寧缺(ねい・けつ)と莫山山(ばく・さんさん)は大明湖(だいめいこ)畔で魔宗の山門が現れるのを待ちわびていた。隆慶を傷つけた寧缺(ねい・けつ)を心配する莫山山(ばく・さんさん)に対し、寧缺(ねい・けつ)は桑桑(そうそう)を守る決意を固く示し、その深い愛情に莫山山(ばく・さんさん)は胸を締め付けられる。
一方、衛光明(えい・こうめい)は桑桑(そうそう)に神術を教え、その成長に目を細めていた。また、唐は妹の唐小棠(とう・しょうとう)に、魔宗聖女とはいえ葉紅魚(よう・こうぎょ)への挑発は控えるよう忠告する。唐小棠(とう・しょうとう)は葉紅魚(よう・こうぎょ)の真意を疑いつつも、宗主の帰還を信じていた。
葉紅魚(よう・こうぎょ)の追跡から逃れる寧缺(ねい・けつ)と莫山山(ばく・さんさん)。葉紅魚(よう・こうぎょ)は隆慶の仇討ちを誓い、莫山山(ばく・さんさん)は寧缺(ねい・けつ)を庇う。寧缺(ねい・けつ)は莫山山(ばく・さんさん)を巻き込まないよう単独で逃げるが、すぐに彼女がいないことに気づき引き返す。葉紅魚(よう・こうぎょ)との激戦の中、劣勢ながらも機転を利かせ、莫山山の「焚天符」によって形勢逆転。寧缺の護身符により葉紅魚(よう・こうぎょ)の仮撃も封じ、さらに攻勢を強める。
その時、寧缺が偶然魔宗の禁製に触れ、大明湖(だいめいこ)に門が出現する。夏侯(か・こう)と唐もこれを感じ取り、唐小棠(とう・しょうとう)は寧缺の実力に感服し、夫子(ふうし)に弟子入りしたいとまで思うようになる。寧缺は葉紅魚に弓で脅され、一時的に両者は休戦し、山門へと足を踏み入れる。
門の中は闇に包まれており、三人は松明を灯して進む。荒廃とした場所で、寧缺が転倒した拍子に、先代裁決司(さいけつし)大神座、蓮生三十二の逸話が語られる。葉紅魚は蓮生に畏敬の念を抱いていた。寧缺は師叔の柯浩然(ここうぜん)と蓮生の確執に興味を持ち、蓮生は柯浩然(ここうぜん)が風塵の女と結婚したことで疎遠になり、後に浩然剣の暴走で魔宗との戦いが起きたと語る。寧缺は半信半疑で、葉紅魚は夫子(ふうし)に尋ねるよう勧める。
さらに奥へ進むと、蓮生の饕餮大陣に遭遇。葉紅魚が囚われ苦しむ中、寧缺は自らの気血で彼女を救おうとする。その姿に蓮生は感銘を受け、弟子にしようと持ちかけるが、寧缺は自分の道は違うと拒否する。
最終的に、寧缺の機転と粘り強さで、蓮生の正体と陰謀が暴かれる。蓮生はかつて魔宗宗主を装い、柯浩然(ここうぜん)を利用して魔宗を滅ぼそうとしていたのだ。全ての真相が明らかになり、蓮生の計画は失敗に終わる。寧缺、莫山山、葉紅魚はこの冒険を通して、それぞれの信念をさらに強くする。
第38話の感想
第38話は、寧缺の桑桑(そうそう)への深い愛情と、莫山山の切ない片思いが印象的なエピソードでした。寧缺の強い意誌と、大切な人を守る姿は、まさに主人公の風格を感じさせます。一方、莫山山の秘めた想いは見ているこちらも胸が締め付けられるようでした。二人の関係性の変化に今後注目したいです。
また、唐小棠(とう・しょうとう)の無邪気さと、葉紅魚のクールな性格の対比も面白かったです。特に、唐小棠(とう・しょうとう)が寧缺の実力に感服し、夫子(ふうし)に弟子入りを誌願するシーンは、彼女の純粋さや成長が感じられ、微笑ましい場面でした。
そして、物語の核心となる蓮生三十二の過去と陰謀が明らかになり、一気に物語が深まりました。柯浩然(ここうぜん)との因縁や、魔宗を利用した策略など、複雑な人間関係や過去の出来事が絡み合い、今後の展開がますます気になります。蓮生の真の目的は何なのか、そして寧缺たちはどのように立ち向かっていくのか、今後の展開から目が離せません。
つづく