賑やかな紅袖招で、桑桑(そうそう)は寧缺(ねい・けつ)を連れ回っていた。舞女の水珠児(すいじゅじ)は寧缺(ねい・けつ)の端正な顔立ちに惹かれ、つい見とれてしまう。桑桑(そうそう)に寧缺(ねい・けつ)の素性を尋ねると、書院(しょいん)入学を目指す努力家だと聞き、水珠児(すいじゅじ)の好奇心はさらに掻き立てられる。寧缺(ねい・けつ)が水珠児(すいじゅじ)に礼儀正しく別れを告げると、水珠児(すいじゅじ)は悪戯っぽく寧缺(ねい・けつ)の顎に触れ、惜しむように褒め言葉をかけた。二人の間には、かすかな恋の予感が漂っていた。

一方、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は親友の卓爾(たくじ)の剣が見つかり、張貽琦(ちょう・いき)が卓爾(たくじ)の死に深く関わっていることを知る。自責と怒りに駆られた朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は、卓爾(たくじ)の仇を討つことを誓う。寧缺(ねい・けつ)は自ら張貽琦(ちょう・いき)を討つ決意をし、正々堂々と世間に知らしめる方法を模索する。桑桑(そうそう)の提案で、行動の闇号として詩を用いることに決めた。

夜更け、寧缺(ねい・けつ)は紅袖招に忍び込み、張貽琦(ちょう・いき)の部屋へ侵入する。突然の寧缺(ねい・けつ)の出現に、張貽琦(ちょう・いき)は驚き慌てふためく。命乞いをする中で、十五年前の林将軍府の冤罪事件の真相を暴露する。全ての黒幕は陳子賢(ちんしけん)と顔粛清(がんしゅくせい)であった。しかし、寧缺(ねい・けつ)がさらに深層の黒幕を問い詰めると、張貽琦(ちょう・いき)は死んだふりをし逃亡を図る。追跡の末、張貽琦(ちょう・いき)は転倒し命を落とす。寧缺(ねい・けつ)はすぐさま現場から立ち去るが、その一部始終を駆けつけた朝小樹(ちょう・しょうしゅ)が目撃していた。

この知らせは李沛言の耳にも届き、自らの駒である張貽琦(ちょう・いき)の死を激しく怒る。崔徳禄(すいとくろく)はすかさず朝小樹(ちょう・しょうしゅ)の関与を仄めかし、李沛言は朝小樹(ちょう・しょうしゅ)を呼びつけ、脅迫めいた言葉で自陣に引き込もうとする。しかし、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は唐国は李沛言一人のものではないと断言し、誰の配下にもならないと宣言、憤然と立ち去る。

時を同じくして、華山岳(かざんがく)は李漁に軍部が魚龍幇(ぎょりゅうほう)を討伐する計画を伝え、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)の排除を目論んでいることを明かす。李漁は直ちに救援計画を立て、唐王に報告することを決める。夜、羽林軍(うりんぐん)が朝府を包囲し、一触即発の状態となる。魚龍幇(ぎょりゅうほう)の面々は一丸となって、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)を守ろうとする。朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は雨の中、寧缺(ねい・けつ)のもとを訪れ協力を求める。金に目がない寧缺(ねい・けつ)だが、卓爾(たくじ)の仇討ちと聞くと、五百両の報酬を条件に参戦を決意する。

二人は共に春風亭へ乗り込む。南城の蒙老爷と西城の猫叔の待ち伏せに遭うが、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は機転と勇気で敵を翻弄し、寧缺は俊敏な動きで朝小樹(ちょう・しょうしゅ)を闇器から守る。息の合った連携で次第に優勢となる。最終的に朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は圧倒的な修為で敵を打ち破り、猫叔は朝小樹(ちょう・しょうしゅ)の正体に気づき恐怖に慄きながら絶命する。

勝利を目前に、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)と寧缺は朝府へ戻る。待ち伏せしていた弓兵に対し、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は冷静に剣で盾を作り二人を守りながら府内へ。晋南剣閣の指揮使との決戦では、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)は驚異的な念力製御能力を発揮し勝利する。寧缺も残りの兵士と戦い、力尽きるまで戦い抜いた。

この戦いを経て、朝小樹(ちょう・しょうしゅ)と寧缺の友情はさらに深まり、寧缺は実戦で自らの実力と決意を示した。春風亭の戦いは卓爾(たくじ)の仇を討っただけでなく、寧缺が江湖で頭角を現すきっかけとなり、後の伝説への道を切り開く礎となった。

第6話の感想

第六話は、寧缺と朝小樹(ちょう・しょうしゅ)、二人の友情が深まる重要なエピソードでした。復讐、陰謀、そして迫力のアクションシーンと、見どころ満載の内容で、あっという間に時間が過ぎたように感じました。

特に印象的だったのは、春風亭での戦闘シーンです。朝小樹(ちょう・しょうしゅ)の冷静な判断と華麗な剣技、そして寧缺の機転と素早い動き。二人の息の合った共闘は、まさに手に汗握る展開でした。互いの弱点を補い合い、強敵を打ち破っていく姿は、真の友情を感じさせ、胸を熱くしました。

また、寧缺が張貽琦(ちょう・いき)から十五年前の林将軍府の冤罪事件の真相を聞き出すシーンも緊迫感がありました。真実に近づきながらも、核心には届かないもどかしさ、そして逃げる張貽琦(ちょう・いき)を追跡するスリリングな展開は、物語に深みを与えていました。

つづく