桑桑(そうそう)は、日々寧缺(ねい・けつ)を待ちわびる中で、彼への想いを募らせていた。将来寧缺(ねい・けつ)を守り抜くため、彼女は衛光明(えい・こうめい)に神術の教えを請うことを決意する。彼女の強い意誌に心を打たれた衛光明(えい・こうめい)は、桑桑(そうそう)と共に修行に励む。師弟の間には、技術の向上だけでなく、温かい絆と喜びも育まれていく。
一方、寧缺(ねい・けつ)と莫山山(ばく・さんさん)は、数々の困難を乗り越え、馬賊を討ち、貴重な兵糧を取り戻すことに成功する。一刻も早く本営へ戻るため、二人は馬を駆る。しかし、莫山山(ばく・さんさん)は念力を使い果たし、疲労困憊してしまう。寧缺(ねい・けつ)は彼女の身を案じながらも、戦況の逼迫を理解し、彼女を励ましながら急ぎ進む。
皇宮では、夏天(か・てん)が琥珀(こはく)の安全を守るため警備を強化していたが、琥珀(こはく)は行方不明になってしまう。その後、三長老(さんちょうろう)と戯れているのが見つかり、夏天(か・てん)は琥珀(こはく)を厳しく叱責し、三長老(さんちょうろう)から遠ざけるよう命じる。同時に、三長老(さんちょうろう)が琥珀(こはく)に特別な関心を寄せていることに気づき、警戒心を強める。
暇を見つけては寧缺(ねい・けつ)の鶏湯帖を模写することに夢中な莫山山(ばく・さんさん)は、食事も忘れてしまうほどだった。それを見かねた師姉の酌之華(しゃく・のはな)は、寧缺(ねい・けつ)に頼んで莫山山(ばく・さんさん)に焼き鳥を届ける。しかし、寧缺(ねい・けつ)はそれを機に莫山山(ばく・さんさん)をからかい、彼女が崇拝する書院(しょいん)十三先生を散々にけなす。莫山山(ばく・さんさん)は恥ずかしさと怒りを覚えながらも、二人の間にはちょっとした誤解と微笑ましいやり取りが生まれる。
その頃、徐崇山(じょすうざん)は三長老(さんちょうろう)の失踪に気づき、夏天(か・てん)は彼が李琿圓に復讐に向かったのではないかと察する。案の定、演武場で三長老(さんちょうろう)は李琿圓を襲撃するが、夏天(か・てん)が間に入り李琿圓は難を逃れる。この事態に李漁は動揺し、急いで李琿圓を公主府へ連れ帰るが、そこで何者かに襲われ、傷を悪化させてしまう。
荒人(こうじん)との和平交渉の知らせを聞いた寧缺(ねい・けつ)は、安堵の胸をなでおろす。莫山山(ばく・さんさん)も喜び、二人は今後の戦術について意見を交わす。寧缺(ねい・けつ)の実戦経験に基づいた助言は、莫山山(ばく・さんさん)にとって大きな学びとなり、二人の関係はさらに深まる。
しかし、陸晨伽の突然の訪問が、この穏やかな時間を破る。彼女は旧交を温めるという名目で莫山山(ばく・さんさん)を誘い出すが、実際には別の目的があった。川辺で二人はそれぞれの立場から対立し、激昂した莫山山(ばく・さんさん)は陸晨伽が大切にしている雪蓮を燃やしてしまう。悲しみに暮れる陸晨伽だったが、自らの力で雪蓮を蘇生させ、隆慶との複雑な関係を明かす。莫山山(ばく・さんさん)はそれを聞き、自業自得だと冷たく言い放つ。
一方、夏天(か・てん)からの返答がないことに痺れを切らした三長老(さんちょうろう)は、唐王に謁見するため皇宮へ押し入る。夏天(か・てん)は必死に阻止しようとするが、三長老(さんちょうろう)の魔宗の力には敵わない。窮地に陥ったその時、唐王が現れ、自らの命と引き換えに夏天(か・てん)を守る。深い君臣の情が垣間見える場面だった。しかし、三長老(さんちょうろう)の気まぐれな行動により、事態は再び緊迫の度を増す。
この回では、桑桑(そうそう)と衛光明(えい・こうめい)の師弟愛、寧缺(ねい・けつ)と莫山山(ばく・さんさん)の微妙な感情、そして皇宮内での権力争いなど、様々な出来事が複雑に絡み合い、目が離せない展開となっている。
第34話の感想
第34話は、それぞれのキャラクターの想いが交錯し、物語が大きく動き出す重要な回でした。特に印象的だったのは、桑桑(そうそう)の決意と寧缺(ねい・けつ)との関係性の変化です。愛する寧缺(ねい・けつ)を守るため、自ら厳しい修行の道を選ぶ桑桑(そうそう)のひたむきな姿は胸を打つものがありました。一方、寧缺と莫山山の関係も少しずつ変化を見せています。互いに信頼を深めながらも、どこかぎこちない二人のやり取りは、今後の展開を期待させるものでした。
また、宮廷内での権力争いも激化しています。琥珀(こはく)を巡る夏天(か・てん)と三長老(さんちょうろう)の対立、そして唐王の身を挺した行動は、今後の波乱を予感させます。特に、三長老(さんちょうろう)の狂気的な行動は、物語に緊張感を与えています。
つづく