危険な秘境で、寧缺(ねい・けつ)は邪悪な蓮生に立ち向かう強い意誌を示した。蓮生が葉紅魚(よう・こうぎょ)の精気を吸い取ろうとする凶行に対し、寧缺(ねい・けつ)は身を挺して戦いへと突入した。葉紅魚(よう・こうぎょ)は叩きつけられたものの諦めず、駆けつけた莫山山(ばく・さんさん)と共に蓮生に抵抗した。

蓮生は巨大な紅い火獣を召喚し寧缺(ねい・けつ)を襲うが、寧缺(ねい・けつ)は念力で無数の飛剣を放ち火獣を倒した。しかし蓮生は無傷で、更に力を増した。激しい攻防の末、寧缺(ねい・けつ)は蓮生に高く投げ飛ばされ、地面に叩きつけられる。葉紅魚(よう・こうぎょ)も寧缺(ねい・けつ)も仮撃するが、蓮生に敵わない。絶体絶命のその時、葉紅魚(よう・こうぎょ)は自ら境界を下げて鎖の束縛を解き、莫山山(ばく・さんさん)は神符と塊壘陣で攻撃するも、蓮生は全てを無効化した。

誰もが希望を失いかけたその時、寧缺は柯浩然(ここうぜん)が残した石壁の剣技を思い出す。そして浩然剣法を繰り出し、蓮生に猛攻を仕掛ける。蓮生は分身を作り出して寧缺を惑わそうとするが、寧缺は神剣の力で分身を次々と斬り捨て、最後は柯浩然(ここうぜん)の樊籠大陣で蓮生を再び捕らえる。蓮生は抵抗を試みるも、寧缺の持つ護命の玉扳指を見て敗北を悟り、煙のように消え去った。

夜、老筆斎は静かだった。衛光明(えい・こうめい)は床に就こうとしており、桑桑(そうそう)は足を温めながら荒野にいる寧缺を心配していた。彼女は衛光明(えい・こうめい)の服を縫いながら、寧缺への想いを口にする。翌朝、桑桑(そうそう)は衛光明(えい・こうめい)に公主府へ行くことと、隣の呉嬸の家で食事をするように書き置きを残した。

公主府では、李漁が李琿圓の悪行を叱責し、桑桑(そうそう)に謝罪させた。心優しい桑桑(そうそう)は李琿圓を許し、事を収めた。その後、李漁は桑桑(そうそう)と小蛮(しょうばん)を遊ばせ、陳皮皮(ちんぴぴ)は書院(しょいん)に戻り、君陌(くんはく)に衛光明(えい・こうめい)の居場所を報告した。君陌(くんはく)はなぜ衛光明(えい・こうめい)が老筆斎にいるのか理解できなかった。

公主府から戻った桑桑(そうそう)は、食べ物だけでなく衛光明(えい・こうめい)への気遣いも見せた。彼女は衛光明のために作った新しい服を著せ、暖かくするように言った。衛光明はこの温情に触れ、使命と憎しみを忘れかけていた。しかし、顔瑟(がんしつ)大師の出現がこの静けさを破る。彼は衛光明と桑桑(そうそう)の様子を見て疑念を抱き、寧缺を衛光明から守ることを決意する。

一方、秘境では、莫山山(ばく・さんさん)と寧缺が探索を続けていた。二人は蓮生が持ち去った天書の痕跡を見つけ、出口を探していた。葉紅魚(よう・こうぎょ)の冷やかしを受け、莫山山(ばく・さんさん)は寧缺に愛を告白する。寧缺は直感で隠された通路を見つけ、三人は危険な大殿から脱出した。

同じ頃、陳皮皮(ちんぴぴ)は衛光明に碁を申し込む。彼は碁が強いが衛光明には敬意を払っており、最終的に衛光明に励まされて勝利する。そして、桑桑(そうそう)が何気なく衛光明を「師父」と呼んだことに陳皮皮(ちんぴぴ)は驚く。これらの出来事は登場人物たちの関係を深め、今後の展開をより複雑で面白くすることを予感させた。

第39話の感想

第39話は、手に汗握る戦闘シーンと、登場人物たちの心の機微が繊細に描かれた、見応えのあるエピソードでした。特に寧缺と蓮生の対決は、緊迫感溢れる演出と迫力のある作画で、物語のクライマックスを盛り上げていました。寧缺が窮地に追い込まれながらも、柯浩然(ここうぜん)の剣技を思い出し、逆転勝利を収める展開は、まさにカタルシスを感じさせるものでした。

一方、老筆斎での桑桑(そうそう)と衛光明の穏やかな日常は、荒野での激しい戦いと対照的で、物語に深みを与えていました。桑桑(そうそう)の無償の愛と献身的な姿は、視聴者の心を温かく包み込み、衛光明の心の変化を予感させます。しかし、顔瑟(がんしつ)大師の登場により、この穏やかな時間は終わりを告げ、今後の波乱を予感させます。

つづく