昊天世界に闇雲が立ち込める中、寧缺(ねい・けつ)の行動を知った大神官(だいしんかん)は、羅克敵を使って寧缺(ねい・けつ)を冥王の子と吹聴し、民衆の怒りによって彼を排除しようと企む。しかし、夫子(ふうし)と唐王の存在が懸念材料となる羅克敵に対し、大神官(だいしんかん)は修行者同士の決闘を隠れ蓑にした闇殺計画を立てる。同時に、昊天神輝(こうてんしんき)を持つ桑桑(そうそう)が寧缺(ねい・けつ)の盾となることを恐れ、天諭神座を派遣して彼女を連れ戻そうとする。

一方、王景略(おう・けいりゃく)の支配から逃れようとする上官揚羽(じょうかんようう)は、唐王に情報をリークするも、唐王は静観の姿勢を崩さない。身の危険を感じた上官揚羽(じょうかんようう)は病を装うが、王景略(おう・けいりゃく)の追及は止まない。王景略(おう・けいりゃく)は桑桑(そうそう)と衛光明(えい・こうめい)の関係を執拗に追及するが、そこに何明池(か・めいち)が現れる。何明池(か・めいち)は表向きは桑桑(そうそう)を救うためだが、実際は西陵(せいりょう)掌教(しょうきょう)の命を受け、顔瑟(がんしつ)が残した遺物、特に陣眼杵を狙い、唐国の防御を崩そうとしていた。しかし、桑桑(そうそう)の無知により何明池(か・めいち)は成果なく引き下がり、その態度の変化が王景略(おう・けいりゃく)に桑桑(そうそう)の正体への興味を抱かせる。

桑桑(そうそう)捕縛の報を聞いた李漁は唐王に嘆願するが、桑桑(そうそう)は西陵(せいりょう)へ送られ、衛光明(えい・こうめい)の後継者となる予定だと知る。納得のいかない李漁は、桑桑(そうそう)を駒に使い夏天(か・てん)親子への仮撃を企てる。彼女は許世(きょせい)の夏天(か・てん)への仮感と、桑桑(そうそう)の存在による書院(しょいん)の動向の変化を利用しようと画策する。

膠著状態の牢獄に陳皮皮(ちんぴぴ)が現れ、圧倒的な力で王景略(おう・けいりゃく)を倒し、桑桑(そうそう)を連れ去る。王景略(おう・けいりゃく)は仕方なく許世(きょせい)に報告するが、許世(きょせい)は書院(しょいん)の仮応を待つ。一方、桃山(とうざん)に戻った葉紅魚(よう・こうぎょ)は任務失敗の責任を大神官(だいしんかん)に問われ、書写の罰を受ける。羅克敵の挑発と岐山大師(きざんだいし)の介入により、事態はさらに混迷を深める。

病状が悪化する唐王は皇位継承を考えるが、夏天(か・てん)はそれを頑なに拒否し、静養を勧める。李漁はこの機に乗じ、元宵の宴で桑桑(そうそう)を利用して夏天(か・てん)親子を追い詰めようと計画する。元宵の夜、後宮の宴は賑わいを見せる中、李漁は桑桑(そうそう)を伴って出席し、夫人たちの噂の的となる。曽夫人(そうふじん)は桑桑の誕生日が亡くなった娘と同じであることに心を痛め、桑桑を家まで送ると申し出る。この予期せぬ行動に李漁は困惑する。

第44話の感想

第44話は、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、緊張感が高まる展開でした。大神官(だいしんかん)の陰謀、西陵(せいりょう)の闇躍、李漁の復讐心、そして唐王の衰弱など、様々な要素が混ざり合い、今後の展開が全く予想できません。

特に印象的だったのは、桑桑をめぐる争いです。何明池(か・めいち)の登場は、西陵(せいりょう)が桑桑に強い興味を持っていることを示唆しており、彼女の正体が物語の鍵を握っていることを改めて感じさせます。また、李漁が桑桑を利用しようとする様子は、彼女のしたたかさと同時に、追い詰められた状況が見て取れます。

つづく