あらすじ

第二話では、寧缺ねい・けつ李漁り・ぎょ公主の案内役として選ばれる様子が描かれています。公主は当初、寧缺ねい・けつを気に入らなかったものの、馬将軍ばしょうぐんから彼の戦績を聞かされ、渋々承諾します。一方、夏侯か・こう将軍は皇后に身の安全を守るよう忠告し、国師・李青山り・せいさんも唐王に公主の身に危険が及ぶ可能性を警告します。卓爾たくじ夏侯か・こうを追跡中に負傷しますが、朝小樹ちょう・しょうしゅに助けられます。

寧缺ねい・けつ桑桑そうそうと共に都へ向かう道中、夏侯か・こうと国師が放った刺客に襲撃されます。呂清臣りょ・せいしんと協力して刺客を撃退しますが、国師は事態の変化を察知し、とう国に大きな出来事が起こることを予感します。

その頃、陸晨迦りく・しんかは荒原へ向かう隆慶りゅうけいの身を案じていましたが、隆慶りゅうけいの決意は固く、西陵せいりょう裁決司さいけつしは密かに隆慶りゅうけいの排除を企てます。北山道口にて、公主一行は再び襲撃を受けます。寧缺ねい・けつ呂清臣りょ・せいしんは奮闘し、敵を撃退することに成功します。

ネタバレ

寧缺ねい・けつ馬将軍ばしょうぐんの密談を、門の外で待っていた李漁り・ぎょ公主が聞いてしまう。怒り心頭で部屋に押し入った公主は、修行のことばかり考えている粗野な若者など必要ないと、寧缺ねい・けつを罵倒する。馬将軍ばしょうぐん寧缺ねい・けつをかばい、書院しょいんの試験で優秀な成績を収めた彼の功績を、修行の達人である呂清臣りょ・せいしんと共に公主に説明する。公主は渋々ながら寧缺ねい・けつの同行を認めた。

公主が去った後、馬将軍ばしょうぐんは安堵の息を吐き、寧缺ねい・けつを見つめる目に涙が浮かぶ。師弟の深い絆がそこにあった。

一方、唐の都では、壮麗な王宮が砂漠の荒涼とした風景とは対照的に輝いていた。夜、王妃の夏天か・てんは一人蝋燭に火を灯していた。そこへ兄の夏侯か・こう将軍が訪れ、公主が都に戻れば危険にさらされると警告し、夏天か・てん自身も気を付けるように忠告する。二人は魔宗まそうの出身で、深い因縁で結ばれていた。

同じ頃、国師の李青山り・せいさんは唐王・李仲易り・ちゅうえきに謁見し、公主の一行に災いが降りかかるという占いの結果を伝え、救援隊の派遣を促す。

寧缺ねい・けつの友人、卓爾たくじ夏侯か・こうの動きを探るため王宮に潜入するが、怪我を負ってしまう。幸いにも魚龍幇ぎょりゅうほうの幇主、朝小樹ちょう・しょうしゅに助けられる。”春風亭(しゅんぷうてい)の老朝ろうちょう”として知られる朝小樹ちょう・しょうしゅは、夏侯か・こうの強さを卓爾たくじに警告する。

寧缺ねい・けつの小屋では、桑桑そうそうが都への旅を不安に思っていた。寧缺ねい・けつは愛馬を売って旅費を工面し、都でも砂漠と同じように暮らせると桑桑そうそうを安心させる。夜、桑桑そうそうの寒疾が悪化し、寧缺ねい・けつはいつものように酒と体温で彼女を温める。

翌朝、別れの時が来た。桑桑そうそうは故郷を離れるのが辛く、涙を流す。馬将軍ばしょうぐんが老馬に乗って見送りに来る。寧缺ねい・けつは平静を装うが、内心は別れを惜しんでいた。愛用の蜥蜴を老馬に託し、自分の帰りを待つように言う。

西陵せいりょう桃山とうざんでは、“花痴かきち”の陸晨迦りく・しんかが、荒原への旅に出る隆慶りゅうけいを心配していた。隆慶りゅうけいは彼女のために極北の雪蓮を持ち帰ると約束する。しかし、西陵せいりょう裁決司さいけつし隆慶りゅうけいの抹殺と、衛光明えい・こうめい一派の排除を企んでいた。

唐の北山道で、公主一行は寧缺ねい・けつの仮対を押し切り、危険な道を通ることを選ぶ。案の定、夏侯か・こうと国師の刺客に襲撃される。寧缺ねい・けつは苦戦するが、呂清臣りょ・せいしんと共に刺客たちを倒す。その中には魔宗まそうの秘術を使う書院しょいんの脱落者もおり、過剰な天地元気を製御できずに爆死する。

この戦いを感知した李青山り・せいさんは、形勢が変わったことを悟る。修行をしていない者がこれほどの力を持つとは、唐に大きな嵐が来る前兆だと予感する。そして、その嵐の中心にいるのは、黄楊の弓を持つ梳碧湖そへきこの樵――寧缺ねい・けつだった。

第2話の感想

『将夜 戦乱の帝国』第2話は、それぞれの登場人物の運命が複雑に絡み合い、今後の展開を予感させる濃密なエピソードでした。寧缺ねい・けつ李漁り・ぎょ公主の出会いは、まさに最悪の第一印象。身分の違い、価値観の相違がぶつかり合い、険悪なムードが漂います。しかし、馬将軍ばしょうぐんの温情あふれるフォローや、寧缺ねい・けつの秘めた実力の片鱗が垣間見えることで、二人の関係性に変化の兆しが見え隠れするのも興味深い点です。

都では、王宮を舞台に権力争いの陰謀が渦巻いています。夏侯か・こう将軍と夏天か・てん王妃の兄妹、そして国師李青山り・せいさん。それぞれの思惑が交錯し、緊張感が高まります。特に、魔宗まそうの存在が明らかになり、物語に深みが増しました。今後の展開で、彼らがどのような役割を果たすのか、目が離せません。

つづく