徐崇山(じょすうざん)率いる捜索隊は迅速な行動で、間もなく数名の復国会スパイを捕らえました。一方、崇明(すうめい)は複雑な心境で毒入りの酒宴を催し、客人は何も知らずに杯を交わし、全員が毒殺されました。崇明(すうめい)の冷酷な行為は、唐国への長年の潜伏が露呈するのを防ぐための苦渋の決断でした。何明池(か・めいち)の説得を受け、崇明(すうめい)は不本意ながらも撤退を余儀なくされます。

徐崇山(じょすうざん)たちは復国会の秘密アジトを発見しますが、既に全員が殺害され、残された崇明(すうめい)の仮面だけが手がかりとなりました。その後、崇明(すうめい)は自ら唐王に謁見し、燕国の残党勢力の監視不足を詫び、復国会との関与を否定し、徹底的な調査を約束しました。唐王は崇明(すうめい)の言葉を半信半疑で受け止め、唐国を操るための道具にされるなと警告しました。崇明は忠誠を誓い、唐王の信頼に応えることを誓いました。

崇明の退室後、李漁は唐王に崇明の救命の恩に感謝し、六皇子李琿圓の書院(しょいん)入学を願い出ました。唐王はこれを許可しますが、直後、六皇子の容態が急変します。同時に、崇明の失敗を知った羅克敵は彼を見限り、光明殿(こうめいでん)を潰し隆慶を追い詰める計画を立てます。

燕王(えんおう)は西陵(せいりょう)の掌教(しょうきょう)、莫離神官から崇明の失敗を聞き激怒します。莫離はこれを機に、西陵(せいりょう)の長年の損失に対する償いを要求します。一方、極北荒原から帰還した隆慶は、陸晨伽に貴重な氷封雪蓮を持ち帰り、深い愛情を示しました。多くの念力を消費しましたが、陸晨伽の笑顔に報われた思いでした。

寧缺(ねい・けつ)は試験の結果に落胆し、桑桑(そうそう)に慰められます。都を離れ渭城に帰りたい寧缺(ねい・けつ)は、榜を見て南晋の謝承運(しゃしょううん)の優秀さと自身の成績に落差を感じます。禇由賢は寧缺(ねい・けつ)との交友を誇示し、紅袖招へ誘います。

光明殿(こうめいでん)の神官が毒殺され、玄易(げんえき)神官は隆慶に西陵(せいりょう)の不可知の地、知守観への避難を命じ、信物を渡します。途中、隆慶は盗聴者を追いますが、逆に紅衣の女に捕らえられます。裁決司(さいけつし)は隆慶を欺師滅祖の罪で陥れ、逃亡した隆慶は桃山(とうざん)で陸晨伽を頼ります。裁決司(さいけつし)の襲撃を受け、二人は応戦しますが、知守観の道痴、葉紅魚(よう・こうぎょ)に救われます。隆慶は葉紅魚(よう・こうぎょ)に羅克敵への協力を求めますが、拒絶されます。

桑桑(そうそう)と共に書院(しょいん)での初日を迎えた寧缺(ねい・けつ)は、李慢慢に傘と引き換えに本を求められますが拒否し、教室へ向かいます。黄教習(こうきょうしゅう)は書院(しょいん)の規則を説明し、曹知風(そうちふう)は最初の授業「礼」を行いました。生徒たちは「礼」について議論し、拳で礼を説く者も現れ騒然となります。曹知風(そうちふう)は厳しくこれを鎮圧し、書院(しょいん)の規則の厳しさを示しました。寧缺(ねい・けつ)も徐々に書院(しょいん)生活に馴染んでいきます。旧書楼の見学では、余簾の美貌と気品に生徒たちは魅瞭されました。

第10話 感想

第10話は、それぞれの思惑が交錯し、緊張感が高まる展開でした。崇明の苦渋の決断、唐王の疑念、隆慶の窮地、そして寧缺(ねい・けつ)の新たな挑戦と、様々な物語が同時進行し、目が離せません。

特に印象的だったのは、崇明の酒宴のシーンです。復国会壊滅の責任を負い、唐国での立場を守るための非情な選択でしたが、その表情には苦悩が滲み出ていました。何明池(か・めいち)との会話からも、彼の心中の葛藤が伝わってきて、複雑な気持ちになりました。

つづく