あらすじ
第五話では、唐王の真摯な謝罪に李漁が涙を流し、夏侯の解放を願い出て認められる様子が描かれました。一方、都では寧缺と桑桑が書道店を開き、祝いに駆けつけた朝小樹は寧缺と賭けをします。李琿圓は唐王に叱責され、李漁からも諭されます。解放された夏侯は駐屯地に戻り、李漁は彼のために香囊を縫います。寧缺と桑桑は偶然顔瑟に出会い、寧缺は字と引き換えに糖葫蘆をもらいます。顔瑟は寧缺に潜在的な弟子としての素質を見出します。情報を伝えるために卓爾が犠牲となり、寧缺はその手がかりを見つけ、卓爾の仇を討つことを誓います。紅袖招まで追跡した寧缺は褚由賢と知り合い、簡大家は彼の目的を見抜きますが、咎め立てはしません。寧缺の復讐の道は静かに始まり、前途には多くの困難が待ち受けています。
ネタバレ
唐の宮廷では、唐王の心からの謝罪に李漁は深く感動する。王は李漁の傍にいて、彼女の幸せを見守りたいと願う。李漁は涙を浮かべながらも、夏侯の身を案じる。北渭軍の統帥である夏侯を都に留めておくことは、金帳王庭や燕国の警戒を招く恐れがあると賢明な判断を示し、釈放を願い出る。唐王は李漁の思慮深さに感心し、その願いを聞き入れる。
一方、桑桑は都で一番質素な店を寧缺の書道屋に選び、開店準備を進める。簡素ながらも、寧缺は新たな生活の始まりに満足げだ。開店祝いに駆け込んだ朝小樹は、二人の努力を褒め称える。寧缺は書を売り込み、朝小樹は自分が通りの店全てを所有していることを明かし、もし店が三ヶ月続けば家賃を免除すると賭けを持ちかける。
宮廷では、李琿圓が些細なことで小六子と口論になり、手を出してしまう。それを唐王と李漁が目撃し、唐王は李琿圓を厳しく叱責、李漁もまた言動に気を付けるよう諭す。釈放された夏侯はすぐさま駐屯地へ戻る。李漁は夜通し香袋を縫い、夏侯への想いを馳せる。
翌朝、寧缺は桑桑と街を散策中、昊天道南門の符師・顔瑟が字と引き換えにサンザシ飴を手に入れる場面に出くわす。サンザシ飴に惹かれた桑桑のために、寧缺は砂盤に「夫」の字を書き、見事サンザシ飴を手に入れる。二人は笑顔でその場を去る。顔瑟は寧缺こそ探し求めていた弟子だと気付くが、二人は既にすれ違っていた。
一方、逃亡中の卓爾は重傷を負いながらも、寧缺に重要な情報を届けようと白菜の山の中に革紐と包みを隠す。しかし、追手に追いつかれ、命を落とす。寧缺は住処に戻り、血痕と卓爾の遺体を発見。悲しみに堪えながらも、卓爾が残した情報から、張貽琦こそ将軍府を陥れた黒幕だと知る。寧缺は卓爾の仇を討つことを誓う。
夜、寧缺は情報をもとに紅袖招へ辿り著き、東城七貴の一人・褚由賢と出会う。紅袖招の中で、寧缺は冷静さを保ちながら張貽琦を探す。会首の簡大家は寧缺の隻者ではない雰囲気を感じ取る。故人に価た寧缺を咎めながらも、突き放すことはできない。簡大家は小草に寧缺を送り出させる。寧缺は次の行動を心に決める。
この夜、寧缺の復讐の物語が静かに幕を開ける。前途の困難を理解しつつも、大切な人を守るため、彼は進み続ける。その背後には、唐国内の複雑な権力争いと、正義と公平を求める彼の強い信念がある。
第5話 感想
第五話は、それぞれのキャラクターの想いが交錯し、物語が大きく動き出す重要なエピソードでした。李漁の唐王への深い愛情と、夏侯への切ない想いが胸を打ちます。唐王もまた、李漁の聡明さを認め、彼女の願いを聞き入れることで、国の安定を図ろうとする思慮深さを見せています。
一方、寧缺と桑桑は質素ながらも温かい生活をスタートさせ、二人の強い絆を感じさせます。朝小樹との賭けは、今後の展開への期待を高めます。また、偶然の出会いながらも、顔瑟と寧缺のすれ違いは、運命の残酷さを闇示しているかのようです。
つづく