あらすじ
第五十話は、寧缺が夫子によって思過崖に閉じ込められ、桑桑が崖の外で彼を待ち続け、世話を焼く様子を描いています。夫子は寧缺を守るために結界を張りましたが、寧缺はそれを罰だと勘違いし、何度も結界を破ろうと試みますが、失敗に終わります。桑桑は寒さをしのぐため、思過崖の周りを走り、君陌は内功を使って彼女を温めます。隆慶は南海で知守観の観主、陳某と出会い、光明を選び直し、救済を得ます。余帘は寧缺のために夫子に嘆願しますが、夫子は玉扳指の由来を説明し、余帘は仕方なく旧書楼に戻ります。君陌は寧缺に反省を促し、浩然気を制御するように諭します。柳亦青は寧缺に挑戦しようとしますが、彼が閉関中だと知り、待つことにします。唐小棠は書院に寧缺を探しに来ますが、陳皮皮に断られた後、夫子に会って書院に留まることになります。葉紅魚は罰として書物を書き写すことになり、羅克敵は彼女を誘惑しようとしますが、葉紅魚に反撃されます。
ネタバレ
寧缺と桑桑は謎の結界に阻まれ、互いに見つめ合うことしかできない。夫子は寧缺が思過崖に入ったのを確認すると、李慢慢を連れ下山し、桑桑には寧缺の帰りを待つよう告げる。実は、夫子は寧缺を復讐の渦に巻き込まないよう、そして入魔の秘密を守るため、あえて結界を張ったのだ。何も知らない寧缺は、夫子の仕打ちに不満を抱く。
一方、羅克敵は大神官に寧缺の状況を報告する。大神官は疑念を抱き、思過崖を探らせようとするが、書院の威厳を前に断念する。寧缺は何度も結界を破ろうとするが、力尽きてしまう。桑桑は心を痛め、棒で結界を壊そうとするが、寧缺は彼女を傷つけまいと止める。
隆慶は南海の小さな町に流れ著き、知守観の観主・陳某と出会う。かつて陳某の恩を受け、光明の道を選んだ隆慶は、今の自分の姿に恥じ入る。陳某は隆慶に再び光明を掴むよう導き、隆慶は新たな旅立ちを決意する。
桑桑は思過崖の傍に小屋を建て、寧缺の身の回りの世話を焼く。質素な暮らしながらも、二人の絆は深まっていく。程立雪と天諭大神官は桑桑を連れ戻すため唐国へ急ぐ。山中の寒さが厳しくなり、桑桑の寒疾が再発する。寧缺は下山を勧めるが、桑桑は拒否する。寧缺は桑桑に崖の周りを走らせ、体を温めさせる。李慢慢と君陌が物資を届け、君陌は桑桑に力を送り寒さを和らげる。寧缺は師兄師姐たちが思過崖に自由に出入りできることを知る。
再び寧缺のために夫子に嘆願した余帘に、夫子は玉扳指の真意、柯浩然への深い想いの継承、そして寧缺への期待を語る。余帘は自らを省み、経文を書き続ける。君陌は寧缺に浩然気を製御し、入魔の秘密が漏れないよう忠告する。寧缺はようやく夫子の苦心を理解し、修行に励む決意を固める。
柳亦青は寧缺に挑戦するため書院を訪れるが、閉門中と知り、待つことにする。唐小棠は雪狼を連れ良品鋪子へ行き、陳皮皮と出会う。唐小棠は魔宗聖女であることを明かし、寧缺に会いたいと告げる。陳皮皮は驚きながらも、彼女を老筆斎に滞在させ、書院に入門したいという唐小棠の申し出に苦笑する。
葉紅魚は書写の苦行に耐え、羅克敵の挑発に怒りを燃やす。弱った体でも羅克敵を撃退する。夫子は唐小棠を助け、陳皮皮は夫子の行動に疑問を抱く。
第50話の感想
第50話は、様々な場所でそれぞれの思惑が交錯する、転換点となるエピソードでした。寧缺と桑桑の思過崖での生活は、試練でありながらも二人の絆をより深める貴重な時間となっています。結界によって隔てられながらも、互いを思いやる姿は胸を打つものがあります。特に、桑桑の寒疾の再発は、二人の過酷な状況を改めて浮き彫りにし、今後の展開への不安を掻き立てます。
一方、隆慶と陳某の再会は、物語に新たな光を投げかけます。どん底に落ちた隆慶にとって、陳某の存在は希望の光となるのでしょうか。彼の再出発がどのような影響をもたらすのか、今後の展開が非常に気になります。
つづく