寧缺(ねい・けつ)は、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)が残した莫大な財産――土地や家の権利書――を偶然手に入れ、一夜にして貧乏から抜け出した。しかし、この突然の幸運は寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)の関係を良くするどころか、寧缺(ねい・けつ)の書を高く売って書院(しょいん)での地位を保とうとする桑桑(そうそう)の主張により、二人の間に小さな溝を作ってしまった。
一方、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は目を覚ますと、剣閣の弟子に見張られている危険な状況に置かれていた。そして、西陵(せいりょう)裁決司(さいけつし)のスパイの陰謀が明らかになる。なんと、全ては剣閣に濡れ衣を著せ、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)を亡き者にしようと仕組まれた罠だったのだ。機転を利かせて脱出した朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は、親友の卓爾(たくじ)の死の裏に、より複雑な権力闘争が隠されていることに気付く。
皇宮では、六皇子が毒を盛られ、昏睡状態に陥り、命が危ない状況に。夏天(か・てん)は素早く仮応し、皇宮を封鎖。自ら六皇子に解毒を施し、深い修為と皇室への忠誠心を示した。激怒した唐王は、毒を盛った容疑のある李漁と李琿圓を呼び出し詰問。最終的に厳罰に処することとなり、李漁は謹慎、李琿圓は書院(しょいん)への出入りを禁じられた。
捜査の中、唐王は龍椅の下に「花開彼岸天」という謎の文字を発見。この発見により、皇宮内の安全に対する不安を深めた唐王は、怪しい者全員を徹底的に調べるよう命じる。以前御書房(ごしょぼう)に迷い込んだことがあった寧缺(ねい・けつ)も関与を疑われるが、本人は全く知らず、修行に没頭していた。
旧書楼で、寧缺(ねい・けつ)は陳皮皮(ちんぴぴ)を叱っている余簾に遭遇。その後、陳皮皮(ちんぴぴ)と修行について深く語り合う。陳皮皮(ちんぴぴ)は、寧缺(ねい・けつ)が不惑の境地に達しているものの、気海雪山(きかいせつざん)は十竅しか通じておらず、修行の道は依然として険しいと指摘。そして、境界を上げるために本命物を探し、修行するよう勧める。寧缺は深く感銘を受け、自分の本命物を早急に見つけようと決意。同時に、陳皮皮(ちんぴぴ)の本命物は肥肉ではないかと推測し、二人の仲はさらに深まる。
一方、唐王に罰せられた李漁は落胆し、酒に溺れていた。そこへ崇明(すうめい)が訪れ、二人で酒を酌み交わわすうちに、李漁は胸の内の悔しさや不満を吐露。崇明(すうめい)は李沛言と手を組み、燕国皇子隆慶の脅威に対抗し、李琿圓を助けることを提案。李漁はこれを聞き、気持ちを新たにし、崇明(すうめい)と協力することを決意する。
さらに、土羊城で朝廷を震撼させる事件が発生。夏侯(か・こう)が寝ているところを、燕国から送られた四人の覆面の刺客に襲撃される。しかし、夏侯(か・こう)は卓越した武芸で難なく危機を脱し、刺客の正体を見破る。事態の深刻さを認識した夏侯(か・こう)は、燕国の陰謀が成功し、唐国の安定を揺るがすのを防ぐため、すぐに唐王に報告することを決める。
第16話の感想
第16話は、それぞれのキャラクターの思惑が交錯し、物語が大きく動き出す重要なエピソードでした。寧缺の思いがけない財産相続は、彼と桑桑(そうそう)の関係に微妙な変化をもたらしました。桑桑(そうそう)の行動は寧缺のためを思ってのこととはいえ、少し行き過ぎた感もあり、二人の間に小さな亀裂が生じたことは今後の展開に影響を与えそうです。
朝小樹(ちょう・しょうしゅ)の窮地からの脱出劇は手に汗握るものでしたが、同時に親友の死の真相に迫る重要な手がかりを得ました。西陵(せいりょう)裁決司(さいけつし)、剣閣、そして背後に潜むさらに大きな陰謀。朝小樹(ちょう・しょうしゅ)の今後の動向が注目されます。
つづく