第27話では、寧缺(ねい・けつ)の修行は大きな壁にぶち当たります。来る日も来る日も飛剣の術を練りますが、小木剣はまるで呪われたように操れず、書院(しょいん)内を暴走し、師兄師姐たちの日常をめちゃくちゃに。師兄師姐たちは呆れながらも、寧缺(ねい・けつ)を厳しく「教育」。寧缺(ねい・けつ)は謝罪に追われ、気まずい空気が流れます。しまいには、小木剣が君陌(くんはく)の冠に突き刺さり、君陌(くんはく)は怒り心頭ながらも、どうすることもできません。

寧缺(ねい・けつ)の苦境を見かねた李慢慢は手を差し伸べようとしますが、夫子(ふうし)に仮対されます。夫子(ふうし)は、修行は自力で成すべきものだと諭します。寧缺(ねい・けつ)は諦めず、練習を続けます。小木剣は言うことを聞かず、何度も川に落ち、著替えにも事欠く始末。木柚にからかわれ、一瞬諦めかけますが、自分に合った武器を探すことを決意。四師兄と六師兄に銀器の製作を依頼します。

一方、桑桑(そうそう)は寧缺(ねい・けつ)が銀子を浪費したと勘違いし、不満を抱きますが、最終的には冷静さを取り戻します。四師兄と六師兄は相談の上、寧缺のために銀刀を作ることに。陳皮皮(ちんぴぴ)と寧缺も加わり、共同で武器作りが進められます。

また、李青山は李明池に後継者としての大きな期待を寄せていますが、李明池の資質に不安を抱いています。公主府へ李琿圓の付き添いとして赴く李明池に、李青山は念を押して送り出します。陳皮皮(ちんぴぴ)は、焦る寧缺を心配し、符道の修行に専念するよう忠告しますが、寧缺は「多芸は無芸に勝る」と考え、あらゆる学びの機会を逃したくありません。

書院(しょいん)の師兄師姐たちは、寧缺の努力が報われないのを見て、対策を話し合います。君陌(くんはく)は寧缺専用の武器を作ることを提案し、李慢慢は寧缺の個性と自由を尊重すべきだと主張します。夫子(ふうし)は、寧缺を顔瑟(がんしつ)大師に符道を学ばせることを決めます。

顔瑟(がんしつ)大師の丁寧な指導の下、寧缺は符道の奥深さを理解していきます。顔瑟(がんしつ)は西陵(せいりょう)と敵対することも厭わず、寧缺の育成に尽力します。寧缺は顔瑟(がんしつ)の熱意に心を打たれ、符道に打ち込みます。しかし、朱雀(すざく)天街を歩いた時、朱雀(すざく)復活の恐ろしい記憶が蘇り、恐怖に襲われます。顔瑟(がんしつ)の励ましを受け、恐怖を克服し、朱雀(すざく)之門の屋上に登り、都の景色を見下ろします。

一方、李明池は公主府で李琿圓とうまくいかず、厳しい言葉で李琿圓を叱りつけます。李琿圓は李明池の脅しに萎縮し、おとなしくなります。

この回で、寧缺は挫折を経験し、粘り強さと選択することを学びます。書院(しょいん)の師兄師姐たちは、それぞれの立場で寧缺を見守り、彼の修行の道を支えます。

第27話 感想

第27話は、寧缺の修行における苦悩と成長、そして周囲の人々の温かい支えが描かれた心温まるエピソードでした。特に印象的だったのは、飛剣の修行で悪戦苦闘する寧缺の姿です。小木剣が全く製御できず、書院(しょいん)内を縦横無尽に飛び回る様子はコミカルで、思わず笑ってしまいました。しかし、その裏にある寧缺の真摯な努力と、諦めずに練習を続ける粘り強さには心を打たれました。

周囲の師兄師姐たちの仮応も微笑ましかったです。彼らもまた、寧缺の修行の難しさに共感し、温かく見守っている様子が伝わってきました。特に、君陌(くんはく)の冠に小木剣が刺さるシーンは、このエピソードの象徴的な場面と言えるでしょう。君陌(くんはく)の怒りながらもどこか諦めたような表情は、寧缺への愛情と、修行の厳しさを物語っているようでした。

つづく