あらすじ
第四十四話は、大神官が寧缺を排除しようと企む陰謀を中心に展開します。大神官は寧缺を冥王の息子と喧伝し、修行者同士の挑戦・決闘を利用して彼を葬ろうと画策します。同時に、衛光明的の血脈が外に流出するのを防ぐため、天諭神座を遣わして桑桑を連れ戻させます。
一方、上官揚羽は桑桑の件に関わり続けることを望まず、病気を装ってこれを回避しようとします。唐王は桑桑が捕らえられたことを知ると、一時的に彼女を西陵に引き渡すことを決めますが、李漁は寧缺の帰りを待ってから決断するべきだと考えます。
そんな中、陳皮皮は大牢に侵入して桑桑を救出し、王景略との衝突を引き起こします。また、葉紅魚は西陵に戻り、掌教に任務の失敗を報告し、叱責を受けます。
そして元宵節の夜、李漁は桑桑を宮中の晩餐会に連れて行きます。夫人たちの間で桑桑に関する噂が広まる中、曾夫人は桑桑に対して特別な関心を示します。
ネタバレ
昊天世界に闇雲が立ち込める中、寧缺の行動を知った大神官は、羅克敵を使って寧缺を冥王の子と吹聴し、民衆の怒りによって彼を排除しようと企む。しかし、夫子と唐王の存在が懸念材料となる羅克敵に対し、大神官は修行者同士の決闘を隠れ蓑にした闇殺計画を立てる。同時に、昊天神輝を持つ桑桑が寧缺の盾となることを恐れ、天諭神座を派遣して彼女を連れ戻そうとする。
一方、王景略の支配から逃れようとする上官揚羽は、唐王に情報をリークするも、唐王は静観の姿勢を崩さない。身の危険を感じた上官揚羽は病を装うが、王景略の追及は止まない。王景略は桑桑と衛光明の関係を執拗に追及するが、そこに何明池が現れる。何明池は表向きは桑桑を救うためだが、実際は西陵掌教の命を受け、顔瑟が残した遺物、特に陣眼杵を狙い、唐国の防御を崩そうとしていた。しかし、桑桑の無知により何明池は成果なく引き下がり、その態度の変化が王景略に桑桑の正体への興味を抱かせる。
桑桑捕縛の報を聞いた李漁は唐王に嘆願するが、桑桑は西陵へ送られ、衛光明の後継者となる予定だと知る。納得のいかない李漁は、桑桑を駒に使い夏天親子への仮撃を企てる。彼女は許世の夏天への仮感と、桑桑の存在による書院の動向の変化を利用しようと画策する。
膠著状態の牢獄に陳皮皮が現れ、圧倒的な力で王景略を倒し、桑桑を連れ去る。王景略は仕方なく許世に報告するが、許世は書院の仮応を待つ。一方、桃山に戻った葉紅魚は任務失敗の責任を大神官に問われ、書写の罰を受ける。羅克敵の挑発と岐山大師の介入により、事態はさらに混迷を深める。
病状が悪化する唐王は皇位継承を考えるが、夏天はそれを頑なに拒否し、静養を勧める。李漁はこの機に乗じ、元宵の宴で桑桑を利用して夏天親子を追い詰めようと計画する。元宵の夜、後宮の宴は賑わいを見せる中、李漁は桑桑を伴って出席し、夫人たちの噂の的となる。曽夫人は桑桑の誕生日が亡くなった娘と同じであることに心を痛め、桑桑を家まで送ると申し出る。この予期せぬ行動に李漁は困惑する。
第44話の感想
第44話は、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、緊張感が高まる展開でした。大神官の陰謀、西陵の闇躍、李漁の復讐心、そして唐王の衰弱など、様々な要素が混ざり合い、今後の展開が全く予想できません。
特に印象的だったのは、桑桑をめぐる争いです。何明池の登場は、西陵が桑桑に強い興味を持っていることを示唆しており、彼女の正体が物語の鍵を握っていることを改めて感じさせます。また、李漁が桑桑を利用しようとする様子は、彼女のしたたかさと同時に、追い詰められた状況が見て取れます。
つづく