西陵(せいりょう)の密命を受けた程立雪(てい・りゅうせつ)は、夏侯(か・こう)に荒野へ行き寧缺(ねい・けつ)を抹殺するよう掌教(しょうきょう)の意を伝えた。夏侯(か・こう)は複雑な心境ながらも、蓮生の消息への微かな希望を抱き、危険な旅へと出発する。

一方、寧缺(ねい・けつ)は鍾大俊(しょうだいしゅん)と名乗り、莫山山(ばく・さんさん)と共に荒野を旅していた。道中、隆慶と遭遇するも、深く関わらず先を急ぐ。都では、桑桑(そうそう)に付きまとう衛光明(えい・こうめい)が弟子入りを勧めていた。桑桑(そうそう)は何度も断るが、衛光明(えい・こうめい)的の熱意に心を動かされ、寧缺(ねい・けつ)の帰りを待つことを条件に、弟子入りを検討することにした。

荒野では、寧缺(ねい・けつ)と莫山山(ばく・さんさん)の一行が謎の馬賊に襲われる。馬賊の動きは訓練されているようで、二人は警戒を強める。夜襲を仕掛けるも、逆に食料を奪われてしまう。寧缺(ねい・けつ)は逃亡しようとした兵士を斬り、残った者たちの結束を促し、奪われた食料を取り戻すことを誓う。

都では、桑桑(そうそう)に促され目を覚ました衛光明(えい・こうめい)と、穏やかな朝が始まる。桑桑(そうそう)は衛光明(えい・こうめい)の不器用な優しさに笑顔を見せながらも、寧缺(ねい・けつ)への想いを募らせていた。

荒野では、寧缺たちは馬賊との激しい戦闘に突入する。寧缺は馬賊の首領・林零と対峙する。林零はかつて林将軍家を滅ぼした張本人であり、二人の因縁が明らかになる。戦闘中、莫山山(ばく・さんさん)の小師妹・兔児が寧缺を庇い命を落とす。悲しみに暮れる寧缺と莫山山(ばく・さんさん)。莫山山(ばく・さんさん)の支援を受け、寧缺は重傷を負いながらも林零を撃退するが、林零もまた傷を負い逃走する。

戦後、兔児の仇を討つことを誓う莫山山(ばく・さんさん)。寧缺は複雑な思いで去っていく馬車を見送る。一方、都では、夏天(か・てん)が李漁の屋敷に現れ、魔宗の力で李漁を脅迫し、宮中に潜ませた密偵を引き揚げるよう警告する。恐怖に慄く李漁は、悪夢のような出来事に不安を募らせる。

第33話の感想

第33話は、それぞれの場所で様々な思惑が交錯する、緊張感あふれる展開でした。荒野での寧缺と莫山山の馬賊との戦いは、手に汗握るアクションシーンに加え、兔児の死という悲劇的な結末を迎えるなど、非常に印象的でした。特に、林零が林将軍家を滅ぼした張本人であるという事実が明らかになり、寧缺との因縁が深まったことで、今後の展開への期待が高まります。二人の戦いは決著がついたとは言えず、林零の復讐心も考えると、再戦は避けられないでしょう。

つづく