雪が舞い散る中、夏侯(か・こう)将軍は燕の陣営を奇襲し、唐軍は大勝を収めた。しかし、副将の林零は唐王の追及を心配する。一方、唐王は都中の書家に「花開彼岸天」を書かせ、謎の筆跡の主を探していた。曽静(ぞうせい)と王大学士(だいがくし)は筆跡鑑定だと推測し、李青山は照合するも一緻するものはなかった。徐崇山(じょすうざん)も捜索を命じられるが成果は上がらず、李青山は筆跡の主は若い武人ではないかと推測する。徐崇山(じょすうざん)は寧缺(ねい・けつ)への影響を懸念する。

書院(しょいん)では、二層楼の試験が近いと曹知風(そうちふう)が発表し、若者たちは夫子(ふうし)の直弟子となるべく闘誌を燃やす。寧缺(ねい・けつ)は自分の本命物を探し求める中で、桑桑(そうそう)との不思議な繋がり、自分が動くと桑桑(そうそう)も仮応することに気づく。そして、桑桑(そうそう)こそが自分の本命物だと確信し、喜びを爆発させる。しかし、桑桑(そうそう)が戦闘で傷つくことを心配し、考えを改め、銀貨を本命物に選び、毎日触って霊験が現れるのを待つことにする。桑桑(そうそう)は呆れながらも寧缺(ねい・けつ)に銀貨を渡す。一方、李漁は悩みを抱えやつれ、李沛言は夏侯(か・こう)を排除すると約束し、夏侯(か・こう)が唐王を操っていることを明かす。二人は協力して夏侯(か・こう)を倒すことを誓う。

李漁は李琿圓を罰するが、彼は逃亡する。禄吉は宮中で御書房(ごしょぼう)への侵入者が追われていることを知り、寧缺(ねい・けつ)が巻き込まれることを恐れて徐崇山(じょすうざん)に助けを求める。同時に、李漁は李琿圓の失踪に気づき、華山岳(かざんがく)に対策を相談する。寧缺(ねい・けつ)は陳皮皮(ちんぴぴ)に銀貨の本命物を自慢するが、笑われてしまう。

書院(しょいん)では、御書房(ごしょぼう)の筆跡の噂が寧缺(ねい・けつ)の耳にも届くが、彼は上手くかわす。唐王は李漁兄妹を心配し、夏侯(か・こう)は唐王に許しを請い入宮を願う。燕王(えんおう)は唐の陣営を訪れ、夏侯(か・こう)に無謀な攻撃を咎める。夏侯は燕王(えんおう)と西陵(せいりょう)の密約を暴露する。燕王(えんおう)は隆慶が唐に留学することを持ち出し、復讐を誓う。夏侯は隆慶に復国の意誌がないと嘲笑し、燕王(えんおう)に退位を勧める。

書院(しょいん)では、君陌(くんはく)は陳皮皮(ちんぴぴ)に期待を寄せ、寧缺と深く関わらないよう忠告する。陳皮皮(ちんぴぴ)は寧缺の急成長を話し、君陌(くんはく)は半信半疑となる。曹知風(そうちふう)は隆慶の来訪に興奮し、授業を中止する。寧缺は隆慶の名を聞いても気に留めないが、陳皮皮(ちんぴぴ)は葉紅魚(よう・こうぎょ)に憧れを抱き、二人は書院(しょいん)の裏山を散策する。道中、夫子(ふうし)の直弟子たちの話になり、陳皮皮(ちんぴぴ)は自分の身分を示す札を見せびらかす。寧缺は興味を持つが、陳皮皮(ちんぴぴ)にからかわれる。

唐王は隆慶の高調な来訪を不審に思い、李沛言は学生にとっては願ってもない機会だと考える。隆慶の到来により、唐と燕の間には不穏な空気が流れ、新たな嵐が巻き起ころうとしていた。

第17話の感想

第17話は、静かな緊張感と不穏な空気が漂う、嵐の前の静けさを感じさせる回でした。前半はそれぞれのキャラクターの思惑が交錯し、後半に向けて大きなうねりが生まれていく様子が丁寧に描かれています。

特に印象的なのは、寧缺と桑桑(そうそう)のシーンです。本命物を探し求める寧缺が、桑桑(そうそう)との不思議な繋がりを発見し、彼女こそが自分の本命物だと確信する場面は、二人の絆の深さを改めて感じさせ、心温まるものがありました。しかし、同時に桑桑(そうそう)を危険に晒したくないという寧缺の優しさも描かれており、今後の展開への不安も掻き立てられます。

つづく