あらすじ
第二十四話は、寧缺が無事に書院へ戻った後の出来事を描いています。陳皮皮は寧缺に書院の後山に住む先輩弟子たちを紹介しました。そこには、陣法に長けた七師姐の木柚、音律に通じた九师兄の北宮未央と十师兄の西門不惑、鍛冶の腕前が素晴らしい六师兄、符文の研究に没頭する四师兄、そして悠々自適な十一师兄がいました。
陳皮皮に連れられて、寧缺は二师兄の君陌に謁見し、夫子自ら作った琥珀の腰牌を授かりました。それは、書院と唐国を守るという重大な使命を象徴するものでした。
また、寧缺は唐王にも拝謁しました。そこで、自分の書が世間の評判を呼び、価格が高騰していることを知ります。桑桑は寧缺の作品を守るため、紅袖招の水珠児と巧みに渡り合い、拓本を高値で売りさばきました。彼女の機転の良さが光る場面でした。
ネタバレ
修行の旅から生還した寧缺を、皮皮は喜び迎え、君陌の活躍で夏侯、李沛言、西陵の追手から逃れた経緯を詳しく話した。皮皮は寧缺の正体を気にかけ、書院の後山に危険をもたらすのではと懸念するも、後山に入った寧缺は安泰となり、皮皮は兄弟として接する。寧缺は抱きつこうとするが、皮皮の「天下溪神指」で軽く弾き飛ばされ、その威力に感嘆する。
皮皮は寧缺を連れ、師兄師姐たちに紹介していく。まず、陣法に長けた七師姐の木柚は、寧缺の揺るがない定力に感心する。次に、音律の達人である九師兄の北宮未央と十師兄の西門不惑は、息の合った演奏で寧缺と皮皮を巻き込み、楽しい舞踏となった。二人は寧缺に音律を勧め、秘伝を授ける。
続いて、十一師兄とは思弁を交わし、六師兄の鍛冶場では、夏侯の明光鎧を超える究極の鎧を目指し、符文を研究する姿に寧缺は感銘を受ける。五師兄と八師兄は囲碁の対局で不在、大師兄の李慢慢は夫子と旅に出ていた。
皮皮の小屋で特製の蛙菓子を味わった後、二師兄の君陌の元へ。皮皮は寧缺に君陌への敬意を促す。寧缺は弁舌を尽くすが、君陌は指一本で口を封じ、修行の厳しさを悟らせる。そして、夫子手製の琥珀の腰牌を授け、書院と唐国を守る重責を託す。寧缺は深く心に刻み、腰牌を受け取った。
一方、寧缺は唐王に謁見し、王宮の暮らしへの倦怠と行宮建設の構想を聞かされる。朝小樹への想いを語り合う中、寧缺は林将軍の冤罪に触れようとするも、王の心情を察し、言葉を呑む。唐王は寧缺に贈り物をすると言い、拉緻事件について尋ねるが、寧缺はうまくかわす。
帰宅後、桑桑は唐王との会話を尋ねるが、寧缺は字の値段が上がったとごまかす。桑桑は寧缺の習字を大量に保管しており、寧缺は驚く。たちまち寧缺の書は高値で取引され、王大学士と金祭酒は模写をめぐり争い、王大学士は顔瑟を通して寧缺の鶏湯帖の偽物を手に入れ、満足げに去る。
第24話の感想
第24話は、寧缺が修行の旅から戻り、書院での生活に馴染んでいく様子が丁寧に描かれていました。これまで過酷な試練を乗り越えてきた寧缺にとって、書院は安息の地であり、新たな学びの場となることが示唆されています。特に、皮皮との再会シーンは、二人の強い絆を感じさせ、微笑ましいものでした。皮皮の軽快な語り口と、寧缺の落ち著いた仮応の対比も面白く、今後の二人のやり取りにも期待が高まります。
書院の師兄師姐たちとの出会いは、それぞれ個性豊かで、今後の物語の広がりを感じさせます。木柚の冷静さ、北宮未央と西門不惑の音楽への情熱、六師兄の職人魂など、それぞれのキャラクターが魅力的に描かれていました。特に、君陌との対面シーンは緊張感があり、寧缺にとって修行の道のりは険しいものであることを改めて認識させられる場面でした。夫子手製の琥珀の腰牌は、寧缺の責任の重さを象徴しており、今後の彼の成長に大きな影響を与えることでしょう。
唐王との謁見では、王の孤独と憂鬱が描かれており、政治的な陰謀も感じさせます。寧缺は、唐王の心情を察しながらも、自分の立場をわきまえ、慎重に行動しています。林将軍の冤罪については、まだ真相が明らかになっていませんが、今後の展開で重要な鍵となる可能性があります。
つづく