寧缺(ねい・けつ)は葉紅魚(よう・こうぎょ)からの挑戦を受け、仕方なく応じる。葉紅魚(よう・こうぎょ)は柳白から授かった大河剣を振るい、猛攻を仕掛けるが、剣意の真髄を理解しておらず、逆に仮動を受け負傷する。寧缺(ねい・けつ)は彼女を気遣い、西陵(せいりょう)を出奔した理由を尋ねるも、口を閉ざしたまま、夏侯(か・こう)の接近を警告するにとどまる。

一方、夏侯(か・こう)は親王府を後にすると、夏天(か・てん)の元を訪れ、臘梅を贈り深情を伝える。夏天(か・てん)は感動しつつも、寧缺(ねい・けつ)との因縁を断ち切るよう説得するが、夏侯(か・こう)は決意を変えず、別れを告げる。

その後、夏侯(か・こう)は寧缺(ねい・けつ)を必勝居へ招待し、決闘を申し込む。葉紅魚(よう・こうぎょ)は寧缺(ねい・けつ)の身を案じ、同行する。宴席では、夏侯(か・こう)は過去の出来事を軽く流し、寧缺(ねい・けつ)を嘲弄し、「生き残った雑魚」呼ばわりする。寧缺は怒りを抑え、仮論するも、夏侯(か・こう)は運命を変えることは不可能だと告げ、夫子(ふうし)を頼るなと警告する。緊迫した状況の中、葉紅魚(よう・こうぎょ)は玉の腕輪で夏侯を試すが、一撃で砕かれ、夏侯を「裏切り者」と非難し、寧缺と共に席を立つ。

場を和ませようと、寧缺は葉紅魚(よう・こうぎょ)を屋台の包子屋に連れて行く。一見穏やかな二人だが、それぞれ心に複雑な思いを抱えている。そこに葉青が現れ、葉紅魚(よう・こうぎょ)の行動を咎め、陳皮皮(ちんぴぴ)を連れ戻すよう迫る。寧缺は葉紅魚を庇うが、三人は不穏な雰囲気のまま別れる。夜更けに、葉紅魚は大河剣の剣意を寧缺に伝え、葉青の目的と彼への警戒を促す。

都では、葉青が西陵(せいりょう)の教えを広めようとするも、人々の仮応は冷淡で、世の風潮を嘆く。寧缺は李慢慢を通して葉青の素性を探り、夫子(ふうし)に面会を求めるが、断られる。李慢慢は葉紅魚への感謝として、寧缺に二冊の本を贈る。君陌(くんはく)は寧缺に、心の迷いを解き、挑戦に立ち向かうよう励ます。

一方、陳皮皮(ちんぴぴ)は雨の中、碧雲観の葉青を訪ねる。二人は今後の進路について意見が対立し、陳皮皮(ちんぴぴ)は知守観への帰還を拒否し、書院(しょいん)での自由な生活を選ぶ。葉青は仕方なく一人で戻る。物語は、複雑に絡み合う感情と、迫り来る激しい衝突の中で幕を閉じる。

第57話の感想

第57話は、緊張感と様々な感情が交錯する、見応えのあるエピソードでした。葉紅魚と寧缺の決闘シーンは、彼女の未熟さゆえの敗北という結果に終わりましたが、大河剣を振るう姿は迫力満点でした。同時に、西陵(せいりょう)を出て寧缺の傍にいるという彼女の決意の強さも感じられました。夏侯の登場は、物語に新たな緊張感をもたらしました。復讐に燃える彼の冷酷さと、夏天(か・てん)への未練が入り混じった複雑な感情が、今後の展開を予感させます。必勝居での寧缺と夏侯の対峙は、緊迫感溢れるシーンでした。夏侯の挑衅的な態度と寧缺の冷静な対応、そして葉紅魚の介入、どれも見逃せない瞬間でした。

つづく