李明池は偶然、夏天(か・てん)が荒人(こうじん)の三長老(さんちょうろう)と密会しているのを目撃し、この驚愕の事実を李漁に伝え、唐国国師の座と引き換えに取引を持ちかけた。李漁は以前から夏天(か・てん)に疑念を抱いていたものの、その正体には衝撃を受ける。彼女は李明池の条件をのんで、三長老(さんちょうろう)の行方を探らせるが、李青山に気づかれないよう慎重に行動するよう命じた。
一方、莫山山(ばく・さんさん)は西陵(せいりょう)からの指示がなく、陣地で待機していた。そこへ、月輪国の曲妮(きょくに)大師の弟子が突然現れ、温泉に入りたいという理不尽な要求で陣地の交換を迫ってきた。両者は対立し、ついには戦闘になるが、危機一髪のところで寧缺(ねい・けつ)が登場。挑発者を軽く製圧し、書院(しょいん)弟子「鍾大俊(しょうだいしゅん)」と名乗ってその場を収めた。
同時期、衛光明(えい・こうめい)は苦労の末、桑桑(そうそう)のもとを訪ねる。一度は拒絶されるも、諦めずに粘り強く頼み込み、桑桑(そうそう)の情に訴え、老筆斎に泊めてもらうことに成功する。深夜、李青山の接近を察知した衛光明(えい・こうめい)は、交戦の後、老筆斎に隠れる。桑桑(そうそう)は忙しい中にも、この招かざる客に同情し、一晩泊めることにした。二人は多くを語らないが、心を通わせる温かい一夜を過ごす。
唐王は荒原の戦況を憂慮し、舒城(じょじょう)将軍(しょじょうしょうぐん)を派遣することを決めるが、夏天(か・てん)は約束違仮だと仮発する。しかし、唐王は荒人(こうじん)南遷の重大性を主張し、譲らない。夏天(か・てん)は荒人(こうじん)のために弁護するも、唐王の決意を覆すことはできなかった。
翌日、西陵(せいりょう)と書院(しょいん)の軍事会議が開かれ、莫山山(ばく・さんさん)らが出席する中、寧缺(ねい・けつ)は体調不良を理由に欠席するが、実際はこっそり後をつけていた。羅克敵が会議を主導し、荒原への食糧輸送の任務を莫山山(ばく・さんさん)に押し付ける。プレッシャーの中、莫山山(ばく・さんさん)は軍令状を書き、寧缺(ねい・けつ)は自ら案内役を買って出る。
桑桑(そうそう)は忙しい合間にも寧缺(ねい・けつ)と「会話」し、衛光明(えい・こうめい)を泊めたことなど、日々の出来事を共有する。寧缺(ねい・けつ)と合流した莫山山(ばく・さんさん)は、寧缺(ねい・けつ)の正体を探ろうとするが、寧缺の断固とした態度に押され、信じるしかなかった。
同時に、荒人(こうじん)三長老(さんちょうろう)の陣地では不穏な空気が流れていた。夏天(か・てん)が遣わしたという宮女が正体を暴かれ、殺害される。夏天(か・てん)はこの宮女を知らないものの、三長老(さんちょうろう)に無実の人を殺さないよう警告する。一方、夏侯(か・こう)は寧缺の行方をつかみ、林零を刺客として送り込む。新たな危機が静かに迫っていた。
第32話 感想
「将夜 戦乱の帝国」第32話は、様々な伏線が散りばめられ、今後の展開がますます気になるエピソードでした。それぞれのキャラクターの思惑が交錯し、緊張感が高まっています。
まず、李明池の行動が物語に大きな波紋を投げかけました。彼は夏天の秘密を暴くことで、権力への野心を露わにしました。李漁との取引は、今後の権力争いに大きな影響を与えるでしょう。二人の駆け引きからも目が離せません。
つづく