あらすじ
第三十八話は、寧缺と莫山山が大明湖畔で魔宗の山門が開くのを待っている場面から始まります。莫山山は隆慶を射傷した寧缺が報復されるのではないかと心配しますが、寧缺は桑桑に危害が及ぶようなことは決してないと断言します。一方、衛光明は桑桑に神術を教え、桑桑は目覚ましい進歩を見せていました。
そんな中、葉紅魚が寧缺と莫山山を追跡し、三つ巴の激戦が繰り広げられます。莫山山は「焚天符」を用いて葉紅魚を封じ、寧缺はすかさず反撃に出ます。その際、寧缺が偶然にも魔宗の禁制に触れたことで山門が開き、三人は門の中へと足を踏み入れます。そこは、長い間廃墟と化していた魔宗の旧跡でした。
廃墟を探索する中で、一行は蓮生が仕掛けた饕餮大陣に遭遇します。寧缺は自らの気血を犠牲にして葉紅魚の安全を確保し、その勇敢な行動は蓮生の賞賛を得ます。そしてついに、寧缺は蓮生が宗主を偽り、柯浩然を陥れた陰謀を暴きます。三人は力を合わせ、蓮生の企みを阻止することに成功するのでした。
ネタバレ
寧缺と莫山山は大明湖畔で魔宗の山門が現れるのを待ちわびていた。隆慶を傷つけた寧缺を心配する莫山山に対し、寧缺は桑桑を守る決意を固く示し、その深い愛情に莫山山は胸を締め付けられる。
一方、衛光明は桑桑に神術を教え、その成長に目を細めていた。また、唐は妹の唐小棠に、魔宗聖女とはいえ葉紅魚への挑発は控えるよう忠告する。唐小棠は葉紅魚の真意を疑いつつも、宗主の帰還を信じていた。
葉紅魚の追跡から逃れる寧缺と莫山山。葉紅魚は隆慶の仇討ちを誓い、莫山山は寧缺を庇う。寧缺は莫山山を巻き込まないよう単独で逃げるが、すぐに彼女がいないことに気づき引き返す。葉紅魚との激戦の中、劣勢ながらも機転を利かせ、莫山山の「焚天符」によって形勢逆転。寧缺の護身符により葉紅魚の仮撃も封じ、さらに攻勢を強める。
その時、寧缺が偶然魔宗の禁製に触れ、大明湖に門が出現する。夏侯と唐もこれを感じ取り、唐小棠は寧缺の実力に感服し、夫子に弟子入りしたいとまで思うようになる。寧缺は葉紅魚に弓で脅され、一時的に両者は休戦し、山門へと足を踏み入れる。
門の中は闇に包まれており、三人は松明を灯して進む。荒廃とした場所で、寧缺が転倒した拍子に、先代裁決司大神座、蓮生三十二の逸話が語られる。葉紅魚は蓮生に畏敬の念を抱いていた。寧缺は師叔の柯浩然と蓮生の確執に興味を持ち、蓮生は柯浩然が風塵の女と結婚したことで疎遠になり、後に浩然剣の暴走で魔宗との戦いが起きたと語る。寧缺は半信半疑で、葉紅魚は夫子に尋ねるよう勧める。
さらに奥へ進むと、蓮生の饕餮大陣に遭遇。葉紅魚が囚われ苦しむ中、寧缺は自らの気血で彼女を救おうとする。その姿に蓮生は感銘を受け、弟子にしようと持ちかけるが、寧缺は自分の道は違うと拒否する。
最終的に、寧缺の機転と粘り強さで、蓮生の正体と陰謀が暴かれる。蓮生はかつて魔宗宗主を装い、柯浩然を利用して魔宗を滅ぼそうとしていたのだ。全ての真相が明らかになり、蓮生の計画は失敗に終わる。寧缺、莫山山、葉紅魚はこの冒険を通して、それぞれの信念をさらに強くする。
第38話の感想
第38話は、寧缺の桑桑への深い愛情と、莫山山の切ない片思いが印象的なエピソードでした。寧缺の強い意誌と、大切な人を守る姿は、まさに主人公の風格を感じさせます。一方、莫山山の秘めた想いは見ているこちらも胸が締め付けられるようでした。二人の関係性の変化に今後注目したいです。
また、唐小棠の無邪気さと、葉紅魚のクールな性格の対比も面白かったです。特に、唐小棠が寧缺の実力に感服し、夫子に弟子入りを誌願するシーンは、彼女の純粋さや成長が感じられ、微笑ましい場面でした。
そして、物語の核心となる蓮生三十二の過去と陰謀が明らかになり、一気に物語が深まりました。柯浩然との因縁や、魔宗を利用した策略など、複雑な人間関係や過去の出来事が絡み合い、今後の展開がますます気になります。蓮生の真の目的は何なのか、そして寧缺たちはどのように立ち向かっていくのか、今後の展開から目が離せません。
つづく