あらすじ

第十話では、徐崇山じょすうざん率いる部隊が復国会のスパイを捕らえる一方、崇明すうめいは酒宴で毒を盛って賓客を殺害し、後顧の憂いを断つ様子が描かれました。崇明すうめいは唐王に罪を詫び、忠誠を誓いますが、唐王は半信半疑です。李漁り・ぎょは六皇子の書院しょいんへの入学を唐王に願い出ますが、六皇子の病状は悪化します。羅克敵ら・こくてき光明殿こうめいでんの排除を決意し、燕王えんおう崇明すうめいの行動の失敗を知り激怒します。隆慶りゅうけい陸晨伽りくしんかのために氷封雪蓮を持ち帰りますが、寧缺ねい・けつは科挙に失敗し落胆し、都を離れて城へ帰ることを決意します。光明殿こうめいでんの神官が毒殺され、隆慶りゅうけいは濡れ衣を着せられて逃亡しますが、幸いにも葉紅魚よう・こうぎょに助けられます。寧缺ねい・けつ書院しょいんに入り、厳しい規則に徐々に適応していきます。授業中、曹知風そうちふうは学生たちの騒ぎを厳しく止め、余帘よれんの登場は学生たちから感嘆の声が上がります。

ネタバレ

徐崇山じょすうざん率いる捜索隊は迅速な行動で、間もなく数名の復国会スパイを捕らえました。一方、崇明すうめいは複雑な心境で毒入りの酒宴を催し、客人は何も知らずに杯を交わし、全員が毒殺されました。崇明すうめいの冷酷な行為は、とう国への長年の潜伏が露呈するのを防ぐための苦渋の決断でした。何明池か・めいちの説得を受け、崇明すうめいは不本意ながらも撤退を余儀なくされます。

徐崇山じょすうざんたちは復国会の秘密アジトを発見しますが、既に全員が殺害され、残された崇明すうめいの仮面だけが手がかりとなりました。その後、崇明すうめいは自ら唐王に謁見し、燕国の残党勢力の監視不足を詫び、復国会との関与を否定し、徹底的な調査を約束しました。唐王は崇明すうめいの言葉を半信半疑で受け止め、とう国を操るための道具にされるなと警告しました。崇明すうめいは忠誠を誓い、唐王の信頼に応えることを誓いました。

崇明すうめいの退室後、李漁り・ぎょは唐王に崇明すうめいの救命の恩に感謝し、六皇子李琿圓り・こんえん書院しょいん入学を願い出ました。唐王はこれを許可しますが、直後、六皇子の容態が急変します。同時に、崇明すうめいの失敗を知った羅克敵ら・こくてきは彼を見限り、光明殿こうめいでんを潰し隆慶りゅうけいを追い詰める計画を立てます。

燕王えんおう西陵せいりょう掌教しょうきょう莫離ばくり神官から崇明すうめいの失敗を聞き激怒します。莫離ばくりはこれを機に、西陵せいりょうの長年の損失に対する償いを要求します。一方、極北荒原から帰還した隆慶りゅうけいは、陸晨伽りくしんかに貴重な氷封雪蓮を持ち帰り、深い愛情を示しました。多くの念力を消費しましたが、陸晨伽りくしんかの笑顔に報われた思いでした。

寧缺ねい・けつは試験の結果に落胆し、桑桑そうそうに慰められます。都を離れ城に帰りたい寧缺ねい・けつは、榜を見て南晋の謝承運しゃしょううんの優秀さと自身の成績に落差を感じます。褚由賢ちょゆうけん寧缺ねい・けつとの交友を誇示し、紅袖招へ誘います。

光明殿こうめいでんの神官が毒殺され、玄易げんえき神官は隆慶りゅうけい西陵せいりょうの不可知の地、知守観への避難を命じ、信物を渡します。途中、隆慶りゅうけいは盗聴者を追いますが、逆に紅衣の女に捕らえられます。裁決司さいけつし隆慶りゅうけいを欺師滅祖の罪で陥れ、逃亡した隆慶りゅうけい桃山とうざん陸晨伽りくしんかを頼ります。裁決司さいけつしの襲撃を受け、二人は応戦しますが、知守観の道痴、葉紅魚よう・こうぎょに救われます。隆慶りゅうけい葉紅魚よう・こうぎょ羅克敵ら・こくてきへの協力を求めますが、拒絶されます。

桑桑そうそうと共に書院しょいんでの初日を迎えた寧缺ねい・けつは、李慢慢り・まんまんに傘と引き換えに本を求められますが拒否し、教室へ向かいます。黄教習こうきょうしゅう書院しょいんの規則を説明し、曹知風そうちふうは最初の授業「礼」を行いました。生徒たちは「礼」について議論し、拳で礼を説く者も現れ騒然となります。曹知風そうちふうは厳しくこれを鎮圧し、書院しょいんの規則の厳しさを示しました。寧缺ねい・けつも徐々に書院しょいん生活に馴染んでいきます。旧書楼の見学では、余帘よれんの美貌と気品に生徒たちは魅瞭されました。

第10話 感想

第10話は、それぞれの思惑が交錯し、緊張感が高まる展開でした。崇明すうめいの苦渋の決断、唐王の疑念、隆慶りゅうけいの窮地、そして寧缺ねい・けつの新たな挑戦と、様々な物語が同時進行し、目が離せません。

特に印象的だったのは、崇明すうめいの酒宴のシーンです。復国会壊滅の責任を負い、とう国での立場を守るための非情な選択でしたが、その表情には苦悩が滲み出ていました。何明池か・めいちとの会話からも、彼の心中の葛藤が伝わってきて、複雑な気持ちになりました。

つづく