寧缺(ねい・けつ)と桑桑(そうそう)は謎の結界に阻まれ、互いに見つめ合うことしかできない。夫子(ふうし)は寧缺(ねい・けつ)が思過崖に入ったのを確認すると、李慢慢を連れ下山し、桑桑(そうそう)には寧缺(ねい・けつ)の帰りを待つよう告げる。実は、夫子(ふうし)は寧缺(ねい・けつ)を復讐の渦に巻き込まないよう、そして入魔の秘密を守るため、あえて結界を張ったのだ。何も知らない寧缺(ねい・けつ)は、夫子(ふうし)の仕打ちに不満を抱く。
一方、羅克敵は大神官(だいしんかん)に寧缺(ねい・けつ)の状況を報告する。大神官(だいしんかん)は疑念を抱き、思過崖を探らせようとするが、書院(しょいん)の威厳を前に断念する。寧缺は何度も結界を破ろうとするが、力尽きてしまう。桑桑(そうそう)は心を痛め、棒で結界を壊そうとするが、寧缺は彼女を傷つけまいと止める。
隆慶は南海の小さな町に流れ著き、知守観の観主・陳某(ちんぼう)と出会う。かつて陳某(ちんぼう)の恩を受け、光明の道を選んだ隆慶は、今の自分の姿に恥じ入る。陳某(ちんぼう)は隆慶に再び光明を掴むよう導き、隆慶は新たな旅立ちを決意する。
桑桑(そうそう)は思過崖の傍に小屋を建て、寧缺の身の回りの世話を焼く。質素な暮らしながらも、二人の絆は深まっていく。程立雪(てい・りゅうせつ)と天諭大神官(だいしんかん)は桑桑(そうそう)を連れ戻すため唐国へ急ぐ。山中の寒さが厳しくなり、桑桑(そうそう)の寒疾が再発する。寧缺は下山を勧めるが、桑桑(そうそう)は拒否する。寧缺は桑桑(そうそう)に崖の周りを走らせ、体を温めさせる。李慢慢と君陌(くんはく)が物資を届け、君陌(くんはく)は桑桑(そうそう)に力を送り寒さを和らげる。寧缺は師兄師姐たちが思過崖に自由に出入りできることを知る。
再び寧缺のために夫子(ふうし)に嘆願した余簾に、夫子(ふうし)は玉扳指の真意、柯浩然(ここうぜん)への深い想いの継承、そして寧缺への期待を語る。余簾は自らを省み、経文を書き続ける。君陌(くんはく)は寧缺に浩然気を製御し、入魔の秘密が漏れないよう忠告する。寧缺はようやく夫子(ふうし)の苦心を理解し、修行に励む決意を固める。
柳亦青は寧缺に挑戦するため書院(しょいん)を訪れるが、閉門中と知り、待つことにする。唐小棠(とう・しょうとう)は雪狼を連れ良品鋪子へ行き、陳皮皮(ちんぴぴ)と出会う。唐小棠(とう・しょうとう)は魔宗聖女であることを明かし、寧缺に会いたいと告げる。陳皮皮(ちんぴぴ)は驚きながらも、彼女を老筆斎に滞在させ、書院(しょいん)に入門したいという唐小棠(とう・しょうとう)の申し出に苦笑する。
葉紅魚(よう・こうぎょ)は書写の苦行に耐え、羅克敵の挑発に怒りを燃やす。弱った体でも羅克敵を撃退する。夫子は唐小棠(とう・しょうとう)を助け、陳皮皮(ちんぴぴ)は夫子の行動に疑問を抱く。
第50話の感想
第50話は、様々な場所でそれぞれの思惑が交錯する、転換点となるエピソードでした。寧缺と桑桑(そうそう)の思過崖での生活は、試練でありながらも二人の絆をより深める貴重な時間となっています。結界によって隔てられながらも、互いを思いやる姿は胸を打つものがあります。特に、桑桑(そうそう)の寒疾の再発は、二人の過酷な状況を改めて浮き彫りにし、今後の展開への不安を掻き立てます。
一方、隆慶と陳某(ちんぼう)の再会は、物語に新たな光を投げかけます。どん底に落ちた隆慶にとって、陳某(ちんぼう)の存在は希望の光となるのでしょうか。彼の再出発がどのような影響をもたらすのか、今後の展開が非常に気になります。
つづく