湖のほとりで、顔瑟(がんしつ)先生は寧缺(ねい・けつ)にピーナッツを剝いて与え、まるで父親のように優しく接していました。寧缺(ねい・けつ)は勇気を出し、護符を授けてほしいと頼みますが、顔瑟(がんしつ)は微笑みながら首を振り、自分で描くように促します。そして、水符の奥義を丁寧に教え始めます。寧缺(ねい・けつ)は真剣に聞き入り、熱心に学びました。

しかし、修行は順調には進みません。力に溺れた寧缺(ねい・けつ)は、うっかり「魔宗」という禁句を口にしてしまい、陳皮皮(ちんぴぴ)は慌てて彼を止め、危険な存在に関わるなと警告します。しかし、寧缺(ねい・けつ)の好奇心は掻き立てられ、魔宗の真実を確かめたいという思いを募らせます。陳皮皮(ちんぴぴ)は仕方なく、「天下溪神指」で寧缺(ねい・けつ)を製圧しますが、寧缺はこの技を学ぶ決意をさらに固めます。

雨の夜、桑桑(そうそう)の製止を振り切り、寧缺は一人で雨の音に耳を澄ませ、天地の気を感受します。そしてついに、人生で初めて自分の符を描くことに成功します。桑桑(そうそう)は喜び、書院(しょいん)の師兄師姐たちも寧缺の成長を喜びます。陳皮皮(ちんぴぴ)は得意げに君陌(くんはく)に自分の手柄を自慢し、君陌(くんはく)は謙虚に皆の努力のおかげだと答えます。夫子(ふうし)はこの知らせを聞き、顔瑟(がんしつ)の指導を褒め称え、顔瑟(がんしつ)は寧缺の成功に感涙します。李青山もすぐに祝いに駆けつけます。

一方、葉紅魚(よう・こうぎょ)は寧缺が神符を描き、天書日字巻に名を連ねたことを知り、激しい怒りを覚えます。彼女は裁決司(さいけつし)に戻り、掌教(しょうきょう)に隆慶を使って寧缺を倒すよう提案します。大神官(だいしんかん)は、寧缺を利用して各勢力の対立を激化させようと企みます。隆慶は葉紅魚(よう・こうぎょ)の突然の訪問に疑念を抱き、二人は激しい言い争いを繰り広げます。

同じ頃、金祭酒(きんさいしゅ)は必勝居で都の著名人たちを招いて宴を催していました。その中には王大学士(だいがくし)もいました。王大学士(だいがくし)は、金祭酒(きんさいしゅ)が所蔵する寧缺の字帖が偽物であることを嘲笑い、自分が本物の「鶏湯帖」を持っていると自慢します。面目を取り戻すため、金祭酒(きんさいしゅ)は急いで寧缺を呼び寄せます。寧缺は人々に囲まれ質問攻めにされますが、機転を利かせて対応し、最後に素晴らしい作品を書き上げます。王大学士(だいがくし)は興奮のあまり気を失ってしまいます。寧缺はその隙に逃げ出します。

一方、桑桑(そうそう)は公主府で李漁に寧缺が符を描いた時の様子を話しますが、李漁は寧缺の交友関係や行動に興味を示します。彼女は、寧缺が宴に出席すれば金銭的な損失を被ると予感します。林零は夏侯(か・こう)に、寧缺が夫子(ふうし)の直弟子になったため、排除するのがさらに難しくなったと報告します。夏侯(か・こう)は様子を見ることにします。

第28話の感想

第28話は、寧缺の成長と彼を取り巻く人間模様が巧みに描かれた、見応えのあるエピソードでした。修行の厳しさ、師弟愛の温かさ、そして権力争いの陰謀など、様々な要素が絶妙なバランスで展開され、最後まで目が離せませんでした。

特に印象的だったのは、寧缺が初めて符を描けたシーンです。雨の中で静かに天地の気を感受する姿は、彼の真摯な努力と才能を感じさせ、胸を打たれました。桑桑(そうそう)や書院(しょいん)の仲間たちの喜びも、彼の成長をより一層際立たせていました。陳皮皮(ちんぴぴ)の得意げな様子や君陌(くんはく)の謙虚さも、それぞれのキャラクターの魅力を引き出しており、微笑ましい場面でした。

一方、葉紅魚(よう・こうぎょ)や大神官(だいしんかん)の闇躍は、物語に緊張感を与えています。寧缺の才能に嫉妬する葉紅魚(よう・こうぎょ)、そして彼を利用しようとする大神官(だいしんかん)の思惑が、今後の展開にどう影響していくのか、非常に気になるところです。隆慶との対立も深まりそうで、今後の二人の関係からも目が離せません。

つづく