茫漠たる空の下、顔瑟(がんしつ)師匠は驚天動地の符を放った。暁光のようなその符は、幾重もの霧を突き抜け、衛光明(えい・こうめい)に世界の真諦を垣間見せた。心の迷いが晴れた衛光明(えい・こうめい)は、悟りを開き、桑桑(そうそう)に自らの全ての修為を継承することを決意する。そして、顔瑟(がんしつ)と衛光明(えい・こうめい)は手を取り合い、無欲無求、世俗を超越した境地へと歩みを進めた。二人の姿は徐々に薄れ、天と地の間を吹き抜ける風となり、空に舞う雪だけが、この壮大な別れを見届けた。

衝撃から目覚めた桑桑(そうそう)は、二人の師が既に傍らにいないことに気付き、悲しみに暮れ、涙が止めどなく溢れ出た。二人の行方を探すが、そこには何も残されていなかった。駆けつけた君陌(くんはく)と陳皮皮(ちんぴぴ)は、支えを失った桑桑(そうそう)を慰めた。灰燼と化した師匠たちの遺塵を、君陌(くんはく)は念力で集め、桑桑(そうそう)は顔瑟(がんしつ)の遺灰を古い陶器の甕に、衛光明(えい・こうめい)的遺灰を新しい陶器の甕に納めた。そして、寧缺(ねい・けつ)にも会わせてあげようと、老筆斎へ持ち帰ることにした。

一方、寧缺(ねい・けつ)、莫山山(ばく・さんさん)、葉紅魚(よう・こうぎょ)は、莫山山(ばく・さんさん)の案内で魔宗大殿から脱出するも、天棄山穀には出口がないことに気付く。途方に暮れる中、寧缺(ねい・けつ)は唐小棠(とう・しょうとう)と遭遇し、誤解から衝突寸前となるが、葉紅魚(よう・こうぎょ)が間一髪で止めた。唐小棠(とう・しょうとう)は、書院(しょいん)に入ることを条件に彼らを脱出させると持ちかけ、寧缺(ねい・けつ)は不本意ながらも承諾し、莫山山(ばく・さんさん)の監視の下、書面で契約を交わした。

道中、唐小棠(とう・しょうとう)が抱える雪狼に興味を持った寧缺(ねい・けつ)は、「陳皮皮(ちんぴぴ)は唐皮皮の兄だ」という冗談を言う。すると、唐小棠(とう・しょうとう)は陳皮皮(ちんぴぴ)に興味を持ち、挑戦したいと言い出す。寧缺(ねい・けつ)は唐小棠(とう・しょうとう)を抱き込み、都で桑桑(そうそう)の料理をご馳走すると誘い、場が和んだ。

しかし、束の間の平和は、夏侯(か・こう)の襲撃によって破られた。天書を奪おうとする夏侯(か・こう)は、寧缺(ねい・けつ)たちに容赦なく襲いかかる。激しい戦闘の中、莫山山(ばく・さんさん)と葉紅魚(よう・こうぎょ)が負傷し、寧缺(ねい・けつ)も窮地に陥る。そこへ李慢慢が駆けつけ、一人で危機を脱した。形勢不利と見た夏侯(か・こう)は、小箱に入っていた蓮生の遺灰を天書と勘違いして持ち逃げした。

危機を脱した後、葉紅魚(よう・こうぎょ)と唐小棠(とう・しょうとう)は去り、莫山山(ばく・さんさん)も陣地へ戻ろうとする。名残惜しそうな寧缺(ねい・けつ)の様子を見て、李慢慢は莫山山(ばく・さんさん)を唐の都へ招待し、風土人情や書院(しょいん)を見学することを勧めた。莫山山(ばく・さんさん)は快諾し、二人の仲は深まった。

金帳草原へ向かう途中、寧缺(ねい・けつ)は天書の行方を尋ねると、李慢慢は明字巻の天書を取り出した。なんと、天書はずっと李慢慢の手元に保管されていたのだ。驚く寧缺(ねい・けつ)に、李慢慢は寧缺(ねい・けつ)の修為ではまだ天書の内容を理解できないと説明した。寧缺が夫子(ふうし)の行方を尋ねると、李慢慢は夫子(ふうし)が酒徒(しゅと)と酒を酌み交わしていることを明かした。

場面は固郡山の酒蔵に移り、偽物の酒を飲んで激怒する酒徒(しゅと)の前に、夫子(ふうし)が本物の九江双蒸を持って現れる。夫子(ふうし)の来意を察しながらも、酒に釣られた酒徒(しゅと)は、夫子(ふうし)を屠夫の元へ案内した。これらの出来事は、寧缺の修行の道をより険しいものにし、同時に世界への理解を深めることとなった。

第41話の感想

第41話は、感動的な別れと新たな出会いが交錯する、非常にドラマチックな展開でした。顔瑟(がんしつ)と衛光明(えい・こうめい)の最期は、美しくも切なく、深い余韻を残しました。二人の無私の愛と、世界の真理への探求は、桑桑(そうそう)だけでなく、視聴者の心にも大きな影響を与えたことでしょう。特に、雪が舞い散る中、二人の姿が消えていくシーンは、視覚的にも非常に美しく、彼らの魂の昇華を象徴しているようでした。

一方、寧缺たちは、魔宗大殿からの脱出劇を経て、新たな局面を迎えます。唐小棠(とう・しょうとう)との出会いは、今後の展開に大きな影響を与えそうで、彼女の天真爛漫さと戦闘能力の高さが、物語に新たな風を吹き込んでくれるでしょう。また、夏侯(か・こう)の襲撃は、物語に緊張感を与え、天書をめぐる争いが激化していくことを予感させます。李慢慢の登場は、まさに救世主のようであり、彼の圧倒的な強さと知略は、頼もしい存在です。

つづく