あらすじ
第二十三話は、隆慶が唐の都を去る際の屈辱と復讐心、そして寧缺が書院の十三先生となってからの出来事を描いています。
寧缺は桑桑への贈り物として化粧品を買ったところ、複数の集団に尾行され、最終的に謎の勢力に拉致されてしまいます。桑桑は必死に寧缺を探し、残された手がかりを元に彼の居場所を突き止めます。顔瑟は神符術を用いて寧缺を救出し、拉致犯が衛光明と関係があることを確信します。そして、寧缺は正式に顔瑟に弟子入りし、神符術を学び始めます。
一方、夏侯と李沛言は寧缺の正体に疑念を抱き、行動を開始します。唐王は寧缺の安否についてはさほど心配していませんが、李沛言の野心に対しては警戒心を強めています。
ネタバレ
隆慶は重苦しい気持ちを抱え、程立雪と共に唐の都を後にした。かつて盛大に迎えられた栄光とは裏腹に、冷遇された現状に屈辱と不甘を噛み締めていた。二層楼の試験に挑戦したのも、夫子への畏敬と、その直弟子となる野望から、ライバルを分析し、将来の勝利を確実なものにするためだった。程立雪もまた、隆慶を支えきれなかった自責の念に駆られ、二人は必ずや唐に舞い戻り、雪辱を果たすと誓い合った。
一方、書院では寧缺が十三先生に昇格した。この知らせは李青山に不安を抱かせた。寧缺が顔瑟の弟子となっても、昊天道南門に忠誠を尽くさず、国師の継承に影響を及ぼすのではないかと危惧したのだ。しかし、顔瑟は李青山の心配を一蹴し、穏やかな言葉で慰めた。
都で新地位の恩恵を享受する寧缺は、法蘭琳卡で最高級の玫瑰花苞水を買い求め、桑桑への贈り物とした。だが、帰路の途中、三組に尾行されていることに気付く。機転を利かせた身のこなしで追手を振り切ったものの、突如響き渡った耳をつんざくような鈴の音に倒れ、抵抗する力を失い、拉緻されてしまった。
寧缺を待ちわびる桑桑は、夜通し帰らぬ彼を案じ、紅袖招から書院、そして皇宮まで捜索するも見つからず、李漁に助けを求めた。李漁は寧缺の行方は分からなかったものの、直ちに都の封鎖を命じ、捜索を指示した。桑桑は都で老筆斎特有の墨の香りに気付き、その痕跡を辿ると、寧缺が落とした玫瑰花苞水が。この手がかりから、顔瑟は寧缺が監禁されている場所を突き止めた。
荒廃した屋敷に囚われた寧缺は、激しい頭痛に耐えながら犯人を問い詰める。犯人は自らを光明の信者と名乗り、「闇の力」である寧缺を排除すると宣言した。一方、林零は夏侯に寧缺の正体と嫌疑を報告し、夏侯は徹底的な調査と必要であれば強硬手段を取ることを決意する。李沛言もまた、刺客を送り込むも寧缺の行方は掴めず、その正体に疑念を抱き始めた。
顔瑟と桑桑は手がかりを元に寧缺を見つけ出すが、救出の最中、桑桑は見えない力に倒されてしまう。顔瑟はすかさず犯人を捕らえ、衛光明の手下であることを暴く。激しい戦闘の中、謎の力が介入し、犯人は緻命傷を負いながら、「冥王の子が都にいる」という衝撃的な言葉を残して息絶えた。
寧缺を救出した後、顔瑟は早速入門の儀式を行い、寧缺は正式に顔瑟の首席弟子となった。喜びに満ちた顔瑟は祝儀として寧缺に赤い封筒を渡し、修行の日程を伝えた。しかし、寧缺が封筒を開けると、中には紙切れと銅貨一枚しか入っておらず、顔瑟の「ケチ」さに思わず笑ってしまった。
徐崇山は寧缺を襲ったのは修行者の他に、夏侯と李沛言の勢力であることを突き止めた。唐王は寧缺の身を案じるよりも、李沛言の野心を警戒し、その動向を監視するよう命じ、あえて夏侯の者を逃がし、情報を流すことで闇中計画を進めた。
第23話の感想
第23話は、盛りだくさんの展開で息つく暇もないほどでした!隆慶の失意と復讐心、寧缺の新たな地位と危機、そして桑桑の懸命な捜索と、それぞれのキャラクターの感情が丁寧に描かれており、物語に深みを与えていました。
特に印象的だったのは、寧缺が三組もの追っ手をかわすシーンです。彼の機転と身のこなしは見ていて爽快でしたが、まさかの鈴の音で倒れてしまうとは…予想外の展開に驚かされました。また、桑桑が寧缺の残した玫瑰花苞水を見つけるシーンも感動的でした。彼女の寧缺への深い愛情が伝わってきて、胸が締め付けられました。
つづく