あらすじ

第三十三話は、夏侯か・こう寧缺ねい・けつを荒野で討つよう命じられるも、心に迷いを抱く場面から始まります。一方、荒野を旅する寧缺ねい・けつ莫山山ばく・さんさんの一行は、馬賊に襲撃されます。知略と激しい戦闘の末、馬賊を撃退しますが、寧缺ねい・けつはその首領の一人が仇敵である林零りんれいだと気付きます。都では、桑桑そうそう衛光明えい・こうめいに弟子入りを勧められ、寧缺ねい・けつの帰りを待ってから決断すると返答します。また、李漁り・ぎょ夏天か・てん下から脅迫される悪夢にうなされ、恐怖に怯えます。この回は、登場人物たちの複雑な関係性と緊迫感溢れる戦闘シーンが描かれています。

ネタバレ

西陵せいりょうの密命を受けた程立雪てい・りゅうせつは、夏侯か・こうに荒野へ行き寧缺ねい・けつを抹殺するよう掌教しょうきょうの意を伝えた。夏侯か・こうは複雑な心境ながらも、蓮生れん・せいの消息への微かな希望を抱き、危険な旅へと出発する。

一方、寧缺ねい・けつ鍾大俊しょうだいしゅんと名乗り、莫山山ばく・さんさんと共に荒野を旅していた。道中、隆慶りゅうけいと遭遇するも、深く関わらず先を急ぐ。都では、桑桑そうそうに付きまとう衛光明えい・こうめいが弟子入りを勧めていた。桑桑そうそうは何度も断るが、衛光明えい・こうめい的の熱意に心を動かされ、寧缺ねい・けつの帰りを待つことを条件に、弟子入りを検討することにした。

荒野では、寧缺ねい・けつ莫山山ばく・さんさんの一行が謎の馬賊に襲われる。馬賊の動きは訓練されているようで、二人は警戒を強める。夜襲を仕掛けるも、逆に食料を奪われてしまう。寧缺ねい・けつは逃亡しようとした兵士を斬り、残った者たちの結束を促し、奪われた食料を取り戻すことを誓う。

都では、桑桑そうそうに促され目を覚ました衛光明えい・こうめいと、穏やかな朝が始まる。桑桑そうそう衛光明えい・こうめいの不器用な優しさに笑顔を見せながらも、寧缺ねい・けつへの想いを募らせていた。

荒野では、寧缺ねい・けつたちは馬賊との激しい戦闘に突入する。寧缺ねい・けつは馬賊の首領・林零りんれいと対峙する。林零りんれいはかつて林将軍はやし・しょうぐん家を滅ぼした張本人であり、二人の因縁が明らかになる。戦闘中、莫山山ばく・さんさんの小師妹・兔児とじ寧缺ねい・けつを庇い命を落とす。悲しみに暮れる寧缺ねい・けつ莫山山ばく・さんさん莫山山ばく・さんさんの支援を受け、寧缺ねい・けつは重傷を負いながらも林零りんれいを撃退するが、林零りんれいもまた傷を負い逃走する。

戦後、兔児とじの仇を討つことを誓う莫山山ばく・さんさん寧缺ねい・けつは複雑な思いで去っていく馬車を見送る。一方、都では、夏天か・てん李漁り・ぎょの屋敷に現れ、魔宗まそうの力で李漁り・ぎょを脅迫し、宮中に潜ませた密偵を引き揚げるよう警告する。恐怖に慄く李漁り・ぎょは、悪夢のような出来事に不安を募らせる。

第33話の感想

第33話は、それぞれの場所で様々な思惑が交錯する、緊張感あふれる展開でした。荒野での寧缺ねい・けつ莫山山ばく・さんさんの馬賊との戦いは、手に汗握るアクションシーンに加え、兔児とじの死という悲劇的な結末を迎えるなど、非常に印象的でした。特に、林零りんれい林将軍はやし・しょうぐん家を滅ぼした張本人であるという事実が明らかになり、寧缺ねい・けつとの因縁が深まったことで、今後の展開への期待が高まります。二人の戦いは決著がついたとは言えず、林零りんれいの復讐心も考えると、再戦は避けられないでしょう。

つづく