唐の皇宮では、李青山と唐王が静かに碁を打っていた。盤上には緊張感が漂う中、李漁が弟・李琿圓の赦免を願い駆けつける。唐王は李漁を碁の審判に誘い、李漁は李青山の策略を見抜き、唐王の敗北を予言する。唐王は李漁の真意を理解し、李琿圓を軍営から解放し公主府に残すことを承諾するが、信頼できる人物の付き添いを条件とする。李青山は李明池を推薦し、唐王は彼に皇子伴読の役目を与える。李明池は李琿圓を全うする覚悟を決める。
一方、寧缺(ねい・けつ)に敗れた隆慶は、その理由を求めて幽閣に幽閉されている衛光明(えい・こうめい)を訪ねる。衛光明(えい・こうめい)は、隆慶を打ち負かしたのは寧缺(ねい・けつ)ではなく、永夜への恐怖だと指摘する。15年間、永夜の到来を待ち望んでいた衛光明(えい・こうめい)は、幽閉に耐えかね、渾身の力を込めて鉄門を破壊し、外へと飛び出す。この事態に掌教(しょうきょう)は激怒し、吐血する。
その頃、夫子(ふうし)と李慢慢は旅の途中、不吉な空模様の変化に気づく。夫子(ふうし)はそれが衛光明(えい・こうめい)的脱出の兆候だと悟り、不安を覚える。符道の修行に行き詰まり、苛立ちを募らせていた寧缺(ねい・けつ)は、陳皮皮(ちんぴぴ)に悩みを打ち明ける。陳皮皮(ちんぴぴ)は寧缺(ねい・けつ)を山奥に住む老書生の元へ連れて行く。老書生は書物に没頭し、修行には無関心で、読書こそが人生の喜びであり、たとえ忘却しても構わないという境地に達していた。この老書生の姿は、寧缺(ねい・けつ)に修行の新たな意味を気づかせる。
その後、寧缺(ねい・けつ)は陳皮皮(ちんぴぴ)と共に九師兄と十師兄を訪ねるが、新曲の鑑賞に誘われ、疲れている寧缺は正直に休息を望む。君陌(くんはく)が現れ、寧缺の意思を尊重し、師兄たちの無理強いを止め、代わりに陳皮皮(ちんぴぴ)に木柚の修行の付き添いを命じる。
書院(しょいん)の外では、水珠児(すいじゅじ)が鶏湯帖の売り上げを桑桑(そうそう)や簡大家(かんたいか)を含め皆に分配し、顔瑟(がんしつ)も分け前を求めて現れる。水珠児(すいじゅじ)は機転を利かせて顔瑟(がんしつ)を満足させる。
寧缺の正体に興味を持った李漁は書院(しょいん)を訪れ、彼を公主府に招待するが、寧缺は様々な理由をつけて断り、李漁の不興を買う。李青山は顔瑟(がんしつ)の性急さを危惧し、寧缺には符道を理解するのに時間が必要だと諭す。しかし、顔瑟(がんしつ)は寧缺の潜在能力と永夜の到来を理由に、一刻も早く修行を進めるべきだと主張する。
寧缺は君陌(くんはく)に浩然剣を学ぶことを決意する。君陌(くんはく)は丁寧に剣技を教え、寧缺は熱心に練習する。最初は要領を得ず、木剣を池に落としてしまうが、諦めずに法力で木剣を取り戻す。君陌(くんはく)は表面上は不満げだが、内心では寧缺を認める。寧缺は木剣を空に飛ばす飛剣の術を習得することを誓う。
第26話の感想
第26話は、それぞれのキャラクターがそれぞれの場所で、それぞれの試練や葛藤に 直面するし、物語が大きく動き出す転換点となったと感じました。
まず、宮廷内での李漁の賢明さと機転、そして唐王の懐の深さが印象的です。弟・李琿圓の赦免を願い出る李漁の行動は、彼女の家族への愛情と政治的な手腕を同時に示しています。唐王もまた、李漁の真意を見抜き、状況を巧みに利用して李明池を皇子伴読に任命するなど、老獪な一面を見せました。
一方、永夜への恐怖に囚われた隆慶と、永夜の到来を待ち望む衛光明(えい・こうめい)の対比も興味深いです。衛光明(えい・こうめい)的脱出は、物語に大きな波紋を投げかけることは間違いありません。夫子(ふうし)の不安げな表情からも、今後の展開への期待が高まります。
つづく