵裁決司(さいけつし)と決別し、無形の剣を鍛え、葉紅魚(よう・こうぎょ)に贈ります。

漁村で傷を癒していた朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は、四爺の悪行を暴き、地に叩き伏せます。掌教(しょうきょう)は夫子と唐国の民への復讐を誓います。

51話

第五十一話では、陳皮皮(ちんぴぴ)が思過崖を訪れ寧缺(ねい・けつ)の様子を見舞う場面が描かれています。陳皮皮は魔宗の聖女、唐小棠(とう・しょうとう)に好意を抱いていることを打ち明け、寧缺から励まされます。一方、柳亦青は寧缺に挑戦するも敗北し、恥辱を感じていました。余簾は唐小棠を弟子に取ることを決意し、厳しい試練を経て、唐小棠は正式に余簾の弟子となります。

思過崖での寧缺と桑桑(そうそう)の生活は穏やかで心温まるものでしたが、桑桑(そうそう)が西陵(せいりょう)の神殿によって光明大神官(だいしんかん)だと認定されたことで、事態は急変します。寧缺は夫子(ふうし)の禁制を破り、程立雪(てい・りゅうせつ)たちに勇敢に立ち向かい、桑桑を連れ去らせまいと決意を固めます。

そして、柳亦青との決闘において、寧缺は圧倒的な実力を見せつけます。桑桑を守り抜くだけでなく、夫子からも認められるほどの力を見せつけたのでした。

50話

第五十話は、寧缺(ねい・けつ)が夫子(ふうし)によって思過崖に閉じ込められ、桑桑(そうそう)が崖の外で彼を待ち続け、世話を焼く様子を描いています。夫子は寧缺を守るために結界を張りましたが、寧缺はそれを罰だと勘違いし、何度も結界を破ろうと試みますが、失敗に終わります。桑桑(そうそう)は寒さをしのぐため、思過崖の周りを走り、君陌(くんはく)は内功を使って彼女を温めます。隆慶は南海で知守観の観主、陳某(ちんぼう)と出会い、光明を選び直し、救済を得ます。余簾は寧缺のために夫子に嘆願しますが、夫子は玉扳指の由来を説明し、余簾は仕方なく旧書楼に戻ります。君陌は寧缺に反省を促し、浩然気を制御するように諭します。柳亦青は寧缺に挑戦しようとしますが、彼が閉関中だと知り、待つことにします。唐小棠(とう・しょうとう)は書院(しょいん)に寧缺を探しに来ますが、陳皮皮(ちんぴぴ)に断られた後、夫子に会って書院に留まることになります。葉紅魚(よう・こうぎょ)は罰として書物を書き写すことになり、羅克敵は彼女を誘惑しようとしますが、葉紅魚に反撃されます。

49話

第四十九話では、寧缺(ねい・けつ)が傷を負った後、桑桑(そうそう)が全てを投げ打って彼の傍に戻り、献身的に看病する様子が描かれています。二人はかつての温かい日々を取り戻し、唐王は寧缺と桑桑(そうそう)の結婚を賜ることを決めます。一方、莫山山(ばく・さんさん)は都を去り、寧缺に正式に別れを告げます。

道石の母、曲妮(きょくに)は息子の死を寧缺のせいだとし、復讐を誓います。彼女は寧缺が魔に堕ちたと疑い、懸空寺の力を借りて彼を討とうと画策します。夫子(ふうし)は寧缺が道石に勝利した経緯を知り、反省を促すため、思過崖での閉門修行を命じます。桑桑は別れを惜しみながらも、寧缺と共に思過崖へ向かいます。

宝樹大師は寧缺が魔に堕ちたという噂を公にしたくありませんでしたが、曲妮はそれを天下に公表すると脅します。こうして、夫子の監視の下、寧缺は思過崖に入ることになります。洞窟の入り口には禁制が張られ、悟りを開かない限り、出ることはできません。

48話

第四十八話は、書院(しょいん)内で寧缺(ねい・けつ)の恋愛問題をめぐり、騒動が巻き起こる様子を描いています。君陌(くんはく)は桑桑(そうそう)を、李慢慢は莫山山(ばく・さんさん)をそれぞれ支持し、寧缺を板挟みにしますが、最終的には余簾の仲裁により、寧缺自身に決断を委ねることになります。

陳皮皮(ちんぴぴ)の助けを借りて、寧缺は桑桑(そうそう)との過去の思い出を辿り、彼女が自分にとってどれほど大切な存在かを実感します。

そんな中、寧缺は月輪国僧侶、道石からの挑戦を受けます。自身と桑桑を守るため、魔宗の功法を用いて道石を打ち破りますが、同時に深手を負ってしまいます。

陳皮皮に魔道に堕ちたことを告白し、桑桑の面倒を見てくれるよう頼みます。そして、莫山山に別れを告げた後、一人酒に溺れます。そこで偶然夫子(ふうし)に出会い、不遜な言葉を吐いたため、叱責を受けます。

最後に、寧缺が負傷したという知らせを聞いた桑桑は、彼の身を案じます。

47話

第四十七話は、桑桑(そうそう)が寧缺(ねい・けつ)には莫山山(ばく・さんさん)の方がふさわしいと考え、彼のもとを去る場面から始まります。寧缺は桑桑(そうそう)がいなくなったことに気づき、必死に彼女を探し回ります。そして、ついに学士府を見つけ、桑桑を連れ帰るよう頼みます。しかし、桑桑は寧缺の願いを拒絶します。寧缺は説得を試みますが、桑桑の決意は固く、彼は無力感に苛まれながら立ち去るしかありませんでした。寧缺が去った後、桑桑は一人残され、悲しみに暮れながら涙を流します。

一方、老筆斎に戻った寧缺は、深い孤独と喪失感に襲われます。桑桑との思い出が次々と脳裏をよぎり、彼の心を締め付けます。

翌日、寧缺は莫山山を訪ねますが、結局声をかけずに立ち去ります。そして、川のほとりで石に語りかけるように、胸の内にある苦悩を吐露します。そんな中、陳皮皮(ちんぴぴ)は寧缺に、書院(しょいん)内で彼と桑桑、そして莫山山との関係をめぐって様々な噂が飛び交っていることを伝えます。

46話

第四十六話は、寧缺(ねい・けつ)が莫山山(ばく・さんさん)を都の見物に連れて行き、その後、書院(しょいん)の裏山で七師姐の木柚と君陌(くんはく)先生に挨拶をする様子を描いています。都を巡る中で、寧缺と莫山山の仲は徐々に深まっていきます。一方、桑桑(そうそう)は二人の様子を見て寂しさを感じていました。

寧缺は君陌から「浩然気」について問われ、見事な受け答えで認められます。また、観海(かんかい)との武術試合では、魔宗の技を使わず、怪我を負っても秘密を守ることを選び、観海は負けを認めました。

そして、寧缺と莫山山の距離はさらに縮まり、桑桑(そうそう)は複雑な思いを抱くのでした。

45話

第四十五話は、桑桑(そうそう)が曾夫人に生き別れになった娘だと気づかれる場面から始まります。この出来事は都に大きな衝撃を与えただけでなく、桑桑(そうそう)と寧缺(ねい・けつ)の二人の間にも感情の波紋を広げました。

曾夫人は桑桑が自分の娘であると確信し、家に帰るように勧めます。しかし、寧缺とずっと一緒に暮らしてきた桑桑は、その申し出を断ります。

寧缺が莫山山(ばく・さんさん)と共に都に戻ってきたことで、桑桑の心はさらに複雑になります。最終的には寧缺と仲直りしますが、寧缺が浩然気を習得し、莫山山を連れて帰ってきたことで、二人の関係は再び試練を迎えます。

師の埋葬の際、二人は意見の食い違いから口論になり、寧缺が見せた魔宗の功法は桑桑に恐怖感を与え、二人の関係は新たな局面を迎えます。

44話

第四十四話は、大神官(だいしんかん)が寧缺(ねい・けつ)を排除しようと企む陰謀を中心に展開します。大神官は寧缺を冥王の息子と喧伝し、修行者同士の挑戦・決闘を利用して彼を葬ろうと画策します。同時に、衛光明(えい・こうめい)的の血脈が外に流出するのを防ぐため、天諭神座を遣わして桑桑(そうそう)を連れ戻させます。

一方、上官揚羽(じょうかんようう)は桑桑(そうそう)の件に関わり続けることを望まず、病気を装ってこれを回避しようとします。唐王は桑桑が捕らえられたことを知ると、一時的に彼女を西陵(せいりょう)に引き渡すことを決めますが、李漁は寧缺の帰りを待ってから決断するべきだと考えます。

そんな中、陳皮皮(ちんぴぴ)は大牢に侵入して桑桑を救出し、王景略(おう・けいりゃく)との衝突を引き起こします。また、葉紅魚(よう・こうぎょ)は西陵に戻り、掌教(しょうきょう)に任務の失敗を報告し、叱責を受けます。

そして元宵節の夜、李漁は桑桑を宮中の晩餐会に連れて行きます。夫人たちの間で桑桑に関する噂が広まる中、曾夫人は桑桑に対して特別な関心を示します。

43話

第四十三話は、陸晨伽の隆慶への深い想いと、隆慶によるその拒絶を描いています。一方、寧缺(ねい・けつ)は師である顔瑟(がんしつ)大師の死に深い悲しみに暮れ、林零との衝突の末、彼女を殺めてしまいます。燕国に渡った隆慶は苦境に立たされ、丐幫にいじめられますが、最後は実力で彼らの尊敬を勝ち取ります。寧缺は魔宗の功法を使ったことで内心葛藤し、同時に桑桑(そうそう)は軍部に連行され尋問を受けます。そんな中、莫山山(ばく・さんさん)からの心遣いと支えが寧缺の力となります。物語全体は、復讐、複雑に絡み合う感情、そして内なる矛盾という葛藤を中心に展開していきます。

42話

第四十二話は、幾人もの運命が複雑に絡み合う物語です。

永夜の謎を解き明かすため、夫子(ふうし)は屠夫を訪ねますが、屠夫はそれを避けようとします。一方、寧缺(ねい・けつ)は夏侯(か・こう)が魔宗の伝人であることを知り、復讐を決意。李慢慢に教えを請いますが、李慢慢は夏侯に直接向き合うよう助言します。

荒野を彷徨う隆慶は、荒人(こうじん)に助けられますが、プライドを傷つけられたと感じ、恩人を殺そうとします。結果、追放された隆慶は陸晨伽と偶然出会います。しかし、彼女の献身的な愛情にも心を動かすことなく、婚約を破棄してしまいます。

寧缺と莫山山(ばく・さんさん)は土陽城へ向かう道中、互いの想いを深め合います。李慢慢は二人に夫婦となることを提案しますが、誤解が解けた後、莫山山を義妹として迎えます。

夏侯は寧缺たちをもてなす宴を設け、自らの過去を語り、責任を負い隠遁する意思を示します。しかし、李慢慢はもはや手遅れだと考えます。

崇明(すうめい)は隆慶の消息を知り、復讐を誓います。自暴自棄になった隆慶に対し、陸晨伽は寄り添い続けますが、隆慶は深い絶望の淵に沈んでいます。

41話

第四十一話では、顔瑟(がんしつ)と衛光明(えい・こうめい)が一枚の大符によって昇仙を果たし、桑桑(そうそう)は深い悲しみに暮れる様子が描かれました。一方、寧缺(ねい・けつ)たちは魔宗山門からの脱出路を探している最中、唐小棠(とう・しょうとう)と遭遇し、彼女と協定を結びます。道中、夏侯(か・こう)の襲撃を受けますが、李慢慢の timely な救援によって難を逃れます。最終的に、寧缺は李慢慢から「明」字巻天書を授かりますが、修行が足りず、その内容を読むことができません。また、李慢慢は夫子(ふうし)が酒徒(しゅと)と酒を酌み交わしている可能性を示唆します。話の終わりには、酒徒が夫子を屠夫の元へ連れて行く場面が描かれました。

40話

第四十話では、桑桑(そうそう)が衛光明(えい・こうめい)に弟子入りしたという知らせに、陳皮皮(ちんぴぴ)は不安を覚えます。彼は衛光明の正体を暴こうとしますが、衛光明に阻まれます。その時、唐突に顔瑟(がんしつ)大師が老筆斎を訪れ、衛光明と対峙します。そして、中断されていた二人の碁の対局が再開されます。しかし、その碁は内力の比べ合いへと発展し、老筆斎は激しく揺れ動きます。

顔瑟と衛光明は一日中対峙し、顔瑟は衛光明の良心を呼び覚まそうと試みます。しかし、衛光明は冥王の子供を見つけ出すという目的を諦めず、翌日決闘することを約束します。桑桑(そうそう)は、寧缺(ねい・けつ)が早く帰ってきてこの争いを止めてくれることを願います。

翌日、大雪が降りしきる中、衛光明は老筆斎を整理し、桑桑に銀子と陶製の甕を残して、顔瑟と共に決闘の場へ向かいます。決闘では、二人はそれぞれの奥義を繰り広げます。衛光明は元気を雪片に変え、顔瑟は神符を描きます。最後は、衛光明が放った光輝が五色の花火へと変わり、空を明るく照らし、見物人を圧倒します。

39話

第39話は、寧缺(ねい・けつ)と蓮生の激しい戦いを中心に描かれています。寧缺は葉紅魚(よう・こうぎょ)と莫山山(ばく・さんさん)の助けを得て、ついに蓮生を退却させました。一方、荒野の外では桑桑(そうそう)が寧缺を想いながら、衛光明(えい・こうめい)の面倒を見ており、彼女の温かい一面が垣間見えます。

李漁は公主府で李琿圓を教育し、桑桑(そうそう)に謝罪しました。桑桑は寛大な心で彼を許します。そして、顔瑟(がんしつ)は寧缺を守る決意をし、自ら衛光明と対峙することを決めます。李青山は李明池に衛光明の捕縛を命じますが失敗に終わり、顔瑟は唐王に衛光明的の行方を報告し、決戦の準備を進めます。夫子(ふうし)は顔瑟と衛光明の対決を心配しますが、止める術がありません。

最後に、寧缺、葉紅魚、莫山山は大殿から脱出するための秘密の通路を見つけます。陳皮皮(ちんぴぴ)は衛光明と碁を打ちながら、寧缺への敬意を表しました。

38話

第三十八話は、寧缺(ねい・けつ)と莫山山(ばく・さんさん)が大明湖(だいめいこ)畔で魔宗の山門が開くのを待っている場面から始まります。莫山山は隆慶を射傷した寧缺が報復されるのではないかと心配しますが、寧缺は桑桑(そうそう)に危害が及ぶようなことは決してないと断言します。一方、衛光明(えい・こうめい)は桑桑(そうそう)に神術を教え、桑桑は目覚ましい進歩を見せていました。

そんな中、葉紅魚(よう・こうぎょ)が寧缺と莫山山を追跡し、三つ巴の激戦が繰り広げられます。莫山山は「焚天符」を用いて葉紅魚を封じ、寧缺はすかさず反撃に出ます。その際、寧缺が偶然にも魔宗の禁制に触れたことで山門が開き、三人は門の中へと足を踏み入れます。そこは、長い間廃墟と化していた魔宗の旧跡でした。

廃墟を探索する中で、一行は蓮生が仕掛けた饕餮大陣に遭遇します。寧缺は自らの気血を犠牲にして葉紅魚の安全を確保し、その勇敢な行動は蓮生の賞賛を得ます。そしてついに、寧缺は蓮生が宗主を偽り、柯浩然(ここうぜん)を陥れた陰謀を暴きます。三人は力を合わせ、蓮生の企みを阻止することに成功するのでした。

37話

第37話は、寧缺(ねい・けつ)と莫山山(ばく・さんさん)が魔宗山門を探している最中、隆慶の挑戦を受ける場面から始まります。隆慶は寧缺に対し、どちらが先に破鏡の境地に達するかを競うことを提案し、敗者は己の修為を破棄するという賭けを持ちかけます。寧缺は直接の衝突を避けるため、この勝負に乗じて時間を稼ごうとします。

その過程で、寧缺と莫山山は幾度となく危険な目に遭います。例えば、大明湖(だいめいこ)で遭遇した不思議な光や、隆慶の奇襲などが挙げられます。

一方、桑桑(そうそう)と陳皮皮(ちんぴぴ)のやり取りは微笑ましく、彼らの穏やかな日常が描かれています。

最終的に、寧缺は莫山山の助けを得て見事に破鏡を達成し、隆慶を打ち負かします。隆慶は焦るあまり敗北を喫することとなりました。また、桑桑(そうそう)と陳皮皮の賭けも桑桑の勝利で幕を閉じ、彼女の機転の良さが際立ちます。

36話

第36話は、寧缺(ねい・けつ)と莫山山(ばく・さんさん)の距離が縮まっていく様子が描かれています。莫山山は、寧缺が桑桑(そうそう)を気遣う様子を見て嫉妬しますが、最後は二人で天棄山へ向かい、明字巻天書を探す旅に出ることを決めます。旅の途中、寧缺は莫山山を優しく思いやり、莫山山は寧缺への想いを募らせていきます。

一方、桑桑(そうそう)は衛光明(えい・こうめい)的の助けを借りて昊天神輝(こうてんしんき)を感じ取り、衛光明は彼女を光明の子供にすることを決意します。

寧缺と莫山山は荒野で荒人(こうじん)の母子に出会いますが、西陵(せいりょう)裁決司(さいけつし)の執事がその母子を殺害する場面を目撃してしまいます。怒りに燃えた寧缺は、その執事を打ち殺します。また、隆慶と葉紅魚(よう・こうぎょ)は荒野で出会い、激しい言い争いを繰り広げます。

そして、寧缺は莫山山を暖めるために火符を使いますが、その時また桑桑の名前を出してしまい、莫山山の心を複雑な気持ちにさせてしまいます。

35話

第35話は、唐王と三長老(さんちょうろう)の交渉を中心に描かれています。唐王は夏侯(か・こう)と荒人(こうじん)たちの保護を約束しますが、三長老は裏切りに耐えきれず自害してしまいます。李漁は兵を率いて宮中へ救出に向かいますが失敗に終わり、唐王が夏侯を断固として守る姿勢に衝撃を受けます。一方、陸晨伽は寧缺(ねい・けつ)が莫山山(ばく・さんさん)に悪影響を与えているとして責め立て、激しい言い争いになります。負傷した夏侯を唐王は親身に介抱し、同時に荒人と西陵(せいりょう)との和平交渉を進めます。夫子(ふうし)は李慢慢と共に酒徒(しゅと)と屠夫の行方を追います。寧缺は莫山山の決闘を阻止し、羅克敵と曲妮(きょくに)の陰謀を暴き、舒城(じょじょう)の支持を得ます。曲妮は夫子を侮辱した罪で罰せられます。最後に、舒城は寧缺に莫山山との関係を大切にするよう忠告します。

34話

桑桑(そうそう)は寧缺(ねい・けつ)を想いながらも、衛光明(えい・こうめい)に師事し神術を学ぶ決意を固めます。二人は修行を通して深い絆を育んでいきます。

一方、寧缺(ねい・けつ)と莫山山(ばく・さんさん)は馬賊を退治し、重要な兵糧を守り抜きました。帰路の途中、莫山山(ばく・さんさん)は念力の使い過ぎで疲労困憊しますが、寧缺(ねい・けつ)は心配しつつも、行程を急ぎます。

皇宮では、夏天(か・てん)が琥珀(こはく)の安全のために警備を強化しますが、琥珀(こはく)は三長老(さんちょうろう)と遊んでいて迷子になってしまいます。夏天(か・てん)は琥珀(こはく)に三長老(さんちょうろう)に近づかないよう警告し、三長老(さんちょうろう)が琥珀(こはく)に特別な関心を寄せていることに気づきます。

莫山山(ばく・さんさん)は寧缺(ねい・けつ)の書に魅瞭されています。寧缺(ねい・けつ)は焼鶏を差し入れますが、わざと彼女をからかい、二人の間の誤解と面白みを増幅させます。

三長老(さんちょうろう)と李琿圓の衝突において、夏天(か・てん)は自ら仲裁に入り、悲劇の発生を未然に防ぎます。

寧缺(ねい・けつ)と莫山山(ばく・さんさん)は荒人(こうじん)からの和平交渉の知らせに安堵し、互いに戦術を共有します。しかし、陸晨伽の出現が莫山山(ばく・さんさん)との諍いを引き起こし、陸晨伽と隆慶の間の複雑な感情のもつれが明らかになります。

同時に、三長老(さんちょうろう)が唐王に会うため皇宮に乱入し、事態は緊迫化します。

33話

第三十三話は、夏侯(か・こう)が寧缺(ねい・けつ)を荒野で討つよう命じられるも、心に迷いを抱く場面から始まります。一方、荒野を旅する寧缺と莫山山(ばく・さんさん)の一行は、馬賊に襲撃されます。知略と激しい戦闘の末、馬賊を撃退しますが、寧缺はその首領の一人が仇敵である林零だと気付きます。都では、桑桑(そうそう)が衛光明(えい・こうめい)に弟子入りを勧められ、寧缺の帰りを待ってから決断すると返答します。また、李漁は夏天(か・てん)下から脅迫される悪夢にうなされ、恐怖に怯えます。この回は、登場人物たちの複雑な関係性と緊迫感溢れる戦闘シーンが描かれています。

32話

第三十二話は、李明池が夏天(か・てん)と荒人(こうじん)三老の密会を目撃し、その情報を李漁に唐国の国師の地位と引き換えに提供する場面から始まります。李漁は驚きながらも、彼の提案を受け入れました。

一方、墨池苑の野営地では、寧缺(ねい・けつ)が月輪国弟子の挑発を退け、書院(しょいん)の弟子としての立場を明らかにしました。また、衛光明(えい・こうめい)は桑桑(そうそう)のもとを訪れ、一度は拒絶されるも、最終的には宿泊を許されます。

唐王が荒原への援軍派遣を決定したことに、夏天は不満を抱きます。西陵(せいりょう)と書院の会談では、莫山山(ばく・さんさん)がやむなく軍令状に署名し、寧缺が自ら案内役を買って出ました。

荒人三老の野営地では宮女が殺害される事件が発生し、夏侯(か・こう)は林零に寧缺の暗殺を命じます。緊張感はますます高まっていきます。

31話

第三十一話は、寧缺(ねい・けつ)が師のヒントを得ても謎を解き明かせず、荒野での修行を決意する場面から始まる。出発に際し、桑桑(そうそう)は寧缺に護身用の大きな黒い傘を贈り、別れを惜しんで激しく泣く。寧缺は悲しみをこらえ、旅立ちの途につく。

一方、衛光明(えい・こうめい)が唐の都城に足を踏み入れ、顔瑟(がんしつ)や李青山らに警戒心を抱かせるが、彼の行動を止めることは誰にもできない。荒人(こうじん)の三長老(さんちょうろう)は、生き残る道を探るため、唐の皇后である夏天(か・てん)と交渉し、夏天は出来る限りの尽力を約束する。

また、寧缺は旅の途中で偶然、莫山山(ばく・さんさん)と出会い、ちょっとした出来事が起こる。都城では、衛光明が冥王の息子を探し求める中で、桑桑(そうそう)と短い時間だが出会う。

30話

第三十話は、寧缺(ねい・けつ)が荒野へ向かう前の出来事を描いています。出発前に、寧缺は桑桑(そうそう)に老筆斎の世話と李漁公主府からの夕食の招待を受けるように言い残しました。

晩餐の席で、李漁は寧缺に荒野行きを思い留まるよう説得しますが、寧缺の決意は固く、桑桑(そうそう)の面倒を見てくれるよう頼みます。その席で李琿圓が桑桑に無礼な言葉を浴びせますが、寧缺はそれを製止し警告します。桑桑は寧缺の激しい気性を心配し、李漁を娶ることを提案しますが、寧缺はそれを拒否します。

一方、寧缺の書に心酔する莫山山(ばく・さんさん)は、彼に同行して荒野へ行くことを決意し、師である書聖(しょせい)から地図を授かります。

出発を前に、寧缺は顔瑟(がんしつ)大師や師兄師姐、余簾たちから贈り物と励ましの言葉を受け取ります。唐王と夏天(か・てん)の会話では、永夜の伝説への不安と夏侯(か・こう)への複雑な感情が垣間見えます。

こうして、周囲の人々の温かい見送りを受け、寧缺は荒野への旅路へと踏み出しました。

29話

第二十九話は、寧缺(ねいけつ)が符を描く際に誤って書院(しょいん)の秩序を乱し、师兄師姉たちの不満を買ってしまう場面から始まります。その後、寧缺(ねい・けつ)は桑桑(そうそう)と夜語りをする中で、桑桑(そうそう)の病気が発作。寧缺は彼女を温め、二人の間にはかすかな変化が生まれます。一方、寧缺は小師叔である柯浩然(かこうぜん)の故事から啓発を受け、修行に対する新たな理解を深めます。

朝廷では、唐王は書院の学生たちを燕北荒原(えんほくこうげん)での実修に派遣することを決定します。これは、将来的な脅威に備えるためですが、寧缺が隊長に選ばれたことで、朝廷内には議論が巻き起こります。

さらに、隆慶(りゅうけい)は荒原にて天書を探す命を受け、葉紅魚(ようこうぎょ)は彼を監視するため同行を余儀なくされます。そして寧缺は、彼のために特別に鍛えられた「元十三箭(げんじゅうさんせん)」を受け取り、迫りくる試練に立ち向かう準備を整えるのでした。

28話

第二十八話は、寧缺(ねい・けつ)が顔瑟(がんしつ)大師の指導の下、符術を学ぶ過程を描いています。最初はなかなか上手くいかず挫折も味わいましたが、最終的には自らの手で最初の符を描き上げ、書院(しょいん)の師や生徒たちから認められました。

その過程で、寧缺は魔宗への好奇心から危険な目に遭いますが、陳皮皮(ちんぴぴ)の機転によって事なきを得ます。一方、寧缺の才能に嫉妬心を燃やす葉紅魚(よう・こうぎょ)は、隆慶を利用して寧缺を陥れようと画策します。

また、金祭酒(きんさいしゅ)主催の宴席では、王大学士(だいがくし)からの挑発に対し、寧缺は持ち前の書道の腕前で巧みに切り返し、周囲の賞賛を浴びます。

桑桑(そうそう)は李漁に寧缺の様子を報告し、李漁は寧缺の身を案じます。林零は夏侯(か・こう)に寧缺が夫子(ふうし)の直弟子となったことを伝え、夏侯は寧缺を厳重に監視するよう命じます。

27話

第二十七話は、寧缺(ねい・けつ)が飛剣の修行で直面する様々な困難と挫折を中心に描かれています。思うように操れない木剣、兄弟弟子からの叱責、幾度もの失敗を経ての自己調整… 彼の苦闘が鮮明に映し出されます。

先輩や師の助言を受け、寧缺は自身の欠点に徐々に気づき始め、新たな学びの道を模索し始めます。自分に合った銀器の製作を依頼したり、顔瑟(がんしつ)に符道の教えを請うなど、前向きな姿勢が見て取れます。

修行中の兄弟弟子との交流や、困難に立ち向かう寧缺の不屈の精神も描かれています。顔瑟の温かい指導、そして未来への不安と決意を抱く寧缺の姿は、物語に深みを与えています。

最後に、李明池が公主府に入るなど、他の登場人物たちの動向も簡潔に紹介されています。

26話

第二十六話は、様々な重要な出来事が展開されます。

まず、李青山は唐王と囲碁を打ち、李漁は弟の李琿圓のために嘆願し、その結果、李琿圓は皇子の学友となることができました。

一方、隆慶は衛光明(えい・こうめい)に敗北の原因を尋ねますが、衛光明は幽閉を破り脱出、教主の怒りを買います。夫子(ふうし)は衛光明の脱獄を知り…。

寧缺(ねい・けつ)は符道で行き詰まりを感じていましたが、老書生の言葉に啓発され、修行の意味を改めて考え始めます。李漁の誘いを断った寧缺を、李青山は心配しますが、顔瑟(がんしつ)は寧缺の秘めたる大きな力に気づき、修行を急がせるべきだと考えます。

そして、寧缺は君陌(くんはく)に師事し浩然剣を学びます。たゆまぬ努力の末、ついに池に落ちた木剣を法力で引き戻すことに成功し、飛剣の術を習得することを誓うのでした。

25話

第二十五話では、桑桑(そうそう)、水珠児(すいじゅじ)、そして小草(しょうそう)が、顔瑟(がんしつ)が寧缺(ねい・けつ)の鶏湯帖を模写したものを売って、かなりの額を稼いだ様子が描かれています。桑桑(そうそう)は六対三対一の配分を提案し、水珠児(すいじゅじ)は快諾して原本を返しました。一方、寧缺(ねい・けつ)は顔瑟(がんしつ)の指導の下、符の描き方を学んでいましたが、焦るあまり独学で書物を読み漁り、顔瑟(がんしつ)が桑桑(そうそう)の金儲けを手伝っていることを知ります。

上官揚羽(じょうかんようう)は寧缺(ねい・けつ)誘拐事件の調査を進め、唐王は朝野の混乱を避けるため、林零を釈放する意向を示します。燕王(えんおう)は崇明(すうめい)に対し、復興会の会合を壊したことを咎め、侍衛を殺すよう命じます。崇明(すうめい)は苦悩の末、侍衛を殺害し、李漁のことを忘れるよう命じられます。

隆慶は裁決司(さいけつし)の司座となり、陸晨伽は彼に、自分に属さないものへの執着を捨てるよう忠告します。寧缺(ねい・けつ)は神符の書物を学ぶため夜遅くまで勉強し、桑桑(そうそう)は彼の健康を心配します。李漁は桑桑(そうそう)を義理の妹として迎え、桑桑(そうそう)は驚きと喜びを感じます。書院(しょいん)では、寧缺(ねい・けつ)は师兄たちに絡まれ、疲れ果てていました。顔瑟(がんしつ)は寧缺(ねい・けつ)を連れ出し、符を描く心得を伝授します。李明池は李青山に仕え、李青山は彼に良い将来を用意すると約束します。

24話

第二十四話は、寧缺(ねい・けつ)が無事に書院(しょいん)へ戻った後の出来事を描いています。陳皮皮(ちんぴぴ)は寧缺に書院の後山(こうさん)に住む先輩弟子たちを紹介しました。そこには、陣法に長けた七師姐の木柚、音律に通じた九师兄の北宮未央と十师兄の西門不惑(せいもんふわく)、鍛冶の腕前が素晴らしい六师兄、符文の研究に没頭する四师兄、そして悠々自適な十一师兄がいました。

陳皮皮に連れられて、寧缺は二师兄の君陌(くんはく)に謁見し、夫子(ふうし)自ら作った琥珀(こはく)の腰牌を授かりました。それは、書院と唐国を守るという重大な使命を象徴するものでした。

また、寧缺は唐王にも拝謁しました。そこで、自分の書が世間の評判を呼び、価格が高騰していることを知ります。桑桑(そうそう)は寧缺の作品を守るため、紅袖招の水珠児(すいじゅじ)と巧みに渡り合い、拓本を高値で売りさばきました。彼女の機転の良さが光る場面でした。

23話

第二十三話は、隆慶が唐の都を去る際の屈辱と復讐心、そして寧缺(ねい・けつ)が書院(しょいん)の十三先生となってからの出来事を描いています。

寧缺は桑桑(そうそう)への贈り物として化粧品を買ったところ、複数の集団に尾行され、最終的に謎の勢力に拉致されてしまいます。桑桑(そうそう)は必死に寧缺を探し、残された手がかりを元に彼の居場所を突き止めます。顔瑟(がんしつ)は神符術を用いて寧缺を救出し、拉致犯が衛光明(えい・こうめい)と関係があることを確信します。そして、寧缺は正式に顔瑟に弟子入りし、神符術を学び始めます。

一方、夏侯(か・こう)と李沛言は寧缺の正体に疑念を抱き、行動を開始します。唐王は寧缺の安否についてはさほど心配していませんが、李沛言の野心に対しては警戒心を強めています。

22話

第二十二話は、寧缺(ねい・けつ)が書院(しょいん)の二階楼の学生となってからの様々な選択と挑戦を中心に描かれています。顔瑟(がんしつ)と黄鶴(こうかく)は寧缺を弟子にするために激しく言い争いますが、最終的には李沛言の提案で妥協し、寧缺は夫子(ふうし)の直弟子となりつつ、顔瑟から符術を学ぶことになります。君陌(くんはく)の支援もあり、寧缺は正式に二階楼の学生となり、同時に顔瑟の誘いを受け、昊天道南門で修行を始める準備をします。また、隆慶に勝利したことで書院の学生たちから尊敬を集める寧缺ですが、内心では林将軍の仇討ちという強い思いを抱えています。唐王は寧缺を呼び出し、大きな期待を寄せ、国の棟梁となることを願います。李漁は寧缺の活躍に満足し、弟の李琿圓の指導を寧缺に依頼します。

21話

第二十一話は、顔瑟(がんしつ)と李青山が寧缺(ねい・けつ)の書道の才能を高く評価し、昊天道南門への入門を決める場面から始まります。寧缺は血を墨に代えて字を刻むという方法で、心理的な障壁を乗り越え、心の扉を開きます。

その後、寧缺と隆慶は山頂で夫子(ふうし)の試練を受けます。寧缺は光を選び、桑桑(そうそう)との約束を守り抜くことで試練を乗り越えます。一方、隆慶は極端な選択をしたために脱落してしまいます。

寧缺の勝利は書院(しょいん)の師生から賞賛を集めますが、同時に一部の人々からは疑問の声も上がります。顔瑟と李青山は唐王に寧缺を推薦し、彼を最高の神符師に育て上げることを願います。

20話

第20話は、隆慶が書院(しょいん)の試験に挑戦する物語です。崇明(すうめい)と別れ、隆慶は己の運命を左右する試験へと毅然と臨みます。寧缺(ねい・けつ)は不安から桑桑(そうそう)を連れ逃亡を図りますが、余簾の激励を受け、戦う決意を固めます。

試験が始まり、受験者たちは目標の樹を目指して進みます。隆慶が先頭を走り、寧缺は幾多の困難を乗り越え、懸命に追いかけます。その道中、寧缺は四先生範悦の仕掛けた試練を突破し、桑桑(そうそう)もまた様々な冒険を経験します。

試験が進むにつれ、寧缺と隆慶はそれぞれ異なる試練に直面します。隆慶はついに心の試練となる十二の階段に辿り著き、「君子争わず」の真理を悟ります。一方、寧缺の身の上は注目を集め始め、顔瑟(がんしつ)は彼を弟子に取ろうとします。このことから、更なる秘密が明らかになることを予感させます。

19話

第十九話は、寧缺(ねい・けつ)と隆慶の緊迫した対峙を中心に描かれています。

宴席で、桑桑(そうそう)が酒を飲んで並外れた酒量を見せたことから、李漁が桑桑(そうそう)と隆慶に酒比べを提案し、隆慶の displeasure を買います。その後、寧缺は桑桑を守るため、隆慶と激しい口論になり、意地悪な質問で隆慶を試す場面も。結果、寧缺は周囲の賞賛を集めます。隆慶は寧缺に桑桑を守りきれないと脅しますが、寧缺は桑桑が自分の侍女であり、決して侮辱されることはないと断言します。李漁は寧缺を支持し、隆慶に立ち向かい、書院(しょいん)二層楼への昇格を目指すよう励まします。

一方、崇明(すうめい)と隆慶の会話は、二人の複雑な関係性と、将来への異なる展望を明らかにします。書院の試験に向けて準備を進める寧缺は、大きなプレッシャーを感じながらも、桑桑の励ましと支えによって、全力を尽くす決意を固めます。

また、李漁が李琿圓を気遣う様子や、華山岳(かざんがく)による李琿圓への厳しい訓練は、軍営の過酷な環境を映し出しています。

18話

第十八話は、李沛言が李漁と李琿圓のために唐王に嘆願し、唐王が李琿圓を軍隊で鍛錬させることに同意する場面から始まります。陳皮皮(ちんぴぴ)は寧缺(ねい・けつ)に二層楼の試験を受けて夫子(ふうし)の直弟子になるよう要求し、寧缺は懸念を抱きながらも陳皮皮の強い勧めを受けて受験を決意します。君陌(くんはく)の剣術を目の当たりにした寧缺は、深い感銘を受けます。唐の都に到着した隆慶皇子は熱烈な歓迎を受け、桑桑(そうそう)は特別に化粧をして出迎え、寧缺はそれに不満を感じます。軍営に入った李琿圓は、傲慢な態度のために華山岳(かざんがく)から厳しい叱責を受け、過酷な訓練にさらされます。林零は密かに都に潜入し、上官揚羽(じょうかんようう)に陳子賢(ちんしけん)らを殺害した真相を暴露するように迫ります。書院(しょいん)は二層楼の試験を受ける学生のために宴席を設けますが、華山岳は書院の学生たちの軽薄さを窘めます。隆慶皇子は李漁の宴席に押しかけ、謝承運(しゃしょううん)と勝負し、勝利を収めます。華山岳と隆慶は酒を酌み交わし、桑桑(そうそう)は一人で楽しそうにしています。

17話

第十七話では、夏侯(か・こう)将軍が燕軍の野営地への奇襲に成功し凱旋する様子が描かれています。しかし、副将の林零は唐王からの追及を懸念しています。一方、唐王の宮殿では、謎の文字の主を探すため、書道大会が開催されましたが、該当者を見つけることはできませんでした。李青山はこの人物が武術を修める若者ではないかと推測し、徐崇山(じょすうざん)は寧缺(ねい・けつ)が巻き込まれることを心配します。書院(しょいん)では、寧缺は桑桑(そうそう)が自分の“本命物”であることに気づきますが、彼女を守るため、銀子を代わりに選ぶのでした。李漁は悩みでやつれ、李沛言は夏天(か・てん)的排除に協力することを約束します。李漁は李琿圓を厳しく罰しようとするも失敗し、李琿圓は逃亡します。寧缺は陳皮皮(ちんぴぴ)に“銀子の本命物”を見せますが、嘲笑されてしまいます。燕王(えんおう)は夏侯を問い詰めますが、夏侯は燕王と西陵(せいりょう)の密通を暴露します。書院の君陌(くんはく)は陳皮皮に規則を守るよう忠告し、陳皮皮と寧缺は隆慶の到来について話し合います。唐王は隆慶の来訪に疑問を抱き、李沛言はこれが学生たちのチャンスだと考えます。隆慶の到来は、新たな嵐の始まりを予感させます。

16話

第16話は、主に朝小樹(ちょう・しょうしゅ)が昏睡から目覚め、何者かに命を狙われたことに気付き、背後の陰謀を暴く様子を描いています。 六皇子は毒を盛られ、夏天(か・てん)が解毒に当たりますが、この事件に関与した李漁と李琿圓は罰を受けます。寧缺(ねい・けつ)は思いがけず財産を得ますが、桑桑(そうそう)との間に溝が生じます。また、旧書楼で余簾と陳皮皮(ちんぴぴ)に出会い、修行の指導を受けます。一方、李漁と崇明(すうめい)は燕国の脅威への対処法を話し合い、隆慶を阻止するために手を組むことを決意します。夏侯(か・こう)は燕国から送り込まれた刺客を撃退し、唐王に事の次第を報告することを決めます。

15話

第十五話は、寧缺(ねい・けつ)が桑桑(そうそう)の命を救った傘が無事に残っていることを知り安堵する様子から始まります。彼は陳皮皮(ちんぴぴ)と話し、陳皮皮は寧缺が顔瑟(がんしつ)卿を殺した事実を見抜きますが、寧缺は彼に秘密を守るよう釘を刺します。鉄英(てつ・えい)は顔瑟卿が死ぬ前に寧缺に会っていたことを突き止め、上官揚羽(じょうかんようう)は彼に桑桑(そうそう)を監視するよう命じます。隆慶は陸晨迦に別れを告げ、葉紅魚(よう・こうぎょ)は二人に辛辣な言葉を浴びせます。民間では李漁の強い運気が六皇子の病の原因だと噂され、李琿圓は六皇子を深く恨みます。桑桑は寧缺を家に連れ帰り療養させ、寧缺は傷が癒えた後、念力が大幅に増し、気海雪山(きかいせつざん)を開通したことに気づきます。寧缺と桑桑は魚龍幇(ぎょりゅうほう)の賭場へ行き、能力を試して大金を勝ちます。寧缺は余簾に感謝を伝え、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は柳白に会うために訪ねますが、会えずに柳白に傷つけられます。李琿圓は六皇子に毒を盛り、寧缺と桑桑は魚龍幇に捕らえられます。

14話

第14話は、寧缺(ねい・けつ)が真相究明のため、単身臨湖小築へと赴き、顔粛卿を問い詰める場面から始まります。そこで、顔粛卿が陳子賢(ちんしけん)、張貽琦(ちょう・いき)と共謀し、林将軍を陥れた陰謀を暴き、さらに黒幕が衛光明(えい・こうめい)であることを突き止めます。顔粛卿との激しい戦闘で寧缺は重傷を負いますが、桑桑(そうそう)から贈られた傘を用いた反撃により、辛くも顔粛卿を討ち取ります。その後、復活した朱雀(すざく)の襲撃を受けますが、陳皮皮(ちんぴぴ)から授かった通天丸によって一命を取り留め、蘇生します。一方、隆慶は程立雪(てい・りゅうせつ)に別れを告げ、唐国への留学を決意します。こうした困難な状況の中、寧缺の揺るぎない信念と桑桑(そうそう)の温かい心遣いが、彼を支え続けました。

13話

第十三話は、隆慶が囚われの身となった衛光明(えい・こうめい)を救出しようとするも失敗に終わり、寧缺(ねい・けつ)が紅袖招での生活や顔瑟(がんしつ)、陳皮皮(ちんぴぴ)との交流を通して成長していく様子が描かれています。

燕国に戻った隆慶は、父である燕王(えんおう)にこれまでの出来事を語り、唐国への留学を願い出ます。許可を得た隆慶は、唐国へと旅立ちます。

一方、寧缺は紅袖招で簡大家(かんたいか)の指導を受け、修行の道を模索していました。また、顔瑟や陳皮皮とは手紙を介して修行について意見を交わし、互いに刺激し合います。寧缺は「呉膳煬論浩然剣」を読み解くことで修行の糸口を見つけようとしますが、自身の限界を痛感することになります。陳皮皮は寧缺の才能を認めつつも、魔宗の術に手を出すことへの警告を与えます。

そして、寧缺は顔瑟の兄である顔粛清(がんしゅくせい)と出会います。顔粛清は大修行家としての威厳を漂わせており、寧缺との間に緊張感が走ります。二人の間には、今後何らかの対立が生まれることが予感されます。

12話

第12話は、寧缺(ねい・けつ)の復讐劇を中心に展開します。陳子賢(ちんしけん)との激闘の末、ついに寧缺は彼を刺し殺しますが、陳子賢は息絶える間際に「冥王之子」の情報をもたらします。

一方、隆慶は羅克敵との対決で深手を負いますが、陸晨伽の助けを得て洞玄の境地に達します。李漁の誕生日を祝う宴に遅れて到着した寧缺は、粗末な身なりを理由に早々に退出します。

その後、隆慶と葉紅魚(よう・こうぎょ)は裁決司(さいけつし)の大司座と二司座に任命され、誅殺任務を執行することになります。書院(しょいん)の授業中、寧缺は居眠りをしてしまい、授業が終わると陳皮皮(ちんぴぴ)からの返信を読み解き、その隠された意味を理解しようと努めます。

最後は、書院の仲間たちとの集まりに参加した寧缺が泥酔し、桑桑(そうそう)が家で心配しながら彼の帰りを待つシーンで幕を閉じます。

11話

第十一話は、書院(しょいん)の七先生である余簾が学院の生徒たちを旧書楼へと案内し、その規則や注意事項を説明する場面から始まります。修行が足りない寧缺(ねい・けつ)は、二階の書庫へ入ろうと何度も試みますが、失敗を繰り返し、体は弱っていきます。それでも諦めない彼の粘り強さに余簾は心を動かされ、書庫から持ち出すことはできないものの、筆録することを特別に許可します。

一方、六皇子の病状は一進一退を繰り返し、太医たちも手の施しようがありません。李漁は自ら責任を負うと申し出て、唐王の承認を得ます。

旧書楼で努力を続ける寧缺の姿は、君陌(くんはく)と陳皮皮(ちんぴぴ)の目に留まります。陳皮皮は寧缺の筆録を読み、自身の感悟を書き記します。

過労が祟り、寧缺は倒れてしまいます。桑桑(そうそう)は献身的に彼を看病し、ついに寧缺は目を覚まします。

隆慶と紫墨(しぼく)は、羅克敵の行動を阻止しようと密かに計画を練ります。

李漁は寧缺を自身の誕生日祝いの宴に招待します。寧缺は書院の休暇を利用して、林将軍府の事件を事前に調査し、陳子賢(ちんしけん)に過去の冤罪について問い詰めます。

10話

第十話では、徐崇山(じょすうざん)率いる部隊が復国会のスパイを捕らえる一方、崇明(すうめい)は酒宴で毒を盛って賓客を殺害し、後顧の憂いを断つ様子が描かれました。崇明は唐王に罪を詫び、忠誠を誓いますが、唐王は半信半疑です。李漁は六皇子の書院(しょいん)への入学を唐王に願い出ますが、六皇子の病状は悪化します。羅克敵は光明殿(こうめいでん)の排除を決意し、燕王(えんおう)は崇明の行動の失敗を知り激怒します。隆慶は陸晨伽のために氷封雪蓮を持ち帰りますが、寧缺(ねい・けつ)は科挙に失敗し落胆し、都を離れて渭城へ帰ることを決意します。光明殿の神官が毒殺され、隆慶は濡れ衣を着せられて逃亡しますが、幸いにも葉紅魚(よう・こうぎょ)に助けられます。寧缺は書院に入り、厳しい規則に徐々に適応していきます。授業中、曹知風(そうちふう)は学生たちの騒ぎを厳しく止め、余簾の登場は学生たちから感嘆の声が上がります。

9話

第九集では、寧缺(ねい・けつ)が書院(しょいん)の試験に参加する過程とその際に見せた活躍が描かれています。六皇子のご病気のため、唐王は李漁公主に試験監督を代行させました。寧缺は試験で優れた成績を収めますが、楽科では解答を放棄し、李漁の関心を引きます。試験中、崇明(すうめい)は密かに刺客を送り込み、受験生の一人が命を落とします。寧缺は勇敢にも褚由賢(ちょゆうけん)と李漁を守り、最終的には君陌(くんはく)と共に混乱を鎮めます。事件後、寧缺は君陌に弟子入りを志願しますが、まずは二層楼に登るよう命じられます。李沛言は暗殺事件の徹底捜査を命じ、寧缺は復国会残党の捜索任務を任されます。一方、暗殺は失敗に終わりましたが、崇明は燕国の再興を誓います。こうした一連の出来事は、書院の人々の知恵と勇気を試すだけでなく、寧缺の運命をも静かに変えていくのでした。

8話

第八集では、寧缺(ねい・けつ)が唐国の暗侍衛(あんじえい)となる過程と、その背後にある政治的駆け引きが描かれています。

徐崇山(じょすうざん)は寧缺を試した後、ついに彼を暗侍衛に任命し、秘密裏に情報収集を担わせることにしました。唐王は文武百官の近視眼的な行動に失望し、彼らが朝小樹(ちょう・しょうしゅ)に魚龍幇(ぎょりゅうほう)を明るみに出すよう仕向けたことを非難しました。

朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は知命境に達したことで魚龍幇を離れる決意を固め、唐王は強く反対したものの、最終的には彼の決断を尊重しました。暗侍衛の身分を得た寧缺は、桑桑(そうそう)の温かい気遣いと支えを受けます。

一方、朝小樹は寧缺に別れを告げ、必要な時は必ず助けると約束しました。また、李漁は朝小樹の持つ江湖の勢力を利用して李琿圓の皇位争奪を支援しようとしますが、朝小樹はこれを拒否します。

唐王は李琿圓を書院(しょいん)に入学させ、その政治的地位を高めようと計画します。そして最後に、崇明(すうめい)は亡国の恨みを晴らすため、書院で唐王暗殺を企てるのでした。

7話

第七話では、寧缺(ねい・けつ)と朝小樹(ちょう・しょうしゅ)が協力して追っ手を撃退した後、更に強大な敵である王景略(おう・けいりゃく)に遭遇する様子が描かれています。危機に瀕した朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は元気剣光を召喚し、最終的には顔瑟(がんしつ)の加勢もあり、王景略を捕縛することに成功します。

一方、華山岳(かざんがく)たちは捕らわれていた常思威(じ・ょうしい)らを救出しますが、崔得禄(さい・とくろく)は混乱の中、自害して果てます。唐王は自ら李沛言を問い詰め、朝小樹討伐に軍を動かしたことを糾弾しますが、最後は李沛言を許すのでした。

九死に一生を得た朝小樹。寧缺は、彼の後ろ盾は唐王ではないかと推測します。そして、朝小樹に連れられて皇宮に入った寧缺は、誤って御書房(ごしょぼう)に侵入してしまい、騒動を引き起こします。そこで唐王は、皆の前で自分が魚龍幇(ぎょりゅうほう)の頭領であると宣言し、李沛言を驚愕させます。

そして、隆慶は永夜の到来を予感するのでした。

6話

第六話では、寧缺(ねい・けつ)が紅袖招で踊り女の水珠児(すいじゅじ)と出会い、親友の卓爾(たくじ)の仇を討つことを決意します。張貽琦(ちょう・いき)の部屋に潜入し闇殺を試みますが、逆に張貽琦から林将軍府の冤罪の真相を聞き出します。逃走中の張貽琦は思いがけず命を落とし、寧缺はすぐさまその場を離れます。

張貽琦の死により、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は李沛言から疑いの目を向けられ脅迫を受け、身の保全のために派閥に属することを決めます。一方、華山岳(かざんがく)は李漁に軍部が魚龍幫への取り締まりを計画していることを報告し、李漁はすぐさま救援の手配に著手します。

夜になり、羽林軍(うりんぐん)が朝府を包囲します。朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は寧缺に助けを求め、寧缺は五百両の銀子を報酬にそれを引き受けます。二人は共に春風亭に乗り込み、南城の蒙爺さんと西城の猫叔を打ち負かし、最後は晋南剣閣の指揮使をも倒し、朝府を守り抜きます。

この戦いで寧缺は卓爾の仇を討っただけでなく、朝小樹との友情を深め、江湖での名声も高めていくのでした。

5話

第五話では、唐王の真摯な謝罪に李漁が涙を流し、夏侯(か・こう)の解放を願い出て認められる様子が描かれました。一方、都では寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)が書道店を開き、祝いに駆けつけた朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は寧缺と賭けをします。李琿圓は唐王に叱責され、李漁からも諭されます。解放された夏侯は駐屯地に戻り、李漁は彼のために香囊を縫います。寧缺と桑桑(そうそう)は偶然顔瑟(がんしつ)に出会い、寧缺は字と引き換えに糖葫蘆をもらいます。顔瑟は寧缺に潜在的な弟子としての素質を見出します。情報を伝えるために卓爾(たくじ)が犠牲となり、寧缺はその手がかりを見つけ、卓爾の仇を討つことを誓います。紅袖招まで追跡した寧缺は褚由賢(ちょゆうけん)と知り合い、簡大家(かんたいか)は彼の目的を見抜きますが、咎め立てはしません。寧缺の復讐の道は静かに始まり、前途には多くの困難が待ち受けています。

4話

第四話では、張貽琦(ちょう・いき)が李沛言の後押しを受け、清運司の長官に就任し、勢力拡大を目論むも、魚龍帮との衝突に至る様子が描かれています。一方、都に入った寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)は、卓爾(たくじ)との再会や、夏侯(か・こう)への復讐心を新たにするなど、様々な出来事に遭遇します。同時に、宮廷に戻った李漁と唐王との複雑な感情、そして李琿圓の傲慢な振る舞いも描かれ、これらの出来事が絡み合い、物語が大きく動き出し、登場人物たちの愛憎劇が明らかになっていきます。

3話

第三話は、寧缺(ねい・けつ)と三人の馬賊との遭遇、そして彼と李漁とのやり取りを描いています。李漁は寧缺に対し、自分の身分や過去の秘密、弟への心配、そして将来への不安などを打ち明けました。

同時に、このエピソードでは、夏侯(か・こう)が李漁の闇殺に失敗し、唐王から厳しい罰を受けたこと、そして夏侯と妹の夏天(か・てん)との複雑な関係も描かれています。

また、寧缺は旅の途中で修行者の呂清臣に出会い、自分が修行者にはなれないという事実を知りますが、それでも知識と力を求める夢を諦めません。

さらに、この話では隆慶が魔宗山門を探していること、そして唐国内の政治闘争にも触れられています。

2話

第二話では、寧缺(ねい・けつ)が李漁公主の案内役として選ばれる様子が描かれています。公主は当初、寧缺を気に入らなかったものの、馬将軍から彼の戦績を聞かされ、渋々承諾します。一方、夏侯(か・こう)将軍は皇后に身の安全を守るよう忠告し、国師・李青山も唐王に公主の身に危険が及ぶ可能性を警告します。卓爾(たくじ)は夏侯を追跡中に負傷しますが、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)に助けられます。

寧缺は桑桑(そうそう)と共に都へ向かう道中、夏侯と国師が放った刺客に襲撃されます。呂清臣と協力して刺客を撃退しますが、国師は事態の変化を察知し、唐国に大きな出来事が起こることを予感します。

その頃、陸晨迦は荒原へ向かう隆慶の身を案じていましたが、隆慶の決意は固く、西陵(せいりょう)裁決司(さいけつし)は密かに隆慶の排除を企てます。北山道口にて、公主一行は再び襲撃を受けます。寧缺と呂清臣は奮闘し、敵を撃退することに成功します。

1話

昊天世界を舞台に、千年ごとに冥王の降臨がもたらす「永夜」の災厄、修行者たちの存在、そして四大宗派の勢力図を描いた物語の第一話。渭城で静かに暮らす少年、寧缺(ねい・けつ)に焦点を当て、天啓十五年、単于(ぜんう)の急死により渭城へ逃れてきた公主、李漁との出会いが彼の運命を大きく変える。 守城将軍、馬士襄の進言を受け、寧缺は侍女に扮した李漁と共に岷山を越え、大唐を目指す旅に出ることを決意する。

一方、燕国の皇子、隆慶は昊天神殿での試練を経て、魔宗山門を探すため荒原へと派遣される。 寧缺と桑桑(そうそう)の深い絆、そして未来への期待と不安が入り混じる中で、物語は温かい情感と緊迫感を孕みながら展開していく。

全60話ネタバレ

キャスト、登場人物

将夜 戦乱の帝国

寧缺(ねい・けつ)
陳飛宇(チェン・フェイユー)

将夜 戦乱の帝国

桑桑(そうそう)
宋伊人(ソン・イーレン)

将夜 戦乱の帝国

莫山山(ばく・さんさん)
袁冰妍(ユエン・ビンイェン)

将夜 戦乱の帝国

葉紅魚(よう・こうぎょ)
孟子義(モン・ズーイー)