あらすじ
第二十二話は、寧缺が書院の二階楼の学生となってからの様々な選択と挑戦を中心に描かれています。顔瑟と黄鶴は寧缺を弟子にするために激しく言い争いますが、最終的には李沛言の提案で妥協し、寧缺は夫子の直弟子となりつつ、顔瑟から符術を学ぶことになります。君陌の支援もあり、寧缺は正式に二階楼の学生となり、同時に顔瑟の誘いを受け、昊天道南門で修行を始める準備をします。また、隆慶に勝利したことで書院の学生たちから尊敬を集める寧缺ですが、内心では林将軍の仇討ちという強い思いを抱えています。唐王は寧缺を呼び出し、大きな期待を寄せ、国の棟梁となることを願います。李漁は寧缺の活躍に満足し、弟の李琿圓の指導を寧缺に依頼します。
ネタバレ
寧缺との激論の末、顔瑟は李青山の令牌を見せ、昊天道南門の名において寧缺の弟子入りを主張する。黄鶴は密かに顔瑟を呼び出し、寧缺への思いを伝えるが、顔瑟は激怒し、寧缺を神符師に育て上げると譲らない。黄鶴も一歩も引かず、顔瑟は仕方なく狂言を装う。
隆慶は寧缺への敗北を認められず、己の心魔に苦悩する。君陌は隆慶を諭すが、隆慶は寧缺の真意を探ろうとする。李沛言は隆慶を夫子の直弟子、寧缺を顔瑟の弟子とする案を出し、顔瑟は賛成するが、黄鶴は仮対。顔瑟は夫子の不在を理由に、君陌に直談判に向かう。
顔瑟は符術で君陌に挑むが、あっさり破られる。寧缺を神符師、そして唐国の国師にしたいと願う顔瑟に対し、君陌は寧缺が二層楼に登った後に顔瑟の弟子入りを認めるという夫子の考えを伝える。夫子の深慮に顔瑟は感服する。
目覚めた寧缺は見知らぬ場所に戸惑い、桑桑を呼ぶ。桑桑は二層楼到達を告げる。李沛言は寧缺に国師の地位を約束するが、寧缺は林将軍の件で李沛言を恨んでおり、今は時ではないと判断し、夫子の決定に従うと告げる。
選択に迷う寧缺は陳皮皮に相談し、夫子の弟子と顔瑟の弟子を兼任する案を得る。書院の学生たちは寧缺に謝罪し、謝承運は南晋へ帰郷する。寧缺は皆に誇りを持ち続けるよう激励する。そこに顔瑟と黄鶴が現れ、顔瑟は寧缺を絶賛し、弟子入りを迫る。寧缺は承諾せざるを得なくなる。
唐王は林公公を通して寧缺に詩句を問う。寧缺は即答し、唐王に謁見することになる。寧缺は桑桑を先に帰し、書を換金しようと考える。程立雪は李沛言に寧缺の排除を依頼する。
寧缺は林将軍の復讐を唐王に訴えたいが、方法に悩む。林公公は宮廷の作法を教え、唐王の慈悲深さを語る。唐王は寧缺を温かく迎え、自身の過去を語り、意気投合する。李漁は寧缺を褒め称え、李琿圓の教育係に推挙する。
第22話の感想
第22話は、寧缺をめぐる師弟関係の駆け引きが中心となり、それぞれの思惑が交錯する展開が見応えがありました。特に顔瑟の執念と、それに対する黄鶴の複雑な心情が印象的です。寧缺を神符師に、ひいては国師に育て上げたいという顔瑟の野望は、弟子への愛情というよりも、己の功績への執著を感じさせます。対照的に、黄鶴は寧缺の才能を認めつつも、彼自身の意思を尊重する姿勢を見せており、二人の対比が鮮明に描かれています。
隆慶の苦悩もまた、見逃せないポイントです。心魔に打ち勝ちきれず、寧缺に敗れた彼は、プライドを傷つけられながらも、寧缺の強さの秘密を探ろうとします。この敗北が、今後の隆慶の成長にどう影響していくのか、注目したいところです。
つづく