書院(しょいん)の先輩たちは寧缺(ねい・けつ)の結婚相手について二分していました。君陌(くんはく)たちは寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)を支持し、李慢慢たちは寧缺(ねい・けつ)と莫山山(ばく・さんさん)の結婚を推していました。それぞれの利害を主張し合い、激しい議論となりました。李慢慢と君陌(くんはく)は興奮のあまり対決姿勢を見せますが、余帘が仲裁に入り、寧缺(ねい・けつ)自身に決めさせるべきだと提案し、ようやく収まりました。君陌(くんはく)は李慢慢に謝罪し、二人は和解して一緒に下山しました。
寧缺(ねい・けつ)はどちらを選ぶべきか悩んだ末、陳皮皮(ちんぴぴ)に相談します。白湯と酸辣麺を選ぶように例え話を持ち出しますが、陳皮皮(ちんぴぴ)も答えに窮します。寧缺(ねい・けつ)は桑桑(そうそう)の嫉妬深い性格を考慮し、莫山山(ばく・さんさん)を選ぼうとしますが、陳皮皮(ちんぴぴ)は大激怒。桑桑(そうそう)こそ寧缺(ねい・けつ)の本命であり、破鏡のきっかけとなった酸辣麺も桑桑(そうそう)のもの、寧缺(ねい・けつ)を救った通天丸も桑桑(そうそう)が陳皮皮(ちんぴぴ)から奪ったものだと告げます。寧缺(ねい・けつ)は驚き、桑桑(そうそう)とのこれまでの日々を思い出します。
桑桑(そうそう)は鏡に映る自分にため息をつき、寧缺(ねい・けつ)には相応しくないと悲しみに暮れます。一方、眠れぬ夜を過ごした寧缺(ねい・けつ)は、朝早く陳皮皮(ちんぴぴ)と包子を食べに行きます。そこで月輪国白塔の僧侶、道石に曲妮(きょくに)大師の仇討ちとして勝負を挑まれます。道石は天擎念力を使って幻境の中で寧缺(ねい・けつ)と激戦を繰り広げます。陳皮皮(ちんぴぴ)は寧缺の身を案じますが、念力圏に入れず何もできません。苦戦する寧缺は魔宗の功法を使い仮撃しますが、道石は天擎手印で応戦し、寧缺を殺そうとします。道石は曲妮(きょくに)が実の母だと明かし、復讐を誓います。寧缺は桑桑(そうそう)を思い出し、胸が締め付けられるような痛みを感じます。そして桑桑(そうそう)の黒い傘で防御し、道石に緻命傷を与えますが、自身も重傷を負います。
陳皮皮(ちんぴぴ)に支えられながら河辺に辿り著いた寧缺は、自分が入魔したことを告白します。陳皮皮(ちんぴぴ)は現実を受け入れられず、寧缺を殺すことも、天罰を受けるのを見ることもできません。寧缺は桑桑(そうそう)と老筆斎の世話を頼み、雪の中、莫山山(ばく・さんさん)に別れを告げに行きます。莫山山(ばく・さんさん)は便箋を書いて欲しいと懇願しますが、寧缺は別れを告げ、去っていきます。莫山山(ばく・さんさん)は雪の中で一人、悲しみに打ちひしがれます。
酒場でやけ酒を飲む寧缺は、偶然居合わせた夫子(ふうし)に悩みを打ち明けます。寧缺は夫子(ふうし)の正体を知らず、道石を殺し、入魔したことを話します。そして師である夫子(ふうし)に無礼な言葉を浴びせ、怒った夫子(ふうし)に扇子で気絶させられます。駆けつけた李慢慢は夫子(ふうし)を責め、寧缺の最近の行動を報告します。
桑桑(そうそう)は寧缺を待ち続け、現れないことに泣き崩れます。夫子(ふうし)は李慢慢に寧缺と莫山山(ばく・さんさん)をくっつけようとしたことを咎め、寧缺の桑桑(そうそう)への想いを指摘します。唐王の命を受けた林公公は、曽静(ぞうせい)夫婦に桑桑(そうそう)を老筆斎に送り返すよう伝えます。これは夫子(ふうし)の決定でもありました。桑桑(そうそう)は林公公から寧缺が怪我をしたことを聞かされます。
第48話の感想
第48話は、寧缺の苦悩と決断、そして周囲の人々の様々な想いが交錯する、非常に重く、そして切ないエピソードでした。特に印象的なのは、寧缺が桑桑(そうそう)と莫山山(ばく・さんさん)の間で揺れ動く心情です。陳皮皮(ちんぴぴ)の言葉によって、桑桑(そうそう)の存在の大きさを改めて認識するシーンは、彼の葛藤が痛いほど伝わってきました。桑桑(そうそう)への愛を再確認しながらも、同時に莫山山(ばく・さんさん)への情も断ち切れない、その複雑な心境に胸が締め付けられます。
道石との戦いは、寧缺の精神的な変化を象徴する重要な場面でした。強敵との死闘の中で、桑桑(そうそう)への想いが彼を突き動かし、結果として魔宗の力に深く傾倒していくことになります。この戦いは、寧缺にとって大きな転換点となる出来事と言えるでしょう。勝利を得ながらも、入魔という大きな代償を払うことになり、今後の展開が非常に気になります。
つづく