隆慶は怒りを胸に、幽閣へ赴き、光明大神官(だいしんかん)である衛光明(えい・こうめい)に教えを乞う。掌教(しょうきょう)が羅克敵の行為を黙認し、軽い処罰しか与えなかったことに憤慨し、衛光明(えい・こうめい)を救い出し正義を執行する決意を表明する。隆慶は自身の力で牢の扉を破ろうとするが、力及ばず、衛光明(えい・こうめい)からは実力が足りず光明の子と呼ぶに値しないと一喝され、拒絶される。
一方、寧缺(ねい・けつ)は紅袖招で目を覚ます。驚き、水を探し、桑桑(そうそう)に今夜帰らないことと鶏湯を飲むように伝える文を残す。簡大家(かんたいか)は寧缺(ねい・けつ)を呼び出し、書院(しょいん)での勉学に集中し、遊び事、特に青楼のような場所に出入りするべきではないと諭す。寧缺(ねい・けつ)は感謝し、将来成功したら恩を忘れないと誓う。簡大家(かんたいか)は亡き故人への想いを語り、それは夫子(ふうし)以外にもう一人の伝説的存在であることを匂わせるが、多くは語らず、寧缺(ねい・けつ)を家に送り返す。
帰り道、寧缺(ねい・けつ)は水珠児(すいじゅじ)に別れを告げようとするが、邪魔をしないように言われ諦める。水珠児(すいじゅじ)は顔瑟(がんしつ)大師と酒を酌み交わしており、顔瑟(がんしつ)は寧缺(ねい・けつ)の残した文を見つけ、興味を持ち、模写しようとする。寧缺(ねい・けつ)が帰宅すると、桑桑(そうそう)は風呂を用意し、背中を流そうとするが、寧缺(ねい・けつ)は断り、桑桑(そうそう)は少し落胆する。顔瑟(がんしつ)は寧缺(ねい・けつ)の書体に魅瞭され、何度も試みるが、その真髄を捉えることができない。
翌日、顔瑟(がんしつ)は書院(しょいん)を訪ね、寧缺(ねい・けつ)が修行できないことを知り、惜しむ。余簾は寧缺(ねい・けつ)に天命に従うよう説得を続ける。寧缺(ねい・けつ)は諦めず、『呉膳煬論浩然剣』を手に取り、不思議な幻境に迷い込み、壮大な剣技を目にする。目覚めた寧缺は書に感銘を受け、運命の不条理に憤り、その思いを筆に託す。陳皮皮(ちんぴぴ)からの手紙が届き、現実を受け入れるよう促すが、二人は手紙で議論を交わし、互いに難問を出し合う。
天才を自称する陳皮皮(ちんぴぴ)も寧缺の問題に苦戦し、寧缺も陳皮皮(ちんぴぴ)の才能に感服する。寧缺は桑桑(そうそう)に陳皮皮(ちんぴぴ)の性格をからかうように話す。陳皮皮(ちんぴぴ)は寧缺が魔道に堕ちることを心配し、薬の処方を送る。桑桑(そうそう)は黙ってそれを作る。寧缺は陳皮皮(ちんぴぴ)の問題を解くため、魔宗の術を試み、運命を変えようとする。陳皮皮(ちんぴぴ)はそれを知り、強く警告し、寧缺の能力への関心と懸念を示す。
寧缺は再び臨湖小築を訪れ、顔粛清(がんしゅくせい)は茶でもてなす。顔粛清(がんしゅくせい)はかつて軍部の文書鑑定師であり、寧缺の素性を知っていると明かす。二人は腹を割って話し、顔粛清(がんしゅくせい)は燕王(えんおう)謀仮の書状を偽造したことを認め、今は茶館を営んでいると話す。寧缺は顔粛清(がんしゅくせい)の隠された実力を感じ、互いに警戒しながらも尊重し合う。
燕の宮殿で、隆慶は変わり果てた景色を見ながら、崇明(すうめい)との過去を思い出し、複雑な気持ちになる。燕王(えんおう)が現れ、隆慶を慰め、唐国へ行き、書院(しょいん)の夫子(ふうし)に学ぶよう命じる。隆慶は複雑な心境で新たな旅路へと出発する。
第13話の感想
第13話は、それぞれのキャラクターが岐路に立たされ、未来への不安と希望が交錯する、静かながらも緊迫感あふれるエピソードでした。隆慶の焦りと無力感、寧缺の才能と運命への葛藤、そして二人の師である衛光明(えい・こうめい)と夫子(ふうし)の存在感が、物語に深みを与えています。
隆慶は、正義を貫こうとする強い意誌を持ちながらも、実力不足を痛感し、光明大神官(だいしんかん)に拒絶されるという屈辱を味わいます。彼の焦燥は、若さゆえの未熟さの裏返しでもあり、今後の成長を期待させる要素でもあります。一方、寧缺は修行できないという宿命を背負いながらも、持ち前の知性と努力で道を切り開こうと奮闘します。陳皮皮(ちんぴぴ)との交流は、彼の孤独な戦いに光明をもたらす一方で、魔宗の術に手を出す危険性も孕んでおり、今後の展開が不安視されます。
つづく