張貽琦(ちょう・いき)は李沛言の威圧に完全に屈し、震えながら跪き、命を懸けて忠誠を誓った。李沛言は叱責するどころか高笑いし、清運司の勢力拡大の好機と捉えるよう促した。翌日、意気揚々と就任した張貽琦(ちょう・いき)は、常思威(じ・ょうしい)と共に清運司脇の路地の整理に乗り出す。そこは魚龍幇(ぎょりゅうほう)の縄張りであったが、張貽琦(ちょう・いき)は常思威(じ・ょうしい)の忠告を無視し、強引に立ち退きを迫る。
路地の住民に三日以内の立ち退きを通達したことで、魚龍幇(ぎょりゅうほう)の頭領、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)の怒りを買った。朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は自ら率いて乗り込み、常思威(じ・ょうしい)は恐れをなして逃げ出した。朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は路地を封鎖し、張貽琦(ちょう・いき)との対決姿勢を明らかにする。一方、崔得禄(さい・とくろく)は急ぎ主人にこの一件を報告し、清運司に協力して朝小樹(ちょう・しょうしゅ)を討つことを申し出る。混乱に乗じて修行者を使う策まで提案した。崔得禄(さい・とくろく)の主人は、滅びた燕国の太子、崇明(すうめい)であった。国を奪われた恨みを唐王に抱き、復讐を誓っている。
同じ頃、寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)は通関文書を携えて都城へ入るが、魚龍幇(ぎょりゅうほう)の斉四(さいし)爺の特権を利用して紛れ込む。賑やかな朱雀(すざく)大通りに出た二人だったが、突然の豪雨に見舞われる。寧缺(ねい・けつ)は胸の痛みを感じ、桑桑(そうそう)も異常な寒さに襲われる。二人は身を寄せ合うが、雨上がりには不思議なことに二人の不調は消え去っていた。
書院(しょいん)の二先生、君陌(くんはく)と大師兄の李慢慢は思過崖で再会し、小師叔の不屈の精神を偲び、次にこの地に足跡を残す者を待ち望んでいた。寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)はかつての曽家の跡地を訪れ、過ぎ去った日々を懐かしむ。寧缺(ねい・けつ)は幼い頃の思い出に浸り、桑桑(そうそう)は門前の乞丐に施しをする。そこに卓爾(たくじ)が密かに寧缺(ねい・けつ)を尾行しており、鉢合わせた二人は争いになる。しかし、寧缺(ねい・けつ)は卓爾(たくじ)の手首に巻かれた革紐に気づき、幼い頃、共に逃亡した時の証だと確信する。こうして再会を果たした二人は、夏侯(か・こう)への復讐を誓い合う。
一方、唐国の三皇子、李琿圓は李漁の叱責を受け、遊び心を抑えるが、その腹いせを御史台(ぎょしだい)の小公子にぶつける。李漁は弟の行いを嘆くも、どうすることもできない。李沛言と李漁は叔姪の再会を果たし、互いの境遇を語り合う。李沛言は李漁に唐王への恨みを捨てるよう諭すが、李漁の心は晴れない。
李漁は小蛮(しょうばん)を連れて唐王に謁見する。かつての親子の情が蘇り、唐王は李漁を慈しみ、幼い頃の思い出の品を大切に保管していた。李漁の幸せを願う唐王の心に、李漁は何を思うのか。寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)は金欠のため、路上で夜を明かす。桑桑(そうそう)は寧缺(ねい・けつ)に字を書いて売ることを提案し、二人は力を合わせて苦境を乗り越えようとする。
朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は深夜に卓爾(たくじ)を呼び出し、彼の軍部での身分を知るも、すぐには手を下さない。むしろ彼を利用し、軍部と魚龍幇(ぎょりゅうほう)の動向を探ろうとする。朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は卓爾(たくじ)に覆面の人物の価顔絵を渡し、その行方を追うよう命じる。複雑に絡み合う都城の陰で、様々な勢力が蠢き、嵐の予感が漂っていた。
第四話 それぞれの思惑が交錯する都、再会の喜びと復讐の誓い
第四話は、それぞれのキャラクターの思惑が複雑に交錯し、物語の緊張感を高めるエピソードでした。都城という舞台で、新たな出会い、再会、そして復讐への誓いなど、様々なドラマが展開されました。
張貽琦(ちょう・いき)は李沛言の権力に屈服し、清運司の勢力拡大に利用される駒となります。彼の傲慢さと短慮さが、魚龍幇(ぎょりゅうほう)との衝突を招き、今後の波乱を予感させます。対照的に、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は冷静沈著で、卓爾(たくじ)を利用して情報収集を図るなど、頭領としての才覚を発揮しています。
寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)は都城での生活をスタートさせますが、突然の体調不良は謎を残します。二人の絆の深さが描かれる一方で、今後の展開への不安も感じさせます。曽家の跡地でのシーンは、彼らの過去を偲ばせる切ない場面でした。卓爾(たくじ)との再会は、夏侯(か・こう)への復讐という新たな目的を生み出し、物語に大きな転換点をもたらします。
つづく