寧缺(ねい・けつ)と君陌(くんはく)の謎かけ遊びは、寧缺(ねい・けつ)の珍解答の連続で終わった。君陌(くんはく)の「浩浩蕩蕩、横無際涯、直衝天穹」という壮大な言葉には深い意味が込められていたが、寧缺(ねい・けつ)はまず「大便」と冗談で答え、その後真面目になって意誌や勇気などを推測するも、いずれも君陌(くんはく)の意図するものではなかった。君陌(くんはく)は苦笑しながら首を振り、意味深長に寧缺(ねい・けつ)に荒野での修行を勧めた。修行を終えて戻ってきた時に、改めて答えを探すべきだと。

一方、夫子(ふうし)は李慢慢が寧缺(ねい・けつ)のために用意した贈り物に興味津々だった。李慢慢は寧缺(ねい・けつ)の望みを知っており、きっと彼の好みに合うものを贈ったに違いない。寧缺(ねい・けつ)は魚龍幇(ぎょりゅうほう)で最も気性の荒い名馬に乗り、旅立ちの準備をしていた。常三哥(じょうさんこ)は別れを惜しみ、何度も注意を繰り返す。寧缺(ねい・けつ)も常三哥(じょうさんこ)に桑桑(そうそう)の世話を頼んだ。

出発間際、桑桑(そうそう)が駆けつけ、お守りの黒い傘を寧缺(ねい・けつ)に渡した。涙が目に浮かび、ついに糸が切れたようにこぼれ落ちた。彼女は寧缺(ねい・けつ)を強く抱きしめ、泣き声には名残惜しさと寂しさが溢れていた。寧缺(ねい・けつ)は胸の痛みをこらえ、優しく慰め、ようやく桑桑(そうそう)を帰した。そして複雑な気持ちで荒野への旅路についた。

書院(しょいん)の弟子たちは出発の準備を整え、曹知風(そうちふう)が自ら見送りに来た。言葉には期待と注意が込められ、無事に戻ってくることを願っていた。華山岳(かざんがく)の号令一下、一行は盛大に出発した。その頃、衛光明(えい・こうめい)は密かに唐の都に到著していた。朱雀(すざく)大街の異変に気付いた顔瑟(がんしつ)は、衛光明(えい・こうめい)の来訪を察知するも、すぐには動かなかった。この光明大神官(だいしんかん)を容易く阻むことはできないと分かっていたからだ。

夫子(ふうし)もまた衛光明(えい・こうめい)の気配を感じ取っていた。李慢慢は顔瑟(がんしつ)の援護に戻ることを提案したが、夫子(ふうし)は酒徒(しゅと)と屠夫を探し、彼らから永夜の謎を聞き出そうとしていた。衛光明(えい・こうめい)は都で冥王の息子を探し続け、彼を操って永夜を引き起こそうとしていた。李青山は都を守ろうと必死だったが、衛光明(えい・こうめい)の居場所を掴むのは困難だった。

荒野では、荒人(こうじん)たちは連戦連勝していたものの、唐王の真意を疑っていた。三長老(さんちょうろう)は自ら唐の都へ行き、唐王と会談して謎を解き明かそうと決めた。同時に、寧缺(ねい・けつ)一行も荒野への旅を続け、莫山山(ばく・さんさん)率いる墨池苑の女性弟子たちも後を追っていた。

都に残った桑桑(そうそう)は、毎日一人で老筆斎を守り、塞ぎ込んでいた。よく独り言を言い、寧缺との日々を思い出していた。あっという間に一ヶ月が過ぎ、寧缺は都から遠く離れ、桑桑(そうそう)への想いは募るばかりだった。彼は遠くの岷山を見つめた。そこは彼と桑桑(そうそう)が共に育った場所で、故郷への思いが胸に溢れた。

衛光明(えい・こうめい)は都に長く滞在していたが、なかなか行動を起こさなかった。李青山は彼がまだ目標の人物を見つけられていないと推測した。ある日、衛光明(えい・こうめい)は偶然、才能溢れる桑桑(そうそう)に目を留め、こっそりと彼女の後をつけた。紆余曲折を経て、衛光明(えい・こうめい)は追跡者から逃れたものの、桑桑(そうそう)を見失い、布店の前で待つしかなかった。

一方、寧缺は荒野で入浴中の莫山山(ばく・さんさん)と遭遇し、気まずい雰囲気になった。寧缺は機転を利かせてその場を切り抜け、逃走した。墨池苑の弟子たちは唐の料理に興味津々で、寧缺に腕前を披露するようにせがんだが、寧缺は桂花糕を贈ってその場を逃れた。

同時に、荒人(こうじん)三長老(さんちょうろう)と夏天(か・てん)王后の会談は緊張と対立に満ちていた。三長老(さんちょうろう)は夏天(か・てん)が師門を裏切り、栄華富貴を享受していると非難した。しかし、夏天(か・てん)は自分の選択を貫き、唐王を守ると誓った。三長老(さんちょうろう)の脅威に対し、夏天(か・てん)は冷静に対処し、最終的に妥協点を見出し、荒人(こうじん)の活路を見出すことを約束した。この会談を李明池が陰から観察しており、今後の展開への伏線が張られた。

第31話の感想

第31話は、それぞれのキャラクターが新たな局面へと歩みを進める、転換点となるエピソードでした。寧缺と君陌(くんはく)の謎かけのシーンは、一見コミカルながらも、寧缺の未熟さと今後の成長への期待を感じさせます。荒野への旅立ちは、彼にとって大きな試練となるでしょう。桑桑(そうそう)との別れは切なく、彼女の涙は視聴者の心を締め付けます。常三哥(じょうさんこ)の心配もまた、家族のような温かさを感じさせ、旅立ちの重みを増していました。

一方、都では衛光明(えい・こうめい)の闇躍が始まり、緊張感が高まります。顔瑟(がんしつ)や夫子(ふうし)、李青山といった強者たちがそれぞれの思惑を胸に動き出す様子は、今後の展開への期待を膨らませます。特に、衛光明(えい・こうめい)が桑桑(そうそう)に目をつけたことは、大きな波乱を予感させます。彼女の持つ特別な力に、どのような影響を与えるのでしょうか。

荒人(こうじん)側の動きも注目すべき点です。三長老(さんちょうろう)と夏天(か・てん)の対峙は、荒人(こうじん)と唐国の複雑な関係性を浮き彫りにしました。夏天(か・てん)がどのような決断を下すのか、今後の展開が気になります。また、李明池の存在も不気味で、彼がどのような役割を果たすのか、目が離せません。

つづく